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現実離れした絶景と極上のサウナ、秘湯が待つ。冬の道北・十勝岳山麓の旅

  • 2024.2.24
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こんにちは!一年のうち冬がもっとも活動的になるトラベルライターの土庄です。

いよいよ2月に入り、冬も折り返しを迎えていますね。そこで今回は冬を長く楽しめる旅先として、北海道・道北地方をご紹介したいと思います。

TABIPPOが開催した「余白をえがく道東旅」では、北海道・道東地方にフォーカスされていましたが、じつは冬の北海道はまだまだ魅力が盛りだくさん!

コアな視点も入れ、一押しのエリアにフォーカスしていきたいと思います。

霧氷咲き誇る丘や日本離れした雪の山脈を鑑賞し、非日常の秘湯やサウナなど心温まるスポットをお楽しみください。

写真家と料理家が織りなす話題の場所や、絶景スポットのライトアップにも要チェックです。

一期一会の自然現象。丘に咲き誇る霧氷の花

photo by Yuhei Tonosho

過冷却により凍結した空気中の水分が、木々に付着する現象「霧氷(むひょう)」。通常は高所でしか見られない冬山の風物詩ですが、なんと北海道では平地の至るところで鑑賞できます。

なぜなら山麓にあたる平地エリアでも、本州では山の上と同等の厳しい気候環境のため。中でもひときわ素晴らしい霧氷を見られる場所が、美瑛の丘陵地帯です。

photo by Yuhei Tonosho

繊細な枝葉まで白く染まり、並木道として続いていく景色はメルヘンチック。薄霧が晴れて青空を背景にすれば、息を呑むほど美しいです。

主要国道237号線沿いがイチオシの鑑賞スポット。白銀の世界に引き込まれるジェットコースターの路や、大雪山(たいせつざん)と霧氷の共演が見られる深山(みやま)峠もおすすめです。

雪山を一望する秘湯・十勝岳温泉

photo by Yuhei Tonosho

十勝岳山腹にある「十勝岳温泉」。標高は1,300mに迫る北海道最高所の温泉ですが、なんと道は冬季閉鎖せず、冬でもアクセスできます。しんしんと冬が積もる中、スタッドレスタイヤを履いて、雪山へドライブする時間は非日常です。

到着するとそこには、ヨーロッパの大山脈を思わせる、果てしなく雄大で白く美しい十勝連峰。「日本にこんな場所があったのか...!?」と、思わず感動の言葉が漏れてしまいます。

photo by Yuhei Tonosho

「十勝岳温泉 凌雲閣(りょううんかく)」はその名の通り、雲を凌(しの)ぐロケーションが魅力。源泉かけ流しの赤褐色の露天風呂の先には、十勝岳連峰がずらりと並びます。熱めの内湯と、ぬるめの露天風呂を交互に入り、雪中の外気浴もたまりません。

帰りには野湯である「吹上露天風呂(無料)」へ立ち寄れば、雪見温泉をハシゴすることも可能です。北海道の大自然を全身で感じる、忘れらない入浴体験が楽しめます。

足跡とライトアップが織りなす幻想の青い池

photo by Ran Tonosho

今や美瑛を代表する絶景スポットとして知られる白金の「青い池」。冬には雪に閉ざされ、ミルキーブルーの水面は見られなくなるものの、代わりに特別なライトアップが施されます。

白く美しい雪面にカラフルな光が照射される演出は、さながら天然のライブ会場のよう。立ち枯れの木々の影が幻想的な模様を描き出し、暗闇から浮かび上がる姿はドラマチックです。

photo by Yuhei Tonosho

雪が降っていれば、ぜひストロボを使って撮影してみてください。雪が玉ボケとなり、ホタルのように池に舞う様子は非日常。通常の青い池からは想像できない写真を撮影できます。

暗くなると雪面に付いている動物の足跡がより明瞭に。厳しい冬の中に生命の輝きを感じられるワンシーンが北海道という地の魅力を物語っています。

サウナーの北の聖地・白銀荘

photo by Yuhei Tonosho

テレビ番組『マツコの知らない世界』で放送されて以後、一躍知られるようになった「吹上温泉 白銀(はくぎん)荘」。その人気の理由は抜群のロケーションを生かした施設の楽しみ方にあります。

まず一つ目が大露天風呂です。水着があると利用できる混浴エリアの浴槽は、まるでプール!?という圧巻の広さ。しかも温泉の中に滑り台が設けられ、遊び心も垣間見られます。

photo by Yuhei Tonosho

そして二つ目が、サウナからの雪ダイブ外気浴です。気の温もりが心地よい90度ほどのドライサウナで温まったあと、露天風呂の雪の上に転がれば、"刺激的なととのう"を楽しめますよ!白銀荘が"サウナーの北の聖地"と呼ばれている理由になっています。

そこから源泉かけ流しのお湯に入り、身体をリラックスしながら、雪見風呂に浸かる時間は、まさに極上のひととき。白銀荘はリーズナブルに宿泊も可能なので、1泊2日以上でゆったり滞在するのもおすすめです。

新たなサウナーの北の聖地・RONENAI BASE

photo by Yuhei Tonosho

美瑛周辺に新たなサウナーの北の聖地として、昨今注目を集めている場所があります。それが大雪山旭岳へ向かう道道213号線沿いにある「RONENAI BASE」です。

北欧を思わせる三角屋根がトレードマークの一軒宿で、ともにウインタースポーツを愛するアウトドア人のご夫婦が営んでいらっしゃいます。中でもこだわりが詰まっているのが、1時間貸切で利用できるお風呂です。

photo by Ran Tonosho

セルフロウリュがたまらない手作りサウナと雪中外気浴スペース、そして大雪山の伏流水の水風呂と、伏流水を沸かした薪風呂の4点セットが揃っています。寒暖差の大きい極上の入浴体験に、身も心もほぐしてもらえるはず。

同じ時間にラウンジスペースに集合して、宿泊者みんなで絶品のパエリアや自家製焼売、地元野菜の蒸物など、自然志向のお料理をいただいた夕食も、忘れられないひとときになりました。

料理と写真が紡ぐ。拓真館とSSAW BIEI

photo by Ran Tonosho

美瑛といえば美しい丘の風景を連想しますが、それは一人の写真家の功績だということはご存知でしょうか。自然と人の暮らしが織りなす風景を撮り続けた、写真家・前田真三さんのフォトギャラリーは「拓真館」として公開されています。

雄大な自然の中に、どこか人の温もりを感じさせる作品は、現代まで息づいている美瑛という町の素晴らしさを伝えてくれます。そんな拓真館は今、新たな局面を迎えています。なんと敷地内にはレストランが営まれているのです。

photo by Ran Tonosho

じつは前田真三さんを祖父にもつ写真家・前田景さんとのご結婚をきっかけに、料理家・たかはしよしこさんさんが美瑛へ移住され、写真館に隣接したレストラン「SSAW BIEI」を営むことになったのです。

写真と料理が紡ぎ出す、美瑛のあたらしい旅。美瑛の四季を五感で愛でて味わう、唯一無二の時間を過ごすことができます。雪がしんしんと積もる中、薪ストーブで温まりながら、お店の方との歓談した時間も印象的です。

隔絶した自然と人の温もり。冬の道北をめぐる

photo by Yuhei Tonosho

夏から秋にかけて花畑が咲き誇り、丘の風景と十勝岳連峰のコラボレーションが素晴らしい美瑛周辺。冬のイメージはあまりないですが、実は果てしなく美しい自然の姿に出会うことができます。

また雪見温泉やサウナ、厳しい自然の中で過ごす極上の宿泊体験を楽しめるのも魅力です。ぜひ厳しくも温かく、そして非日常の道北旅を計画してみてはいかがでしょうか。

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