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「信託銀行」「銀行」の違いは?口座開設のメリット&デメリットを金融のプロが解説

  • 2024.2.27
信託銀行は、銀行と何が違う?
信託銀行は、銀行と何が違う?

市街地では、「銀行」のほかに「信託銀行」を見掛けることがあります。これらは何が違うのでしょうか。信託銀行の口座を開設すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ファイナンシャルプランニング事業やマネーセミナーなどを手掛ける、マネレボ(兵庫県芦屋市)の社長で、銀行での勤務経験がある大久保美伽さんに聞きました。

「信託業務」「併営業務」が可能

Q.そもそも「信託銀行」とは、どのような銀行なのでしょうか。一般的な銀行との違いも含めて、教えてください。

大久保さん「信託銀行とは一般的な銀行と同様、預金や貸付といった銀行業務を行うほかに、信託業務や併営業務も行う銀行のことを指します。銀行は銀行業務のみで、信託業務や併営業務は営んでいません。信託業務や併営業務の内容は次の通りです」

■信託業務信託を行う業務で、金銭や有価証券の信託などが含まれます。信託では預金だけでなく、証券や遺言、不動産など幅広い財産の管理ができます。

■併営業務証券代行や不動産売買の仲介、相続関連の業務など、さまざまな業務を指します。銀行法と兼営法に基づき、免許を得た金融機関しか行えません。

多様なニーズに合わせた商品やサービスを提供しているのが信託銀行です。ライフスタイルに応じた資産運用や不動産売買、相続など、資産全般に関するコンサルティングを必要とする人が利用しています。

信託銀行によって、併営業務の内容が異なります。各信託銀行の公式サイトなどで調べた上で、自分のニーズに合うサービスを行う信託銀行を利用するとよいでしょう。

Q.「信託銀行」で口座を開設するメリット、デメリットについて、教えてください。

大久保さん「信託銀行で口座を開設する場合、メリットとデメリットがあります。これらを理解し、ニーズに合った選択をすることが大切です。主なメリットは次の3点です」

(1)資産管理を任せられる信託銀行は、資産管理業務に特化しており、自分の資産を守ったり、ライフプランに応じた資産形成をしたりすることができます。専門家への相談も可能です。

(2)遺言や遺産相続を任せられる遺言に関しては、行政書士や司法書士への相談を想像する人が多いかもしれませんが、信託銀行の「併営業務」を活用して、遺言や遺産相続を任せることができます。信託銀行の遺言信託を利用すれば、確実に遺言書が作成でき、相続のトラブルを回避することができます。また、確実に執行してもらえるため、委託者とそのご家族にとって安心と言えます。

(3)カスタマイズされた資産運用サービスを受けられる自分のライフプランに応じて必要なサービスを受けられます。例えば、「家を購入するためにローンを組む」「遺産を相続する」「退職金を運用する」など、人生においてまとまった資産が動くタイミングは少なくないと思います。その際に信託銀行では幅広い業務を行っているため、専門家からそれぞれのタイミングで必要なサービスを提案してもらうことができます。

まとまった資金がある人や専門的なサービスを必要とする人は、信託銀行を活用するメリットが大きいと言えます。

信託銀行で口座を開設する主なデメリットは、次の2点です。

(1)利便性が低い信託銀行は一般的な銀行よりも支店が少ないため、銀行取引の目的で利用する場合は、不便に感じるかもしれません。ATMやオンラインバンキングに関しては、一般的な銀行の方が、利便性が高いケースが多いです。

(2)手数料がかかる信託銀行では専門的なサービスを受けられるというメリットがありますが、その分、多くの手数料を支払わなければなりません。管理費用やアドバイザリー費用など、通常の銀行よりも手数料が高いケースが多いです。

Q.金融機関によっては、グループ内に銀行と信託銀行が存在するケースがあります。この場合、信託銀行のATMで銀行のキャッシュカードを使い、現金の引き落としや預け入れはできるのでしょうか。

大久保さん「ほとんどの場合、同一グループ内の銀行と信託銀行では、キャッシュカードの相互利用が可能になっています。つまり、銀行のキャッシュカードを使って信託銀行のATMで現金の引き落としや預け入れを行うことができるケースが多いです。顧客がどちらの銀行でも利用しやすくしています。

ただ、サービスの詳細は、グループによって異なる場合があるため、注意が必要です。例えば、引き落としや預け入れが可能な時間帯のほか、手数料がかからない条件、取引限度額などが異なります」

オトナンサー編集部

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