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フランスの行事マルディグラに愉しむ揚げ菓子。

  • 2024.2.23
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フランスのカトリックの行事、2月のマルディグラとは、フランス語で「肥沃な火曜日」Mardi マルディ(火曜日) grasグラ(太った、肥沃な)という意味で、Pâques パック(復活祭)までの断食の期間である四旬節が始まる前に盛大に食事をしながらお祝いをする古来の風習から始まったものです。現在ではリッチなお菓子を食べたり、南仏や地方ではカーニバルが催されたりしています。この時期のパン屋さんには甘い揚げ菓子が並ぶところも。

カトリックにちなんで週末、近所でパリ市庁舎の裏手にあるサン・ジェルべ教会に足を運んでみました。1657年ルイ13世の時代に造られたバロック様式が美しいファサードは、長い修復工事を経てすがすがしい顔になりました。教会の前にあるのは、中世以来植えられてきた楡の木。

中に入ると厳かにミサが執り行われているところ。朗々とした神父様の声が、天国を象徴するゴシック様式の高い天井に響き渡って。

一心に祈るシスター達は、いつも穏やかな微笑みをたたえていて、コラールの歌声がなんとも美しく、聞いているだけでネガティブなものがスッと流れて消えていくような感じがします。

ここはクープラン家が代々奏者を務めたというパリ最古のオルガンが有名ですが、この日は讃美歌の楽譜が公開されていました。

教会の中の最も神聖な場所、聖母礼拝堂。太陽が傾いてきてマリアさまの一生が描かれたステンドグラスに光が差す様子は神秘的ですらあります。

クリスチャンでもないのに、悲しいことがあった時や胸が苦しい時、駆け込み寺の様に、ここに来て腰かけると、不思議と平安な気持ちになれる大切な処。

帰りには、教会の横の広場にあるマルシェに寄って買い物を。

春の訪れを知らせてくれる、南仏から届いたミモザを一束買って帰りました。

今日は、マルディグラに食べる揚げ菓子ベニエをご紹介します。丸いもの、楕円形とベニエの形は地方や家庭によってさまざまですが、今日はマルシェで見つけた小ぶりな梨を使ってみました。

"梨のベニエ"Beignets de poire

<材料>洋梨小さめなら4~5個、大きめなら2個【衣】薄力粉 130gベーキングパウダー 小さじ1砂糖 大さじ3卵1個牛乳か豆乳 80mlラム酒 大さじ1 揚げ用植物油 約400ml粉砂糖 大さじ2

<作り方>①梨の皮をむいて、小さめのものなら軸を残して縦に2等分、大きめなら4等分に切り分ける。②【衣】ボールの中に、薄力粉とベーキングパウダーを合わせて振り入れて、砂糖を加えて泡だて器でよく混ぜる。粉の中心に卵を割入れて混ぜながら、少しずつ牛乳とラム酒を加えて混ぜる。③そこに梨を入れて衣を厚めにつけて、170℃くらいに温めておいた油できつね色になるまで揚げる。④油を切ってから器にのせて粉砂糖を振りかける。

毎年恒例の行事にまつわる食べ物を通して幸運を祈る、美味しいものを分かち合いながら祝う、愉しむ事が古来からフランス人にとっての大きな実りであり、喜びになっているのだと思います。

続いて3月は、子供達もわくわくする復活祭の到来です!

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