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【こども誰でも通園制度】保育士の人材不足、持病や発達対応は?現場の8割以上「不安」の声

  • 2024.2.27
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保育士さんは「こども誰でも通園制度」をどう思ってる?

異次元の少子化対策の目玉「こども誰でも通園制度」
異次元の少子化対策の目玉「こども誰でも通園制度」

政府が異次元の少子化対策の目玉として挙げている「こども誰でも通園制度」。親が働いていなくても子どもを保育所などに預けることができる制度で、すでに各地でモデル事業が順次実施されていますが、2026年度からすべての自治体で実施されるのを前に、4月からモデル事業も拡大します。

子育て支援サービスを運営する「BABY JOB」が、「こども誰でも通園制度」に関する意識調査を、20~60代の保育士177人を対象に実施し、その結果を発表しました。

調査は、2023年12月28日~2024年1月25日の期間、Googleフォームを使用したアンケート形式で実施されました。

それによると、「こども誰でも通園制度」について、約半数が「保護者にとってこども誰でも通園制度は良いと思う」と回答しました。

良いと思うと回答した人の理由に、

「子どもの社会性が身につくからいいのではないか。また、地域力の低下により、保護者が1人で育児を担っている場合が多いので、保護者支援にもつながるのではないか」(40代主任保育士)、

「地域の少子化が進んで園児の確保ができず、人手が余っている園にとってはメリットだと思います」(50代園長)、

「孤立しがちな保護者にストレス発散や相談できる場所があることは必要だと思う。家族、地域が子育てに加われた時代は過ぎており、今後保育施設がその場所になることは安全面からも必要だと感じる」(50代園長)

などが挙げられました。

一方、「良くない」と回答した理由には、

「個性を熟知できずに子どもをお預かりすることになると思うので、それなりのリスクはお互いにあると思います」(40代園長)、

「毎日いろんな子どもが来てしまうと対応しきれない」(20代保育士)、

「毎日が慣らし保育の状態が続くことで、今園にいる園児の情緒が不安定になる」(30代園長)

といった理由が挙げられました。

預かる側の8割「不安」と回答

こども誰でも通園制度が始まることに対する不安はありますか?
こども誰でも通園制度が始まることに対する不安はありますか?

次にこども誰でも通園制度に対してどのようなイメージ抱いているかについて、最も多かったのは「保育士の負担が大きそう」70.6%で最も多く、次いで「一時保育との違いが分かりにくい」67.8%、「在宅子育てされている保護者の負担軽減につなげられそう」47.5%でした。

さらに、こども誰でも通園制度が始まることに対する不安があるかについて、「不安」だと回答した人が8割以上いることが分かりました。その理由としては、「保育士確保」79.1%が最も多く、「作業量の増加」64.4%、「安全面の管理」63.3%などがありました。

現状はモデル事業の段階で試行錯誤をしている状況である一方で、世間の注目度が高いためニュースなどで話題になることが多いため、現状では不安を感じる保育士が多いことが推察されます。

国に対する意見は?具体的な「不安」の声

具体的に、どのような不安、課題があるのでしょうか。

「こども誰でも通園制度を進めるにあたって、国に対して意見はありますか?」と聞いたところ、「子どもの安全」「受け入れ側」「制度や進め方」の3つの点に関する意見が多く挙げられました。

【受け入れる側としての意見】

・「利用できる時間が短いのが気になっている、突発的な利用では園への負担が大きすぎると感じています」(50代園長)・「保育士を確保するのが難しいうえに、既存の園児も年々支援を必要とする子が増えてきています。寄り添いながらの保育をする中で更にこの制度が追加になると、園に求められるものが多くなり不安が大きい。保育士確保の補助や、給料の補助等について考えていただきたいと感じる」(50代園長)・「申請書など簡潔にしていただきたい」(30代副園長)

【子どもの安全に関する意見】

・時々来る子どものことを把握してアレルギー対応や発達相談なども行うには、やはり人が必要です。ぜひ配置基準の見直しをしてもらいたいです。(50代園長)・クラスに1人知らない子が日々変わり替わり来ることは、保育士にとっても今いる園児にとってもストレスが大きいと思います。(30代保育士)・障害のある子どもを受け入れる場合、体制の整備など引き続き検討が必要と思われる。(40代副園長)

【制度や進め方に関する意見】

・具体的な方針と補助金制度について教えてほしい。(30代園長)・運営しやすいマニュアルを提示してほしい(50代園長)・まずは受入れ側への説明、体制作りをしっかり終えてからスタートをしてほしい。本来、発表もそれからではないかと思う。(40代園長)・月10時間ではなく、定期的に通える状況が必要である。(40代園長)・新しいことが始まる時は混乱があり、それは制度が複雑だったり分かりにくいことが多いので、簡単で誰にでも分かりやすい制度であって欲しい。(40代園長)

子育て支援の重要性が増す中で、保育士不足の問題など、解消すべき問題が多いなかスタートする本制度。まずは、“不安”とする現場の声をきちんと解消することが、必要なのではないでしょうか。

(LASISA編集部)

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