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好きと言ってくれる人とラクに恋したい。

  • 2016.2.6
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好きと言ってくれる人とラクに恋したい。

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。好みのタイプからはモテず、そうではない人からモテる現象が、男女間にはしばしば起きる。瀬戸際に立つアラサー独女は、どう振る舞うべき? ターゲットを変えればいいことなのか? 乙女心はまだ現役なのに…
【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.26

今年は外国人を攻める。

外国人といっても、別にそっち系が好きなのではない。日本の男にモテないから、世界に手を広げて攻めていくしかないと思っているのだ。

そもそもこれは自慢だけど、私は国籍問わず外国人ウケがいい。黒髪ロングヘアに高身長の典型的なアジア美人を装っているため、本当に面白いくらい声をかけられるのだ。だけど、残念ながら英語がまーったく喋れないし、日本人以外はどうしても好きになれなくて、そのモテ力を発揮して、映画のような熱い愛をかわしたことは、まだない。ちーん。

ただ御年30歳。しのごの言っている場合ではない。それなら日本語が堪能な外国人をとっつかまえて、日本語で日本的な愛を語りあえばいいではないか! ということで、今年は気持ちを入れ替えて、ひとまず夜のROPPONGIへくり出すことにした。

高収入外国人を狙い撃ち!

英語が話せる女友達に協力を要請して、集合した夜9時。ROPPONGI! 戦場はオシャレなクラブ風BARである。外国人客が多いというそのクラブへと足を踏み入れ(ドリンクが1杯2,000円くらいするんだよ)、フロアを見渡すと、いるいる外国人メンズが。

男性の8割方が日本人以外。アジアにヨーロッパにアフリカ系と国籍はさまざまなようだけど、面白いのはそれを誘う日本女性である。みーんな同じなのだ。ロングヘアにぴっちりしたセクシー系の服装。めちゃくちゃ高いヒールに濃いルージュ。ひっかける気満々ビッチである。バブルの残骸のような女がウロウロしているじゃないの。

「こんな女に負けてたまるか!」

めずらしく自信満々な私は、歩く痴女よろしく色目を振りまき、次々メンズをひっかけていく(って、私がビッチだ!)。

「僕はベリー有名外資系カンパニーでマネージャーをしてるんだ」

「私は高い給料で有名な、コンサルティング会社のリーダーだよ。AKASAKAにステイしてるんだけど、今からトゥギャザーしない?」

だいたいこんな感じの人が多かった。やっぱ高めの店にいる人は違うわ〜と感じながら、その日はダニエルというちょっとビール腹の36歳アメリカメンズと連絡先を交換してBARを後にした。しかし、酔っぱらって忘れていたことがあった。

メールが続きません…

それは翌日のこと。ダニエルから連絡が入る。

「昨日は楽しかったね! ところで日曜は何してるんだい?」

「こちらこそありがとう! 今日は友達とランチしてる」

「そうなんだー。もしよかったらお茶でもしない?」

「いいね……え、あっ…」

ダニエルは日本語がまったくしゃべれないじゃないか!

全く抜けていたけど、これじゃあデートが成立しないのは目に見えている…。

(いっちゃう? 英語できないけど、私いっちゃう? う〜むむむ)

「ごめん、無理!」

ぴしゃりと断りの返事を送り、次は酔っても日本語が話せる男性を絶対選ぼうと決意する。

運命の再会は突然に!?

その1か月後、別の友達と都内のクラブで遊んでいたときのことである。ここの客層は9割が日本人。先日の六本木とは客層も異なる場所である。お酒を飲んでフラフラと踊っていると、前方の壁からふと目線を感じた。

視線を向けてみると、見たことのある顔…。

ダニエルである。

実はそのあと、何度かお誘いがあったものの、「日本語が話せないんじゃお役御免だ!」とえらそうに、ガン無視したりスタンプで流したりを繰り返していた。そんな彼が、前方10m先にいる!

ズキューン! デスティニーーーッ…なんてノリになるわけはない。

「やべえ!」

反射的にサッと目線を外してしらぬフリをしていると、ダニエルが追いかけてきた…わけではなく、携帯が鳴った。

「今、●●ってクラブにいる?」

WHY!? メール!?

すぐそこに相手がいるのに、なぜかLINEで連絡をよこす彼。アメリカ人ってみんな陽気なはずでは? という偏見と謎から、つい返事をしてしまう。

「…YES」

「やっぱり♪ キミを見かけたよ!」

「すごいカワイイ」

と、連続で連絡が入る。

WHY!?!? 話しかけてこい! ダニエエエエエル!!!

「ぼく、いつも一人なんだよ〜」

とサミシイアピールのおまけつき。だ・か・ら・なぜ前方10m先に本人がいるのに、声をかけずにメールするのだ? 中学生なのか? シャイなのか? こっちから声をかけろという合図なのか?

いやまて、こんな大都会TOKYOで2回も偶然出会うということは、これって運命? デスティニー? いっとく? でも英語喋れないし外国人はやっぱり…そんなことをモジャモジャと考えながら待ってみたけれど、「やっぱり外国人ってなんか無理」という結論は変わらず、ムシして帰ることにした。運命の再会だったのに…。

「好き」に飛び込めない自分が憎い。

店を出たあと、友達にこの件を報告すると、「運命逃したね!」と言われた。「えー!? そんなことないでしょ!」とその場は笑い飛ばしたけれど、真実は闇の中である。ただ「好き」といってくれる男がいるのに、ひとまず飛び込むことができない自分のワガママさとヘタレさが憎い。

そういえば婚活疲れを起こしたある女友達は、映画やマンガが大好きで、そっち系メンズからは「スキ!」を定期的にもらうのに、なぜかアウトドア系男子とばかりデートして、「モテない」「収穫がない」と嘆いていた。

そのとき「ターゲットの問題だよ!」と軽く答えた私だけれど、なかなか抜け出せない過ちなのか…。

でも、これが贅沢なのはわかってる。選びまくれる立場じゃないのもわかってる。だけど、目の前を通り過ぎる食べる気のない料理(男)を、ひとまず食べて、胃もたれを起こすのも、なんだか嫌である。もちろんつまみ食いなら話は別だけど、結婚というたった1回きりの特別な食事なら、なおさら美味しくて食べたくなる逸品を求めたい。今はまだ。

ということで、外国人はもうやーめた! 今年は理想を追い求めようではないか。そんな決意を胸に気持ちを入れ替えると、ふとある恋愛コラムが目に飛び込んでくる。

『食べる物にうるさい女は、男の好みもうるさい。故に行き遅れる』

げげ、それって、私のこと?

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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