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20歳「年の差婚」で娘は6歳、夫は高齢者…妻は驚愕「短期間でこんなに老いるものなのか!」

  • 2024.2.22
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39歳のときに20歳年上の人と結婚した女性。65歳になった夫は「高齢者」の部類に入り、ここ数年で一気に老いてしまった。まだ若い妻と子どもがいるというのに、夫の様子には違和感しかない。
39歳のときに20歳年上の人と結婚した女性。65歳になった夫は「高齢者」の部類に入り、ここ数年で一気に老いてしまった。まだ若い妻と子どもがいるというのに、夫の様子には違和感しかない。

年の差婚は珍しくない。干支(えと)ひとまわりくらいならいくらでもいるし、中には20歳差、それ以上ということもある。愛があれば年の差なんてと昔から言われてきた。

長寿の現在では「老い」は人それぞれ

1970年の男性の平均寿命は69.8歳。なんと70歳に届いていない。女性は75.2歳。現在は男性 81.05歳、女性87.09歳だ。50年前と比べて、それぞれ12年ほど長くなっている。人生100年時代と言われるのも当然だろう。

人生が長くなれば、晩婚も出てくるし何度も結婚する人も現れる。生き方じたいの選択肢が増え、バリエーションが豊富になっているのだ。

「周りを見ていて思うのは、老いにもバリエーションがあるということ。私は39歳のときに20歳年上の人と結婚したんです。もちろん好きだから結婚したんですが、その後、数年で彼は一気に老いてしまって……」

ユリカさん(45歳)はそう言う。妊娠を機に結婚、ひとり娘は6歳になった。夫は現在、65歳。「高齢者」の部類に入った。

「年は離れているけど、共通の趣味を通じて親しくなり、3年ほど友人関係を続けていました。でもあるとき、私は彼が好きなんだと気づいて、私からアプローチしたんです。彼はずっと前に離婚したことがあるからもう結婚はこりごりだと思っていたみたい。

『それに老い先短い人生にきみを巻き込みたくない』と言うんです。でもその一言で私、火がついてしまって……。どうしても彼と一緒になりたかった」

彼も彼女のことが好きだったのだろう。とうとうふたりは関係を持ち、ユリカさんは妊娠した。前の結婚で子どもがいなかった彼はことのほか喜んだという。

「生涯現役で頑張る」と言っていたけど

「今さら子育てができるかなと言いつつ、妊娠中は私の体を気遣ってくれたし、子どもが生まれるのを楽しみにしてくれていた。60歳で定年だったんですが、彼は延長を選択して、生涯現役で頑張ると」

子どもが生まれてから7カ月ほどで保育園が見つかったため、彼女は仕事に復帰した。彼は子どもの送り迎えを自ら買って出て、家事もせっせとしてくれた。

「仕事人間だったようですが、どうもそのころから彼、仕事がうまくいかなくなっていたみたいです。頭の回転が衰えてきたというか……。本人も自信がなくなったんでしょうね。生涯現役はむずかしくなり、65歳で仕事を辞めました。それなりに退職金は出たけど、子どもの将来を考えると使うわけにはいかない」

認知症を心配して夫を説得し、病院につれて行ったこともある。だが認知症の気配はなく、「若い人から見ると少し判断力や行動が遅くなっているだけ」と言われた。

同い年の上司の快活さと比べてしまう

「私の上司が夫と同い年なんです。この人は別格だとみんな言うけど、見た目も中身も、とても“高齢者”とは思えない。身のこなしなどは40代の部下よりスマート。比べるわけじゃないけど、上司を見ていると夫が本当にじいさん臭いなと思ってしまう」

一緒になってからわかったことだが、夫は音楽や読書が趣味で、スポーツにはほとんど関心がない。友人関係だったときはサッカーやラグビーの話もしたような気がするのだが、夫はニュースとして知っていただけだった。

ユリカさんは、もちろん音楽は大好きだが、同じようにスポーツに興味がある。独身時代は会社の同僚とプロ野球やサッカーをよく見に行ったという。

「夫は穏やかでいい人だけど、気持ちが上がることがあまりない。興奮して舞い上がるようなタイプではないんです。生活していくにはいいけど、一緒にいて楽しいというわけではなくて。私は楽しいのが一番と思うタイプなので、違和感がありますね」

ひとり娘も音楽が好きだから、たまに3人でカラオケに行くこともあるが、夫はほとんど歌わず、じっと聞いているだけ。盛り上げようとするサービス精神もない。

「最近では立ったり座ったりするのも少し時間がかかるし、何か聞いてもすぐに返事が返ってこないこともある。人間、年をとるのは当たり前だし、心身ともに不自由になるのもしかたがないとはわかっています。でも夫はそれに抗う気配がない。そこが私がイラッとする原因かもしれません」

老い方は人それぞれとわかっていても

若い妻と幼い娘がいるのだから、もうちょっと頑張ってよとユリカさんは言いたいらしい。確かに今の65歳は数十年前の65歳とは違い、生き生きと暮らしている人たちも多い。

「私と娘が夫の負担になっているのかなと考えたこともあります。でももう結婚したんだし、夫にはもっと明るくいきいき過ごしてほしいんですよね」

現在、夫は家事を主軸に生活し、在宅でできる仕事も少ししている。外に出て人と交わることはほとんどない。それもユリカさんが心配なことのひとつだ。

「もともと友だちが多いほうではなさそうですが、それでも学生時代、会社員時代に友人はいたと思うんです。でも集まりなどはなさそう、あるいは出たくないのかもしれない。とにかく友人付き合いをしていたころとはまったく印象が違うので、私自身、結婚を早まったのかなと思いながらこの6年を過ごしてきたんです」

年齢が違うから、「老い」への感じ方や恐怖感も異なるのだろう。夫には夫の、以前とは違う悩みがあるのかもしれない。

「同じ“年の差婚”でも、25歳のときに45歳の人と結婚して、20年間一緒にいて45歳になった女性と、私みたいに妊娠を機に59歳の人と結婚してまだ6年しかたっていない45歳とは、内容がまったく違いますよね。

私の場合、最初から相手は還暦間近だったから、これから老いていくだけだとわかったはいたけど……。こんな言い方をしたら夫に悪いけど、短期間に劣化が激しすぎた」

夫が聞いたら不快に思うだろうが、それがユリカさんの本音だという。このままだといざ「介護」が必要になったとき、自分は夫の世話をすることなどできるのだろうかと不安になるそうだ。平均寿命からいくとあと16年、夫は生きる。そのころユリカさんも60代になる。そんな未来が「とてつもなく暗く見える」と彼女はため息をついた。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。

文:亀山 早苗(フリーライター)

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