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【話題の映画】岡田将生が演じる殺人犯と子どもたちの駆け引きがスリリング『ゴールド・ボーイ』 3/8公開 【伊藤さとりの映画レビュー】

  • 2024.2.29

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、3月8日(金)公開の『ゴールド・ボーイ』。中国の動画配信サイトiQIYIで配信されたドラマは20億回再生(※iQIYI JAPAN調べ)されたという話題の小説を映画化。完全犯罪となるはずの殺人を少年たちが目撃し、頭脳戦が始まる!


犯人探しの面白さではなく、犯罪者の心理を描く

ミステリーの真髄を令和に見る。 「なぞなぞ」が好きだった時代、一度は思い当たるのではないでしょうか。横溝正史氏の「金田一耕助」シリーズや“火サス”と言われる「火曜サスペンス劇場」も探偵ドラマ、アガサ・クリスティ氏の「名探偵ポアロ」シリーズも、青山剛昌氏の「名探偵コナン」も、田村由美氏の「ミステリと言う勿れ」も、子供に人気のトロル氏原作「おしりたんてい」だってミステリーなのです。

そんなミステリーは犯罪を推理するのが面白味なのですが、この映画『ゴールド・ボーイ』はそうではない! “犯罪者の心理を探る”一歩踏み込んだクライムサスペンスなんですよ。 ようは冒頭5分で犯人が分かり、次々と犯罪が起こっていく中で、それを知った少年少女が犯罪者に脅しをかけるという、考えるだけで危険極まりない設定。そんなのすぐに犯罪者に取り込まれるか、犯罪者の手にかかってしまうかの二択しかその後の展開が想像出来ないと思いきや、もしひとりが頭のキレる子供だったら?という一工夫で江戸川コナン君もビックリの物語へと発展していきます。

この物語を思いついたのは、中国の小説家・紫金陳(ズー・ジンチェン)氏であり、本国の動画サイトでドラマ化され20億回再生という社会現象とされたくらいの話題を呼んだ原作。それを国際色豊かな新進気鋭の製作会社が、『デスノート』(2006)の金子修介監督、『宮本から君へ』(2019)、『正欲』(2023)などの脚本家・港岳彦さんという日本のスタッフと組んで、沖縄を舞台に変えて映画化したのが本作です。 この映画の何が凄いって、優しいイケメンから『悪人』(2010)や『ドライブ・マイ・カー』(2021)などでも嫌〜な役も上手いんだと証明された岡田将生さんのこれでもかというくらいの二重人格演技も面白さ。さらにライバルとなる少年を演じる羽村仁成君のどこにでも居そうなのに、次第に存在感を見せ始める演技。この二人のやりとりだけでハラハラしてしまうんだから恐るべし若手ホープよ!

音楽もショットも分かりやすく意味深でややオーバー。だからこそ「これぞ、サスペンスもの!」と冒頭から存分に楽しめるエンターテインメントになっています。大きなスクリーンで見る断崖絶壁で始まる事件なんて、王道過ぎて笑えるし、結果、その先を想像し、興奮してしまう。中国と日本のコラボレーションにより生まれた、レトロな世界感がスパイスとなる頭脳合戦映画なのでした。
——伊藤さとり

☑3月8日(金)全国公開 『ゴールド・ボーイ』

【あらすじ】それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは…。 原作は、 中国のベストセラー作家・紫金陳(ズー・ジェンチン)の 「坏小孩」 (悪童たち)。
殺人犯と少年たちの頭脳戦を描いた本作は、動画サイト「iQIYI(アイチーイー)」でドラマ化され、
総再生回数20億回(※iQIYI JAPAN調べ)を突破する大ヒットを記録。このアジア最高峰ドラマの原作小説の舞台を沖縄に移し、日本映画化に挑んだ。最高のクライム・エンターテインメントがここに誕生! 2023/日本/129分
企画:許 曄
制作・製作総指揮:白 金 (KING-BAI)
監督:金子修介
原作:小説「坏小孩」(悪童たち)by ズー・ジンチェン(紫金陳)
脚本:港 岳彦
撮影:柳島克己(J.S.C)
出演:岡田 将生 黒木 華 羽村 仁成 星乃あんな 前出 燿志 松井 玲奈 北村 一輝 江口 洋介
主題歌:倖田來未「Silence」
配給:東京テアトル、チームジョイ
宣伝:ブシロードムーブ © 2024 GOLD BOY

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