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【漢字】「山葵=やまあおい」じゃない!?実は読めそうで読めない漢字3選

  • 2024.3.2

先週に引き続き、今週も「春の難読漢字」を紹介します。なお、出題はすべて「春の季語」から選びましたが、特に今週は「植物編」です。では、始めましょう。

1.「山葵」

最初は「山葵」です。何と読むでしょうか? ヒントは「香りと辛み」です。

「やまあおい」ではありません。正解は「わさび」でした。「香辛料用に栽培されるアブラナ科の多年草」ですが、春から夏にかけて白い四弁の小さな花をつけることから、「春の季語」のひとつです。「わさび」は、根をすりおろしたものが香辛料として利用されるのが一般的ですが、とくに「刺身や蕎麦」をいっそう美味しくいただくためには、なくてはならない脇役ですね。

2.「鹿尾菜」

次は「鹿尾菜」です。何て読むでしょうか。「野菜」のようですが、実は違います。

正解は「ひじき」でした。陸地で取れる野菜ではなくて、海藻の一種「ホンダワラ科」に属しますが、海の岩礁で冬から春にかけ発芽、夏になる前に採取されることから、「春の季語」のひとつです。「鹿尾菜」と表記されるのは、その見た目(動物の鹿の尾)からとも言われています。古くは、有名古典の『伊勢物語』の中にも、好きな女性に歌を贈るのに、「ひじき藻(ひじきの古称)」を添えた貴公子の話があります。見た目の地味な「鹿尾菜」でも、恋の小道具になったのですね。

3.「韮」

最後は「韮」です。今度は、陸地で取れる野菜です。「韮」は常用漢字外ですので、普段はひらがなやカタカナで書かれることが多いと思いますが、漢字ではこう書きます。さて、何と読むでしょうか?

正解は「にら」でした。「韮崎(山梨県)」「韮山(静岡県)」などの地名が身近な方は、すぐにわかったかもしれません。「韮(ニラ)」は、「野菜として栽培されるユリ科の多年草」ですが、さすが「春の季語」だけあって、辞書の語釈にも「春の葉は柔らかく美味」と明記されています。料理には万能な「韮(ニラ)」ですが、これを使った料理の代表と言えば、中華料理発祥の「あれ」ですよね。ところで、あなたは「レバニラ」派ですか? 「ニラレバ」派ですか? 本家本来の「ニラレバ」が日本で「レバニラ」が優勢となっていったのは、某有名料理漫画の「パパ」による影響という説があるそうですよ。

前回は「三寒四温」という四字熟語に少し触れましたが、先週も季節外れの「20℃超え」を記録したかと思えば、翌日は15℃以上も最高気温が下がって真冬に逆戻りし、おまけに「降雪」と、まさに気紛れな「春の気候」の1週間でした。では、今回はこのへんで。

《参考文献》「広辞苑 第六版」(岩波書店)/「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)/「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)/「新字源」(角川書店)/「難読漢字辞典」(三省堂)/「古語林」(大修館書店)/もっと1秒で読む漢字」(青春出版社)/「できる大人の漢字大全」(三笠書房)

文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)

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