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高垣麗子さん、二度の結婚と離婚を経てのいま。「パートナーや子どもの有無で幸せは決まらない」

  • 2024.3.1
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数々のファッション誌で長年レギュラー出演を続けているモデルの高垣麗子さん。二度の結婚と離婚を経て、6歳の女の子のシングルマザーでもあります。「今、好きなものに囲まれて日々とても充実しています」と語ります。経験を積み40代になって見えてきた恋愛観や、子育て、そして今後の女性としての生き方について伺いました。

何かをやったら、何かをあきらめる

――30年にわたってモデルのお仕事を続けながら、結婚や離婚を経て母になりました。考え方が大きく変化したなと感じた瞬間はありましたか?

高垣麗子さん(以下、高垣): 30代の頃、人によく見られたいと思ったり、理想像を勝手に作って、「こういうことができないと恥ずかしい」と思ったりしていました。その理想の一つが、「お母さん=何でも出来る人」だったのですが、いざ自分が母親になると、意外と知らない常識があることに気付かされました。10代から仕事をしてきたにもかかわらず、一般的なことでも自分が知らないことがたくさんあることに子育てを通して気がついたのです。

今は、それを隠すのではなく、友人に「こんなことを知らなくて恥ずかしかった〜」と素直に言うことができています。40代になって大小様々なことを受け流せるようになり、「自分は自分」と思えるようになりました。改めて振り返ると、親になったことが価値観の変化に大きく影響していると感じます。

朝日新聞telling,(テリング)

――現在はシングルマザーとして仕事、子育て、家事を両立されています。工夫している点は?

高垣: いまは、何かをやったら、何かをあきらめるというスタンスで物事を進めています。以前は「全部ちゃんとやりたい派」だったので、子どもが生まれたばかりの頃は、育児も、掃除も、仕事も全部頑張りたいのにできないことにストレスを感じていました。子どもを理由に甘えたくないと強く思っていました。1歳になった頃にシングルになったのですが、娘に対しても仕事を理由に寂しい思いをさせたくなくて。

そんな中、日々余裕がなく笑顔がなくなっていったことを自覚し始め、仕事も子育ても100%は無理だと気づきました。今は、良い意味で手抜きができるようになりました。家事においては、洗い物を翌朝に持ち越すことを「しょうがない」と許容できるようになったり、洋服はアイロンがけをしなくてもシワが目立たない柄物を選んだり、レトルト食品を活用したりもしています。

子育ては、 何が正解なのかわからない

――お子さんと接するうえで、大事にされていることを教えてください。

高垣: 娘は今年、小学生になります。ランドセルを買った時、「もう小学生か……」としみじみ思いました。子育ては、 何が正解かは全然わかりません。成長を嬉しく、頼もしく思う反面、寂しさも感じています。夜、娘が寝た後、急に寂しくなってしまうことがあるのですが、そういう時は小さかった頃の過去の動画を見返します。「手を繋ごう」って言ってくれたり、甘えたりしてくれる“今”を大事にしようと思うと、家事はちょっと手抜きしてもいいから、娘と向き合う時間を増やす方を大切にしたいなと。何か特別なことをしなくても、一緒に過ごすことを優先しようと最近は思っています。

朝日新聞telling,(テリング)

――過去に2回離婚を経験されていますが、難しい決断だったのではないでしょうか。

高垣: 子どもがいなかった1度目の離婚とは違い、2回目の時は子どものことを考えて、離婚をすべきかどうか散々悩みました。悩んで、悩んで、悩んだ末、最終的にはお別れをして子どもと2人で暮らす道を選んだのですが、その選択を後悔したことはありません。長い目で見たら、何が正解かはわからないですが、今時点では決断は間違っていなかったのではと思っています。

悩むことは、より良い人生にするためのもの

――2回の離婚と結婚を経た中で、 恋愛観や結婚観は変わりましたか?

高垣: 1度目の離婚時は、いつかまたいっしょにいたいと思える人と出会えたら、パートナーとして過ごせたらいいなという希望を持っていました。二度目の離婚を経ての今は、子どもと2人で暮らすことで、とても満ち足りた日々を送っています。

昨年あるインタビューで、次の恋愛について聞かれた時、本当に困ってしまって(苦笑)。考えた末、「恋愛においては本当に何も隠すものがないので、そのことをそのまま話そう」という結論に至りました。恋愛を躊躇するとか、誰かを信じるのが怖いとかでは全くないんです。今回出版した本『わたしの好きのかたち』にも書きましたが、結局自分の幸せは、自分次第だなと思っていて。パートナーや子どもの有無で幸せが決まるのではないと思っています。今は、自分の好きなものや場所があり、大切な存在の娘もいて、すごく充実しています。

朝日新聞telling,(テリング)

――現時点でたどり着いた理想のパートナー像があったら教えてください

高垣: 自分が無理なくいられる人ですかね。若い時は、好きな人ができると、好きになってもらいたいから相手に合わせようとしていました。今は、自然と一緒にいたいと思えて、一緒にいて落ち着く人が理想です。そういう相手がいたら、きっと楽しさも倍増するのかなと思っています。

――『わたしの好きのかたち』では、21年間マネージャーを務める「スージーさん」との信頼関係が印象的でした

高垣: 家族よりも長くいっしょにいますね。仕事だけではなく、結婚して離婚して、結婚して出産して、そして離婚してと、大変だった時期に、 1番身近にいてくれた存在です。1度目の離婚の時、悩みすぎて食べられず、寝られない日々が続いていた時、毎日事務所に会いに行って、ただただずっと話を聞いてもらっていました。その時、「食欲がなかったら食べなきゃいいし、寝られなかったら寝なきゃいい。いつか食べたくなるし、眠りたくなるから」と言われて。その一言で気持ちがとても楽になり、その後、その通り本当に回復しました。

朝日新聞telling,(テリング)

――telling,の主な読者の20代後半〜30代は、結婚、出産、キャリアなどの選択や決断を迫られることが多い世代です。一歩を踏み出せずに悩む妹たちにアドバイスをお願いします。

高垣: 悩みの種類は様々だと思いますし、悩むことは、より良い人生にするためのものなので、悪いことではないと思います。その上で、自分の気持ちを大事にした方がいいと思います。どんな選択をしても、後悔しようと思えばいくらでもできてしまうものです。もし、「ダメだな」と思うことがあっても、きっとそこからまた新しい選択肢が生まれると思います。私は、最初の離婚がなければ、娘には出会えていません。悩んで決断した結果は、それが自分らしい道のはずなので、自分の気持ちを大事にして進んでいいと思います。

■小野ヒデコのプロフィール
1984年東京生まれ横浜育ち。同志社大学文学部英文学科卒業。自動車メーカで生産管理、アパレルメーカーで店舗マネジメントを経験後、2015年にライターに転身。現在、週刊誌やウェブメディアなどで取材・執筆中。興味あるテーマはアスリートのセカンドキャリア。英語は日常会話に困らない程度できます。

■慎 芝賢のプロフィール
2007年来日。芸術学部写真学科卒業後、出版社カメラマンとして勤務。2014年からフリーランス。

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