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浮気後の夫婦関係、修復可能ですか?

  • 2024.3.4

夫婦のどちらかが浮気をした場合、果たして今後夫婦としてやっていけるのか、誰しもが不安になるはずだ。フランスの臨床心理士でカップルセラピストのリサ・ルテシエは、修復可能かを3つの観点から考えようとアドバイスしている。

夫婦仲が修復不可能な場合もある。photography : mustafahacalaki / Getty Images

死がふたりを分かつまで、ともに歩むと誓いを立てたのはいつの事だったのか。人によっては時代遅れの約束、あるいは現実離れした妄想にしか思えないかもしれない。婚外出会い系サイトのGleedenが2022年におこなった調査によれば、フランスで暮らす人の42%(男性46%、女性38%)は浮気したことがあると回答している(1)。では浮気が発覚した後の夫婦関係はどうなるのだろう。もう、別れるしかないのだろうか。浮気した方が浮気された方に別れを告げる?そうとは限らない、とリサ・ルテシエは言う。臨床心理士とカップルセラピストの肩書を持つリサは『Le mensonge dans le couple(原題訳:カップル間の嘘)』(Odile Jacob刊)の著者でもある。「浮気をしたことで夫婦の絆が強まる場合もある。もっとも、浮気をしたというのは夫婦関係がうまくいっていないサインではあるけれど」と臨床心理士は言う。では、修復可能かどうかを判断するには何をよりどころにすればいいのだろう。

絆の三本柱

リサ・ルテシエによると、カップルの絆は愛情、友情、セクシュアリティの三本柱で成り立っている。友情には相手への信頼や相互理解、カップルへの帰属意識、大切にされている実感、相手とのコミュニケーションが含まれる。セクシュアリティは、性的に満足しているかどうかだ。不倫相手との三本柱のほうが強い場合は「良くない兆候だ」と臨床心理士は言う。「不倫相手との絆の方が、夫婦よりも強いということになる」からだ。どの柱がダメなのかにも左右される。「友情やセクシュアリティに関しては、働きかけで改善できる可能性がある。でも愛の柱には直接働きかけることができない」と臨床心理士のリサは懸念する。そうなると、いくらセラピーを受けても関係の修復は難しい。「会話も相互理解も信頼もなく、セクシュアリティにも問題ありという状態になってしまうと、当然愛情も影響を受ける。その場合、離婚に至る可能性が高い」

関係修復へのやる気

一緒にいることはエネルギーを必要とする。壊れかけた関係を修復するとなればなおさらだ。どうにでもなれと投げやりな態度を相手が取るならば、それは多分もう別れたいのだろう。「努力している間は、関係がうまくいくことを望んでいる。ところがやる気を失い、できることはすべてやった、もう努力したくないという態度になると、まだ家族としての愛情は残っているかもしれないが、一緒の未来を考えていない」とリサは分析した。

浮気告白の動機

浮気を告白するか黙っているかは人それぞれの倫理観次第。別れるべきかどうかを考える際、内緒にしていたかどうかより、もっと大事なことがある。それは浮気を告白した理由だ。「黙っていることに耐えられず、パニック発作を起こす人もいる。だが自分が罪悪感から解放されるためだけに告白するのは、とてもよくない考え方だ。夫婦関係の修復につながらないどころか、自分の重荷を相手に肩代わりさせる、とても利己的な行動だからだ」とリサは指摘する。

では浮気したことを白状したい場合、どうすべきか。浮気を相手に告白する前に、ひとりでカウンセリングを受けることを臨床心理士は勧める。自分を見つめ、自分で自分を許せるかを考えてみるのだ。「浮気の告白は、ふたりの関係を心から修復したいと思っていて、嘘をついている間はそれが無理だと感じているのならば、前向きな姿勢となる。ふたりの再出発のためであって利己的な動機ではないのだから」とリサはしめくくった。

(1) この調査はYougov社との提携により実施された。

 

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