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【67カ国制覇した旅人のバケットリスト】ガラパゴスでダーウィンの進化論の世界にふれる

  • 2024.2.26

「死ぬまでにやりたいことのリスト」、バケットリスト。海外67カ国を踏破した筆者が、これまでに訪れた国の中から、今おすすめしたい旅先とその体験を厳選、【67カ国制覇した旅人のバケットリスト】としてお伝えします。第2回は、ガラパゴスでダーウィンの進化論の世界にふれる旅です。

 

なぜここをバケットリストに入れたのか?

人類は類人猿から進化したと伝わります。その根拠となったのはダーウィンの進化論です。1835年にガラパゴス諸島を訪れ、島ごとに特徴が異なる生物から進化に気づき、『種の起源』を発表しました。進化論を証明するガラパゴスは、1978年にはユネスコの世界自然遺産の第1号の一つとして登録されたのです。外部からの動植物の持ち込みが制御され、固有の自然が大切に保護されるガラパゴスに上陸して、種の起源を探ることは貴重な経験となることでしょう。

南アメリカ大陸の西約1000kmの太平洋上に浮かぶガラパゴス諸島

ガラパゴス諸島は、南アメリカ大陸の西約1000kmの太平洋上に浮かぶ群島です。234の島や小島、岩石などから成り、陸地の総面積は約8000平方キロメートルになります。大半の島々が無人島ですが、サンタ・クルス島、サン・クリストバル島、フロレアーナ島、イサベラ島の4つの島には合計で3万人あまりの人々が暮らしています。

エクアドルの2都市と飛行機で結ばれるバルトラ島

ガラパゴス諸島の空の玄関の役割を担っているのは、バルトラ島の空港です。バルトラと大陸を繋ぐ航空路線は限られ、エクアドルのキト、グアヤキルから一日に数便のフライトが就航しています。

ガラパゴスの入島手続き

キト、グアヤキルの各空港の出発ロビーには、ガラパゴス管理庁のカウンターが設置されています。ここで入国管理料(2024年2月現在USD20)を支払い、トランジットコントロールカードを入手しなければなりません。その後、ガラパゴス特別検疫制度による手荷物検査場で、植物や種子、果物、野菜、生肉、動物などのチェックを受けます。機内ではガラパゴスの自然を守るための宣誓書を記入し、バルトラ島の空港で入島料(2024年2月現在USD100)とともに宣誓書を提出すれば入島が可能となります。

ガラパゴス諸島周遊の拠点となるサンタ・クルス島のプエルト・アヨラ

バルトラ島は無人島ですが幅約600mのイタバカ海峡を船で渡ると、約2万人の人々が暮らすサンタ・クルス島です。島の南端のプエルト・アヨラには町が開け、ショップやレストランが軒を連ねています。

プエルト・アヨラの海沿いには港が整備され、沖合には夥しい数のクルーズ船が浮かんでいます。来訪者はプエルト・アヨラ付近のホテルに宿泊し、日中はクルーズ船で無人島を含め、諸島内の島々に向かうのです。

プエルト・アヨラに設立されたチャールズ・ダーウィン研究所

プエルト・アヨラの東端には、『種の起源』発刊100周年の1959年に、チャールズ・ダーウィン研究所が開設されました。ダーウィンは、ガラパゴスで島ごとに特徴が異なる様々な動植物を観察し続けたのです。ゾウガメで特に注目したのは甲羅の形や模様でした。「ガラパゴ」は、スペイン語で「鞍」を意味し、甲羅が鞍の形に似ていることから、ゾウガメが諸島命名の起源となったのです。

研究所では、周辺の島々からゾウガメが集められ、種を絶やさないように大切に保護し飼育しています。

島によって葉の位置が異なるサボテン

ゾウガメはサボテンの葉を主食としています。これがサボテンの進化を促します。ゾウガメが生息する島では、ゾウガメの口が届く高さにサボテンは葉をつけません。茎の最上部で葉を広げます。

一方、ゾウガメやリクイグアナがいない島では、地面すれすれの高さにまで葉を垂らします。

姿も仕草もユニークで愛くるしい小鳥たち

ゾウガメやサボテンの他にも、ダーウィンはフィンチの嘴に注目しています。小鳥の小さな嘴の特徴を見つけたのですから、ダーウィンの人並外れた観察力に驚かされることでしょう。

天敵のいないガラパゴスの島々は、固有動物の楽園です。島々では世界的にも珍しい生物を目にすることができます。アメリカ・グンカアンドリは、真っ赤な喉袋を広げて愛を叫びます。

アオアシ・カツオドリは、青い足を交互に踏みならし求愛ダンスを踊ります。めでたくパートナーが見つかれば、仲睦まじく羽根を広げてペアダンスを踊るのです。

ダイビングが得意なカッショク・ペリカンは、獲物を探しながら海の上を旋回します。

ガラパゴスで自然保護の大切さを再認識

ガラパゴス諸島は、大陸から約1000km離れた太平洋上に浮かんでいます。諸島では様々な生物が、外来種の侵入を受けることなく独自の進化を遂げました。数え切れない種類の固有動物が生息し、各々の動物の楽園となっています。日頃の生活では便利さや快適さを追い求めてしまいがちですが、ガラパゴスを訪れると自然保護の大切さが再認識されることでしょう。

[参考]

ダーウィン著『種の起源』(岩波文庫)

ダーウィン著『ビーグル号世界周航記』(講談社学術文庫)

NPO法人日本ガラパゴスの会『ガラパゴスのふしぎ』(サイエンス・アイ新書)

藤原幸一著『ガラパゴス博物学』(データハウス)

水口博也著『ガラパゴス大百科』(阪急コミュニケーションズ)

ダイヤモンド社『ガラパゴス諸島』

地球の歩き方『ペルー・ボリビア・エクアドル・コロンビア』

 

 

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