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彼氏の母親が”子離れ”できなくて、過干渉…どうしたらいい?【お悩み#56】

  • 2024.2.25

は〜いみなさん、ごきげんよう!満島てる子です。

いきなり聞いちゃうけど、みんなは今どんな場所からこのコラムを読んでくれているのかしら。
北海道?本州?まさかの海外からって方もいたりするのかなぁ。

なんでそんなことを質問したのかといいますと。
実はあたし、普段キーボードを叩いている西創成のPCデスクをえいやっと飛び出して、今こちらの文章、故郷の三重県で執筆している最中なの。
ひっさしぶりの帰省かつ連休!(感涙)

いやぁほんと不思議。やっぱり生まれた土地で時間を過ごすと、エネルギーをたくさんもらえるもんなのかな。
いつも以上にスッススッスと筆が進んでおります。

Sitakke
ライター・満島てる子

それにしても、実家って「あ〜〜〜(昇天)」って息吸って吐いてるだけなのにさ、某曲の歌詞じゃないけれど、美味しいおやつにほかほかご飯、あったかい布団がいつの間にか用意されちゃってたりして、思わず「ありがてぇ……」って涙ちょちょ切れちゃうものよね。
父や母がいまだ元気でいてくれていること、そして、こんなドラ息子(ドラ娘?)の帰還を笑顔で迎え入れてくれることに、感謝しなきゃなぁと先ほども思っていたところです。

とはいえ親の存在って、実は人生のプラスにのみなるのかというと、そうでもない瞬間も出てきたりするよね。
ましてやこれが、自分の愛する人とその両親がどう付き合っているのかとかまで含めると、嫁姑問題とかって言うぐらい、事は複雑だったりするもの。

今回はそんな、パートナーとその親の関係性に悩む方からの、ちょっとばかし深刻そうなお手紙を紹介させていただきます。

読者のお悩み:彼氏の母親が”子離れ”できなくて、過干渉…どうしたらいい?

Sitakke
Sitakke
Sitakke

あらぁなんと!あなたのご友人もこちらのお悩み相談ルーム、訪れてくれたことがあるだなんて!
なんだかご縁を感じるというか、つながりの連鎖で続いてきたコーナーなのねぇと、改めて思わされるというか。
出だしの部分を読みながら「書き手冥利に尽きる嬉しい言葉だわぁ……!」と、勝手に感激しておりました。

なんだけどさ。ごめん唐突に。
1点だけ、ちょっときちんと突っ込ませてもらっていいかしら。

あのさ。どうしたの?そのペンネーム。
どんな声色で読んだとしてもそれじゃどうにもできないぐらい、めちゃ強な字面なんだけど?!←

ヒンドゥー教のシヴァ神とビシュヌ神を信仰なさっているとか、そういう話……?
いや、そうだとしたらそれはそれでとっても素敵だと思うんだけれど、なんてダイレクトにアヴァンギャルドな名前なのかしらって。

巨匠パブロ•ピカソは「すべての創造は破壊からはじまる」とのたまわったらしいけれど。
もしかして彼氏さんとそのお母さんの関係性、一回ぶっ壊したろかぁあ!!なんて内なる欲求をこのペンネームに込めてるって事はないわよね?

だとしたら後ででもいいから教えてほしいんだけれど……。
いやともあれ、まずはこうしてお手紙送ってくれたことに感謝しなくっちゃ。
破壊と創造さん、モヤモヤをあたしに届けてくださり、今回は本当にありがとうございます!

そうかぁ、あなたの直面している事態、なかなかに複雑そうね。
世間では「マザコン」とか「親バカ」とかいう言葉を使って、破壊と創造さんが抱えているのと近しい種類の悩みを「それは単に彼氏側がよくない」と一刀両断してしまう風潮が一部あったりもしますが。

手紙からもひしひしと伝わってくる、あなたとそのパートナーが一緒に積み重ねてきた日々の重厚さや、その大切さを思うと、あたしとしてはそんなにズバッとタイプの回答はしたくないなぁ、なんて思ったりもして。
もちろん破壊と想像さんほどではないでしょうが、あたしもあなたに対してどう言葉をかけようか、いつものことながらやっぱり「ぐるぐる考えて」しまっていたのでした。

***

親御さん同士が知り合いだったり、結婚のヴィジョンもそれなりに見えていたり。
決して彼のお母さんと直接バチバチしているわけではないところも「ううん!いかにせん!」って思っちゃうしね。
そしてなにより、お別れするかもしれないレベルの深刻な話し合いの後にすぐ実家を出てくれる、あなたのパートナーの行動力は掛け値なしに素晴らしい。

とはいえ、だからといって過干渉は嫌なもの。
そこをスパッと根本解決できない彼氏さんの踏ん切りのつかなさも、あたしが破壊と想像さんと同じ立ち位置だったとしたら、やっぱり「なんなわけ?信用できる人なのかなぁ」って、同じように不安に感じちゃうと思う。
う〜ん、難しいね。

「やはりすべてを一度焼き尽くさねば……」と、あやうく第三の目が開きそうになりつつも(心に気軽にシヴァ神を宿す女装、てる子です(???))。
今回のお悩み、相談者さんが将来どう生きていくのかにも関わるんだろうなと思うと、「おいそれと簡単な答えは出しちゃいけないかなぁ」と迷うあたしもいたりします。

あたしなりのAnswer

Sitakke
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ただね、今回の件、破壊と創造さんが納得してくれるかは別として、取りうる策はシンプルになりそうだし、それでいいんじゃないかって気が勝手にしているんだよね。
てなわけで、ここからはあくまで一個人としてだけれど、あたしなりのアドバイスを綴っていこうと思います。

さて、破壊と創造さん。結論から言うわね。
あたしあなたには、彼氏さんとの「約束」作りをおすすめしたいのよ。

……唐突すぎて「え?」と思ったかもしれないわよね。ごめんなさい。
えっと。まずあたし、あなたからのお手紙を読んでいて、ひしひしと感じたことがあったの。
それは、あなたのパートナーが、あなたに対してもお母さんに対しても変わらず優しく、そして愛のある人だってこと。

だって「一緒にいたいから一人暮らしを始める」という、その決断は言わずもがなとして。
母親を心配させたくないから、予定は送っておく。でも破壊と創造さんも心配させたくないから、それをふたりの関係に持ち込んだりはしないようにする。

それって、お母さんからの愛の受け止め(受け流し)方を工夫しながら、あなたへの愛の向け方もしっかり考えていることと同義な気がするのよ。お母さんのこともあなたのことも、大切に思っているからこその行動だと思うのよね。

愛すべき人たちを皆愛すること、大事にすることって、滅多にできることじゃない。
あなたの彼氏さんはその点、すごく情の深い人だなぁと思うし、人生をともに歩む連れ合いとしては「そんな人いてくれたらなぁ」と、あたしとしては羨ましく思うほどなんです。

でも、破壊と創造さんの抱く「何かあったとき、この人全面的に見方してくれるのかなぁ」という不安や、「嫌いになるぐらいなら、一緒にいない方がいいかも」という愛憎半々の気持ちは、本当によくわかる。
相手の覚悟を教えてほしいというか、「君のことや、君と作る家庭のことを何より大事にするからね」というメッセージをきちんと態度や行動でかたちにしてくれないと、どうしても「結局ないがしろにされる可能性あるのかな」って考えてしまうものよね。一生のパートナーになるかもしれないとなると、なおさらそう。

で、なんだけどさ。ここからが言いたいこと
その「かたち」にする作業、破壊と創造さんの場合は相手に委ねっぱなしにするのではなく、2人の間の「約束」としてこちらから求めちゃって、その結果双方向的なものとして結実させちゃうのが塩梅いいんじゃないかって、あたし思うのよ。

例えば、「自分たちの関係性や家庭のこと、大事なことは特に、ふたりの考えで決めようね。お母さんの意見は二の次。そうできなかったら、別れます。」ってあなたから提案し、合意を得ておく。それだけで「全面的」かはわからずとも、少なくとも破壊と創造さんの意見を、お母さんの考えよりは優先してくれるように、あなたのパートナーならきっと動いてくれるはず。

もっと言うと、そう相手を信じる根拠が、あなたの中に生まれるんじゃないかしら。

「それでは足りない。やっぱり全てが気にならないぐらい、根本的に変わってほしい」と言うのなら、それはもうあなたの中で譲れない何か。彼との関係を白紙にすることも適切な選択肢な気がする。

でも結局どんな人も、特定の誰かだけを100%優先することってできないじゃない?
きっと今の彼以外の人と出会ったとしても、似た問題で衝突することになるんじゃないかなぁ。あたしは、そう思います。

破壊と創造さん。思いっきりゼロにしてやる!と「破壊」衝動を爆発させる前に、相手と新しい取り決めをするという「創造」の力を、一度働かせてみてはどうでしょう。
それが、2人が共にいるという未来の、確かな礎としての役割を担ってくれるはず。

言葉で思いを伝え合い、お互いのものにしていく。
そうして作ってきた約束の一つ一つが、人間の歩む道を紡いできたんです。
破壊と創造さんも、パートナーと一緒に、素敵な将来をつくっていってほしい。

縦の糸はあなた、横の糸はわたし、じゃないけれど。
ふたりの「織り合わせ」がうまくいくよう、あたしも陰ながら応援していますね!

Sitakke
イメージ

ま・と・め♡

というわけで、今回は「パートナーの親」という、多くの人を長らく悩ませているであろう問題について考えてみました。

うーん、課題として浮上するとなかなか簡単な解決には至らないトピックかもしれないけれど、いろいろな障壁を乗り越えていった先には、案外明るい未来が待っているんじゃないかしら。
同じようなモヤモヤを抱えるすべての人たちに、何か響くところがあればいいなぁと思っています。

そうそう、今回の帰省中に、あたしの弟ったらパートナーの親御さんに挨拶に行ってたみたいなの。
「これから行ってきます!」ってタイミングで、絶妙にこわばっている表情筋を見ているのが面白かったわぁ……!笑

あーあ、あたしにもそんな瞬間、やってきたりしないかしら。
え?まずはパートナー探しからですって?そんなの重々承知の上よ!←

ではでは皆さん、Sitakkeね〜!

***
文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。

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