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SUPER BEAVER・渋谷龍太「僕ら4人では完結しない」 アルバム『音楽』に込めた想い

  • 2024.2.26

アルバム『音楽』をリリースした、SUPER BEAVER。ドラマ『マルス―ゼロの革命―』の主題歌「幸せのために生きているだけさ」など、タイアップ曲も多数。彼らの核心的なメッセージが詰まった作品だが、気負わずに制作された様子。

あなたがいなきゃ「音楽」は成り立たないんです。

左から、上杉研太(Ba.)、渋谷龍太(Vo.)、柳沢亮太(Gt.)、藤原“35才”広明(Dr.)。

「全国ツアー中に地方から帰ってきてレコーディングして、というのを何度か行ってアルバムが完成しました。なので構えることなく今のバンドの旬を詰め込めました」(上杉)

もちろん新たな挑戦も試みていた。「儚くない」の制作でサウンド・プロデューサーの河野圭さんを迎え、スケール感のあるポップ・ソングを生み出した。新曲の「リビング」や「裸」では30代半ばの彼らならではの大人の恋愛観が滲んでいる。

彼らの曲はほとんどを柳沢さんが手がけ、渋谷さんが歌う。熱量高く真っすぐにメッセージを届ける表現はどのように生み出されるのか。

「やっぱり曲にバンドとしての意志が明確に表れていて、それまでの活動や舞台で見た光景が想起できないことには自分たちの音楽にならない。柳沢がそういう曲をちゃんと作ってくれるからこそメンバー全員の感情がそこに乗っていきます」(渋谷)

でも「それだけじゃ完結しないんです」と渋谷さん。

「音楽ってライブに来ている人と一緒に構築するもの。僕ら4人では完結しないからこそ、アルバム『音楽』が生まれました。良いライブはあなたのおかげで作られているんだよってことを一人一人に自覚してもらいたい。私がいなきゃ、俺がいなきゃ今日の音楽は成り立たないじゃんって思ってほしいんです」(渋谷)

彼らがライブで伝えてきた想いはラストに収録された「小さな革命」にも凝縮されている。

「僕らの音楽やライブが、誰かが自分で何かを決めて行動するためのきっかけになれたら本当に嬉しい。『小さな革命』はそんな一人一人の気づきみたいなものが生まれたらいいなという想いで書きました」(柳沢)

今後も多くの人とライブで音楽を作り上げていく。彼らがバンドマンとしてどのように年齢を重ねていきたいか、その理想を聞いてみた。

「常にバンドで最高点を更新できるような自分でありたいです」(藤原)

「こうして活動できていることは当たり前のことじゃないですから、これからも自分たちのやりたいことに正直でいたいです」(上杉)

「僕は目の前のことに一生懸命向き合えていたら、目標なんて必要ない、行き当たりばったりでもいいかなって思ってます(笑)」(柳沢)

「バンドって団体競技なので、みんなが楽しいと思える環境を守ってあげられる側の人間でありたい。それはやっぱり好きな音楽をやっているからこそ、ですね」(渋谷)

アルバム『音楽』。「ひたむき」など全12曲。【初回生産限定盤A(CD+BD)】¥6,600 【初回生産限定盤B(CD+DVD)】¥6,050 【通常盤(CD)】¥3,300(Sony Music Records)

スーパービーバー 2005年に結成の4人組ロックバンド。昨年から続く全国ツアーで約12万人を動員中。

※『anan』2024年2月28日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) 取材、文・上野三樹

(by anan編集部)

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