海外旅行で「スマホ決済」はできる？意外な落とし穴

スマホ決済が利用可能な店舗が日本国内でもかなり増えてきた。このこと自体は歓迎されるべきことだが、海外旅行で訪れた国でもスマホ決済で済まそうとすると、せっかくの旅先で買い物ができない状況に陥るかもしれない。

海外では日本のスマホ決済が利用可能なのだろうか。

スマホ決済と呼ばれるものは大きく分けて、以下の3種類がある。

・QRコード決済
・電子マネーのコンタクトレス決済
・クレジットカードのコンタクトレス決済

それぞれ利用できるケースとできないケースがあるのでしっかり確認したい。

「楽天ペイ」や「LINE Pay」など、日本の事業者が提供しているQRコード決済サービスは、原則的に海外で利用できるシーンがないと思っておこう。

「Suica」などの電子マネーは、日本国内では多くの店舗で利用できる。スマートフォンに登録しておけば、スマホをかざすだけでコンタクトレス決済が可能だ。

しかしSuicaなどの電子マネーのコンタクトレス決済は、通信規格の違いなどで一部の国を除いて海外で利用することができない。

VISAなどの国際ブランドの「タッチ決済対応クレジットカード」をスマホに登録しておいた場合、海外でも利用可能な店舗が多いので安心だ。

ちなみに、保有しているスマホにそもそもタッチ決済機能がついていない場合や、旅行先で訪れた店舗でクレジットカードは使えてもクレカのタッチ決済が利用不可の場合は、カードそのものを持って海外旅行へ行けば、買い物で困るシーンがかなり減る。

海外旅行の際には、日本円を現地の通貨に両替するのが面倒だ。両替レートでぼったくられるケースもある。そうした悩みを解消してくれる方法の一つがスマホ決済だが、この記事で説明したように、海外旅行で利用できないスマホ決済もあるため要注意だ。

旅行中の買い物のほとんどをQRコード決済で済ませようと思って、日本円をほとんど持ってこなければ、結果として貧乏旅行を強いられることになりかねない。

海外旅行ではクレジットカードが最強なのだ。海外旅行の前にクレカの準備を忘れずに。

文・岡本一道（政治経済系ジャーナリスト）
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。