距離測定器はどう選ぶ？現役キャディが感じる【GPS型orレーザー型】メリット・デメリット

2024.2.27

こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。先日、ショートホールで、お客様のひとりがレーザー距離計を使ってピンまでの距離を測っていました。私がおおよその距離を言う前に「ピンまで〇〇ヤードです」と教えてくださり、キャディとしては大変ありがたかったのですが…。

測った距離に対して、「いや、もっとあるよ！」と認めないお仲間がいらっしゃいました。しかも、その方が打った球はグリーンに届かず手前のバンカーへ。すると、「やっぱり間違っているじゃないか！」と言うのです。

レーザー距離計で測った距離を信じない人がいるということに、「まさか」と思うかもしれませんが、実はキャディをしているとそういったお客様は時折いらっしゃいます。レーザー距離計より、自分が持っているGPSの距離計が正しいと頑なに信じている人も結構いらっしゃるようです。

最近、距離計を持っている方が増えました。レーザー距離計はもちろん、GPSによるもので帽子につけるものや時計の形をしたもの、スマホアプリのものもあります。どれが一番良い？とお客様に聞かれることもしばしばですが、どれが良いかはお客様によって一長一短といったところでしょうか。今回は、現役ハウスキャディが感じたメリット・デメリットをご紹介します。

◆GPS型orレーザー型？キャディが実感した“メリットとデメリット”

【GPS型】

メリット
・すぐに距離がわかる。
・目標物が見えない場所からでも大丈夫。
・ゴルフ場によっては、その日のピンポジションに対応している。
・時計型など、携帯しやすいものが多い。

デメリット
・距離に誤差が生じる時がある。

私が勤めるゴルフ場では、キャディに腕時計型のGPS距離計を持たせています。パッと見れば距離がわかり、その日のピンポジションにも対応しているのでとても便利です。ボールを大きく曲げてトラブルになってしまった時でも、知りたい距離がわかります。
しかし、実感として、GPS型の距離計はどうしても数ヤードの誤差が生じる時があります。同じ距離計同士でも、違う距離が表示されることも珍しくないようです。上級者になるほど気になる方もいるかもしれませんね。

【レーザー型】

メリット
・正しい距離が測れる。
・高低差が測れるものもある。（競技では使えないことが多いので注意が必要です）
・練習場などでも使え、距離感を養うのに役立つなど、さまざまな活用ができる。

デメリット
・対象が見えないと測れない。
・照準を当てるのに手間がかかる。
・出し入れが不便と感じることも。

レーザー距離計は、正しい距離が測れるということが何よりも大きいです。ピンまでの距離を測るだけに留まらず、レイアップする際の目標物までの距離を測ったり、セカンド地点から振り返ってティマークに当ててドライバーの飛距離を測ったりといったように使う方も多いです。練習場で、アプローチの飛距離を確認するために使うこともできますね。グリーン上でオリンピック（カップに遠い人から、金4点、銀3点、銅1点、鉄1点として点数を競うゲーム）をする際に、誰がピンまで遠いかを測るのに使うお客様もいました。

ただ、ピンや対象物が見えない状況では測ることができません。機種によっても変わってきますが、ピンに照準が当たりにくいと感じる方も多いです。後ろの木などに照準が当たってしまった距離を信じて、間違ったまま打ってしまった方も結構いらっしゃいますね。

◆距離測定器を使う事の弊害

とても便利な距離計ですが、実は弊害もあります。基本的にはどちらもボールの側まで行かないと距離が測れないため、それらに頼り過ぎている人はどうしてもスロープレーになりがちです（最近は、レーザー距離計に３点計測などの高度な機能が搭載されていることもあります）。

本来、フェアウェイ脇にある距離を表示する杭を見て、大体何ヤードだから〇番と〇番を持って行くといったように、前もってクラブを準備しておくことが通常ですね。とくにカート道から遠い場合など、おおよその距離で数本のクラブを持っていくことがスムーズにラウンドするためにはどうしても必要になってきます。ところが、始めた当初から距離測定器を使うことに慣れてしまっている方は、その場に行くまでクラブを準備しない方が多いように感じます。

さて、先ほどの距離計を信じられないお客様。その後、ご自身が感じている距離で打った方が良いことが判明。長くゴルフをされている方ほど、そういった方が結構いらっしゃいますね。まさに、感性のままにゴルフをされているという感じです。そういった方を見ていると、ゴルフというスポーツの奥深さを感じずにはいられません。