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主演なのにセリフゼロ!? アクターズ・ショート・フィルムの話題作『撮影/鏑木真一』主演・秋山竜次さん&監督・仲里依紗さん対談【完全版】

  • 2024.2.28

WOWOWの人気企画でぴかいちの 作品のお2人にお話を聞きました

仲さん衣装:ジャケット¥86,240(メゾン ジー シモーヌ/ハイシックスティーファイブ)、中に着たトップス¥49,500(ディーゼル/ディーゼル ジャパン)、パンツ¥30,800(ベース マーク)、メガネ¥36,300(ジェントルモンスター/共にエム)、イヤリング¥17,600、リボンネックレス¥14,300、チョーカー¥17,600、両手人差し指リング[2本セット]¥15,400、右手薬指リング¥9,900、右手小指リング[2本セット]¥11,000(全てビジュー アール・アイ)、左手薬指リング¥16,500(モイラエックスメル/イノメント)

撮影:中川容邦 / スタイリスト:黒瀬結以 (仲さん)、古澤愛(秋山さん)/ ヘア&メイク:本岡明浩

俳優が25分以内の短編映画を監督する、WOWOWで恒例の企画『アクターズ・ショート・フィルム』(以下ASF)。アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を目指すこの企画、回を重ねるごとにクオリティが上がっていて見応え満点。
 
そんなASFの第4弾となるASF4の一作、「撮影/鏑木真一」の仲 里依紗監督と主演を務めたロバート・秋山竜次さんの対談を全披露しちゃいます。OA中のTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』でも共演されているお2人ですが、読んでいただければすぐ分かる超仲良しさんなんですよ〜。

監督としてオファーされたときどう感じました?
 
普段、俳優として演じるだけで精いっぱいなんですよ。監督って俳優の芝居はもちろん、全てをジャッジしなきゃいけない役回りでしょ。私は、自分でジャッジするのではなく、監督から指示されたほうが向いていると思っていたんですよね。でも、お話を頂いたのはありがたいことなので、せっかくだったら面白いものを作りたいと思ったんです。それで、好きなものを全部集めてみようと思ったらこうなりました(笑)。まず第一に、秋山さんを主演にすること。それと、私が好きなジャンルがホラーやサスペンスなので、ジャンルもそれ。ただ、秋山さんはお忙しいから、きっと台詞覚える時間がないだろうな、と。だったら、秋山さんの台詞はなくしてみよう、というアイデアで企画を進めました。
 
まさかの台詞なしでしたけど、そういう配慮だったんですね。
 
秋山 好きなものだけをまとめた中に、僕が主演で入ってるなんて企画、そうそうないですよね。とにかく声をかけてくれたのが嬉しかったです。おっしゃるとおり、撮影の頃は大河ドラマとか重なってたし不安だったんですが、「対策がありますんで」って言うんですよ。何の対策だろうと思ったら台詞をゼロにする対策だったんですよね(笑)。じゃ、台詞ゼロだったらいけるかっていったらそうじゃない。僕、サスペンスもホラーもやったことないじゃないですか。大体ふざけた表情で笑いが起きるほうに逃げていたのに、ジャンルからして逃げようがない。劇中何カ所か「無」になる顔をって指示があったんですよ。無って何!?(笑)でも、仲さんの演技指導が面白くて。僕のコントを知ってくださっているんで、「『邪念ゼロ研究所』の顔で!」とかいう指示。それ仲さんと僕以外、誰も分かってないから、きっと周りの人は「あの人はなにを指導しているんだろう」って思ったはずですよ。でも僕にはわかりやすかったですね。「邪念2で」とか「1で」とか謎の演技指導が(笑)。
 
とにかく秋山さんに出てもらいたいことが第一だったんですよ!
 
秋山 断る理由ないです。おまけに勝手に台詞なくしてくれて(笑)。
 
撮影当日に来て頂くだけで大丈夫なんで、ってお声かけしました。
 
秋山 いやいや……それは無理ですよ。あんなの、当日行っただけじゃ。台詞ないなら楽なのかなと思ったんですけど、やっぱりお芝居ってそんなに楽じゃない。挑ませていただくと、表情だけで見せる難しさが半端ない。台詞でいつも説明してたのに、表情だけでどうすればいいんだか(笑)。僕は今まで全部コントをオーバーにやるみたいな演技しかしたことがないのに、そうじゃないリアルに怖い感じなんて備えてませんでしたから。

仲さんの演技指導のおかげですね。
 
秋山 まさかの数字でしたしね(笑)。仲里依紗演技スクールみたいな。めちゃくちゃやりやすかったです。ロケやバラエティでも、何度も共演させていただいているんですが、いつもの仲さんとは違う感じを見られたのもよかったです。
 
監督と演者の立場を経験してみて、お2人の関係性は変わりましたか?
 
秋山 いつもどおりです。ただ、現場ではちゃんと監督してくださってましたよ。
 
よーい、はい! とか言ってました(笑)。
 
秋山 でもカット終わったらすぐ妹さんとYouTube撮りあってました(笑)。
 
ほんとに(笑)。
 
秋山 そこも含めていつもの仲さんでしたね。
 
そうそう。監督ってすぐ呼ばれるんですよ。なにかっていうと「監督〜!」って。
 
秋山 ちょっと待って。当たり前でしょ(笑)。
 
もう全員に呼ばれて。だから、「え。無理! なに!?」って。
 
秋山 いやいや、監督が呼ばれないなんてないから! 「監督あっちにいらっしゃっていいですよ」「楽屋にいてください」なんてないですって。
 
こんなに大変なんだって思いましたね。
 
秋山 画角とか聞かれるでしょ。
 
聞かれたんです……。
 
秋山 聞かれるよ、そりゃ!
 
ごはん一口食べたら「監督!」って。それで「ええっ」(笑)
 
秋山 妹さんとYouTube撮ってて「え、もう??」とか言ってましたよね(笑)。
 
やってみて大変さが分かりましたよ……。これからは監督から言われたことを「はい」って聞こうと思いましたし、監督が撮りたいものを撮らせてあげたいなって思いました。
 
 

ASFの過去作はどれかご覧になってからこの作品に挑まれました?
 
『今際の国のアリス』で土屋太鳳ちゃんと共演していたので、太鳳ちゃんの作品(ASF3の一作「Prelude~プレリュード~」)を見ました。監督と主演だけでなく、脚本もやられているのですごいなあって思いましたねー。太鳳ちゃんと有村(架純)さんはお2人とも主演をやられるから、2人が共演することってレアな機会じゃないですか。友だち同士で共演したいというので叶った夢なんだろうなと思いました。
 
「撮影/鏑木真一」はASFでは初めてのサスペンスホラーかと。
 
はい。初めてと聞いてます。これまでのASFで監督されたみなさん、それぞれに自分の好きなことをやられているので、私も好きなことを詰め込んで個性が出るといいなと思いました。ASF2での千葉(雄大)さんの作品(「あんた」)も拝見したんですが、素晴らしい会話劇だったんです。大量の台詞を1〜2日で覚えて撮るってなったら秋山さんに断られちゃう(笑)。そう思って私は「しゃべらない」方向に定めたんですよね。
 
秋山さん、もし監督としてのオファーがあったらどうします?
 
秋山 いや〜……難しいでしょ。さっきもその話をしてたんですけど、もしやるんだとしたら、演者全員がカンペを観て撮るとか。全方位にカンペが貼ってあって、どこ見てもカンペ。台詞は全く覚えなくていい現場。
 
いいね、それ。
 
秋山 仲さんが今回僕のために台詞なしにしてくれたから、恩返しするとしたら、1回も台本見ずに現場来ていいレベルのものにしたいですよね。それかもしくは、仲さんとはロケをよくやってるので、ただロケ撮影してショートフィルムと言い張る!(横にいたプロデューサーが「それいけるかも……」とつぶやく)
 
秋山 いけるわけないでしょ!(笑)
 
杉本哲太さん、寛一郎さんとのお仕事はいかがでした?
 
秋山 いやもう、すごかったですね。
 
お芝居の大先輩なので、先輩に演技指導している自分に引いてしまいました。気遣いしまくりです。
 
秋山 どんな感じになるんですか?
 
たとえば、哲太さんの役は秋山さんが演じた鏑木の上司の設定でしょ。で、撮る角度によっては、全然台詞がないところなのに映り込むことになっちゃうから、少し席を移動して映り込まないようにして、出演シーンだけ撮れたらなるべく早く帰っていただけるようにしたり。
 
秋山 そんなことまで気にする監督いる? 気を遣いすぎですよ!
 
いや、それがね。全然動きも何もないのに、見切れているがばかりに、ずっと現場にいなきゃいけないことってあるんですよ。
 
秋山 おお……知ってるからこその!
 
あと手元に物を持ってお芝居をしちゃうと、最後に手元だけをアップで撮りなおししないといけなくなるので、イコール居残りしなくちゃならない。だから、私は近くにあるものは持たない(笑)。
 
秋山 そんな技あるの!?
 
昨日の撮影も、席から立つと見切れて居残りだなーと、と思ったので座ったままでした。
 
秋山 すげー裏技……。手を抜いているんじゃなくて省エネというか。
 
今回の仕事でお互いの見えなかった魅力に気づかれたことってあります?
 
秋山さんって、声がめっちゃ素敵だと思いますよ。すごい美声。
 
秋山 台詞ない……。声出してない……。出しても「あああー」とか(笑)。
 
だから、もったいなかったなって思いました(笑)。ナレーションとか一生聞いていたいですもん。
 
秋山 いやありがたい。って、劇中では一言も発してないですけどね。
 
秋山さんは仲さんの魅力についていかがです?
 
秋山 普段あんなにポップなイメージなのに、ホラーな感じの引き出しも持ってらっしゃるんだって驚きました。いい意味で仲さんぽくない。しかも、ちょっと社会問題に斬り込むような物語を監督するなんて、すごいと思いましたよ。どんだけいろんな部分に興味があるんだって尊敬します。
 
はい、そうなんです。興味あることがたくさんあるの。だからいつも時間がない!

【衣装の問い合わせ先】
■ エム 03-6721-0406
■ ディーゼル ジャパン 0120-55-1978
■ ビジュー アール・アイ 03-3770-6809
■ イノメント info@innoment-tokyo.com
■ ハイシックスティーファイブ https://hi65.official.ec/

『アクターズ・ショート・フィルム4』より「撮影/鏑木真一」
story 週刊誌のカメラマン鏑木(秋山竜次)は、あるスクープをきっかけにスランプに。上司や同僚から励まされ、アイドルの隠密熱愛のネタを追い始めるが、そんなときに発信元不明のタレコミを受ける。

監督・出演:仲 里依紗/出演:秋山竜次(ロバート)ほか/3月1日よりWOWOWオンデマンドにて全作配信開始、3月8日よりWOWOWプライムにて順次放映 ©WOWOW

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