1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【リトアニアの旅】 リトアニア第二の都市カウナスで、世界遺産のモダニズム建築巡り

【リトアニアの旅】 リトアニア第二の都市カウナスで、世界遺産のモダニズム建築巡り

  • 2024.2.23

リトアニアの首都ビリニュスから、列車で約1時間。リトアニアのちょうど中央に位置するカウナスは、モダニズム建築が数多く立ち並ぶ「ユネスコデザイン都市」。ユダヤ避難民を多く救った日本人、杉浦千畝の記念館があることでも有名なこの街で、昨年世界遺産にも登録された、歩いて回れるモダニズム建築の数々をご紹介します。

ユネスコ文化遺産にも登録されている建築群

街中にあるモダン建築のマップ

1919年に首都ビリニュスを占領された際、一時的に首都となったカウナス。地方の小さな街からヨーロッパの水準を満たす首都に発展するべく、約20年の間に、政府機関や博物館、大学、ホテル、銀行、住宅など12,000棟のモダニズム建築が次々と建築されていきました。

イタリアやドイツ、フランス、ロシアなど各国で学んだ建築家が、当時他国で盛んだった建築をカウナスのモダニズムへと融合。リトアニア現代建築の先駆者の一人、ヴラディミラス・ドゥべネツキスをはじめ、国内外の建築家による建造物は約6000棟が現存し、そのうち41棟がユネスコ文化遺産にも登録されました。

カウナスの駅から、観光局でもらえるマップを手に、歩いてまわれるモダニズム建築のほんの一部をご紹介します。

ここだけは訪れたい博物館

ヴィータウタス大公戦争博物館とM.K.チュルリョーニス国立美術館

「ヴィータウタス大公戦争博物館」と「M.K.チュルリョーニス国立美術館」が一つの建物内にあるこちらは、モダニズム建築の傑作といわれる建造物。

リトアニアで最も古く、最も大きな美術館である「M.K.チュルリョーニス国立美術館」は、リトアニアの創作芸術家といわれる画家で作曲家のミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニスの作品の常設展のほか、17世紀以降のリトアニアの民藝や刺繍など、フォークアート、企画展などさまざまな展示が行われています。

ヴィータウタス大公戦争博物館 https://www.vdkaromuziejus.lt/en/   M.K.チュルリョーニス国立美術館 https://ciurlionis.lt/en/

モダンなアーチの階段が特徴。門柱には日本語で「希望の門、命のヴィザ」という文字が。

カウナスのモダニズムの精神を残す建物のひとつが、日本人外交官の杉浦千畝の博物館「杉原記念館」。1940年に、ユダヤ人難民に日本通過のビザを発給したという歴史的にもとても重要な場所です。

杉原一家は1939年から1940年まで、日本領事館として使用されたここに暮らしていたそう。杉原さんの人生や、彼に助けられ、世界中に広がっていった人々や関係者の話もぜひ見ておきたいところです。

当時の領事館の様子が再現されています。

難民たちのために発行した、ビザのサンプルも展示。

杉原記念館 https://www.sugiharahouse.com/#/jp

外から眺めるだけで楽しい建造物

ほかにも教会や映画館、郵便局、観光局が立ち入れない学校や住宅などまで、さまざまな建築もモダンなデザイン。歩きながら「ここもモダニズム建築かな?」と想像しながら、眺めるのも楽しいです。

坂の上に建つ「復活教会」。ラトビアの建築家カロリス・レイソナスによるデザイン。

老舗の映画館「ロムヴァ映画館」は、アールデコ調。

復活教会の目の前に立つ学校。初めて高度な機能理論を用いて設計されました。

教会の坂の下にある、芸術家たちのための「カウナス・アーティストハウス」。

最も美しい住宅建築といわれる「アレクサンドラ・イルイニエネーの家」。美しいファサードと大きな円形窓がモダン。

その隣に位置する「児童文学博物館」。美しい中庭も必見だそう。

街歩きに疲れたら、ドーナツ店でひと休み

建築巡りの途中にぜひ立ち寄りたいお店が、時間が止まったような懐かしさを感じるドーナツ店「スプルギネ」。1979年にオープンし、ソビエト占領下のカウナスの雰囲気が感じられる内装がレトロ。地元の人が次々とやってくる人気店です。

シンプルな揚げドーナツのほか、ジャムやカッテージチーズが入ったドーナツ、ピロシキなども。揚げたての素朴なドーナツが甘くておいしく、疲れを癒やしてくれます。

コーヒーとリトアニアの伝統的なドーナツで、2.5ユーロほど。

SPURGINE(スプルギネ)

Laisvės al., 44250 Kaunas
営業時間:8:30~20:00(土9:00~、日10:00〜19:00) 無休

コンパクトで歩きやすいカウナスの街。ビリニュスとは違う、モダンな風景が広がっていました。

photograph:Keiko Ichihara text & edit:Mayumi Akagi cooperation:Lithuania Travel、LOT   カウナス市観光局 https://visit.kaunas.lt/en/   ※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

元記事で読む
の記事をもっとみる