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貝の「ハマグリ」の漢字表記は?名前の由来は?

  • 2024.2.22

ハマグリはお吸い物などにするととても美味しい貝類です。 ただ、その漢字表記について知っている人は意外と少ないです。 はたまた、名前の語源についても同様となります。

そこで今回はハマグリの名称に関する豆知識をみなさんにお届けます!

いくつかある「ハマグリ」の漢字表記

まずはハマグリの漢字表記について見ていきましょう。

「蛤」はなぜ『虫に合う』?

ハマグリは漢字表記で「蛤」と書かれます。 しかし、なぜ「虫に合う」でハマグリなのでしょうか?

そこには古代中国の生物分類が関係しているようです。 もともと漢字が作られた古代中国では人類・獣類・鳥類・魚類などをそれぞれ漢字の偏(人偏・獣偏・鳥偏・魚偏)で表していたとか。

ただ、その他の小動物を表現する偏が存在しなかったそうな。 そこで古代中国では小動物を総じて「虫偏」で表現していたとされています。

その結果、当時分類のない小動物として扱われたハマグリも「虫偏」で表現されるに至ったというわけです。 その「虫偏」と二枚貝を意味する「合」が組み合わせられて「蛤」となったとか。

「蚌」

ハマグリは漢字表記で「蚌」とも書かれます。

「丰」という文字はこれ単体で豊かさを意味します。 また、大きいという意味も持っているとされています。

その「丰」と「虫」を組み合わせたのが「蚌」です。 ただ、この漢字表記は通常では使用されません。

そのため「蛤」の方を覚えておけば問題ありません。

オオハマグリとも読む「蜃」

やや他の漢字表記とは異なるのですが「蜃」もハマグリに関する漢字となっています。

実際に漢字の「蜃」はオオハマグリと読まれることがあります。 この「蜃」も古代中国に伝わる話から来ているのだとか。

その昔、古代中国における「蜃」は蜃気楼を作り出すとされる伝説の生物を表していたのだとか。 この伝説の生物は竜もしくは霊獣の類とする説や巨大なハマグリと混同した説があり、中国では畏怖される存在でした。

その「蜃」に含まれる「辰」は2枚貝が殻から足を出している様子を表しており、もともとはこの漢字がオオハマグリを指していたと言われています。

そこから龍に転用して「蜃」と改めたものの、両方の意味が残ったまま日本に伝わったとされています。

その結果「蜃」がオオハマグリと読まれるようになったとか。

ちなみに、蜃気楼は「蜃」が「気」を吐いて「楼閣」を出現させると考えられていたことから来ているとされています。

「ハマグリ」という名前の由来

ここからはハマグリという名前の語源を見てみましょう。

「浜の栗」でハマグリとする説

ハマグリは「浜の栗」からハマグリとされた説があります。

確かにハマグリはその見た目が栗に似ています。 それでいて浜辺に生息している貝類です。

そこから「浜の栗=ハマグリ」となったと考えられているとか。

「浜の小石」からハマグリとする説

ハマグリは「浜の小石」からハマグリとされた説があります。

確かにハマグリはその見た目が小石にも似ています。 それでいて浜辺にも生息している貝類です。

なおかつ、昔は小石のことを古語で「クリ」と呼んだとか。 そこから「浜の小石=ハマグリ」となったとも言われています。

その手は桑名の焼き蛤

最後にハマグリに関することわざを見てみましょう。

「その手は桑名の焼き蛤」の意味

ハマグリが入ったことわざに「その手は桑名の焼き蛤」というものがあります。

「その手は桑名の焼き蛤」とはうまいことを並べられたとしてもその手には乗らないことを例えたことわざです。

「桑名」とはハマグリの名産地だった地域を意味します。

ハマグリの名産地だったことから来た掛詞

「その手は桑名の焼き蛤」は「食わな=桑名」と三重県の桑名の名物である「焼き蛤」を語呂合わせした表現の1つです。

もともと三重県はハマグリの名産地として知られています。 その名産地「桑名」に「食わな」を掛けた言葉が「その手は桑名の焼き蛤」となります。

まとめ

ハマグリの漢字表記には「蛤」があります。 これは古代中国で分類できない小動物を表していた「虫偏」と二枚貝が合うことを表す「合」から来た漢字表記となります。

他にもハマグリの漢字表記には「蚌」や「蜃」などもあるので、併せて覚えておきましょう。

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