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【映画】4人の女性が糸で繋がり、未来を救う『マダム・ウェブ』 マーベル初のミステリー! 2/23公開 【伊藤さとりの映画レビュー】

  • 2024.2.22

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は、2月23日(金・祝)公開の『マダム・ウェブ』。マーベル最新作で、ウェブは糸。原作コミックではスパイダーマンを支える存在。


特殊能力を持つマダム・ウェブと能力を持たない3人の女性が闘う

何故か日本ではあまりフィーチャーされない「男女平等」を願う映画的アプローチ。どうしてなんだろうと分析すると「映画にイメージをつけたくない」という宣伝の声もチラホラ。だけど、それでは真のメッセージや伝えたいターゲット層に伝わらないことも大いにあって、今回の作品はそんな意味でも画期的なヒーロー映画でした! 本作『マダム・ウェブ』のビジュアルを見ると『スパイダーマン』の女の子版!?と思うかもしれないけれど、確かに原作はマーベル・コミック。物語だってアマゾンに生息する希少な蜘蛛の調査からある能力を手にした敵と、臨死体験で未来を予知する能力に目覚めた救命救急士のキャシーが少女たちを守ろうと戦う物語なので『スパイダーマン』と似て非なりなのです。

じゃあ何が「男女平等」なんだ?というと、今までヒーロー映画というと男性主人公が多かったし、『スパイダーマン』のコスプレを楽しむ子供も圧倒的に男の子でした。けれどマーベルやDC映画は続々と女性ヒーロー映画の制作に取り組み、マーベル作品では2023年に『マーベルズ』が公開。この映画の主人公は女性ヒーローのキャプテン・マーベルであり、彼女が新たな女性キャラ達とのチームプレーを見せてくれます。これは沢山の男性ヒーローが活躍する作品を生み出したから、その分、女性ヒーローものを増やし、“ヒーローには誰だってなれる”ことを子供や大人に伝えようとしている象徴的な試み。そう、平等って“偏ったところに違う性別や種族、障がいのある人を入れていく”ことで初めて平等にする為の活動になるんです。

そういった意味で、『マダム・ウェブ』を見ると、そのバランスが自然であり、必然的に構成されているのがまた凄い。S・J・クラークソン監督は女性であり、ダコタ・ジョンソン演じる主人公キャシーやその母親も「救済」の為に蜘蛛の研究や人助けをする女性。そしてキャシーが救うことになる女の子3人も若手実力派ながら全員肌の色も違うし、環境も違うし、なんなら移民も居るという設定。かたや敵対するエゼキエルは「私利私欲」で力を横取りした男。それでもヒールとしてもセクシーで圧倒的な強さを持つ人物。監督がインタビューで言っている「最初から特殊能力を持っている人じゃなくてもヒーローになれる」という通り、3人の女の子は特殊能力が今の所ない状態。こうやって多くの子供たちに「誰かを助ける人が真のヒーロー」だと伝えていく映画制作って大事ですよね。未来を変える為にも、スゴくね。
——伊藤さとり

☑2月23日(金・祝)IMAX®ほか全国の映画館で公開 『マダム・ウェブ』

【あらすじ】ニューヨーク。救急救命士として働くキャシー・ウェブ(後のマダム・ウェブ)は、一人でも多くの命を救うため日々奮闘していた。ある時、救命活動中に生死を彷徨う大事故に巻き込まれてしまう。それ以来、キャシーはデジャブのような奇妙な体験を重ねるのだった。
自分に何が起きているのか戸惑うキャシーだったが、偶然にも出会った3 人の少女たちが、黒いマスクの男に殺される悪夢のようなビジョンを見てしまう。それが未来に起きる出来事だと確信したキャシーは、少女たちを助けることを決意。未来が見えるという不思議な力を使い何度も危機を回避するが、謎の男はどこまでも追ってくる…。男の目的は一体?なぜ執拗に少女たちを追うのか?
やがて明らかになる、少女たちの<使命>とキャシーの能力の秘密。少女たちを守る先に、彼女が救うことになる<未来>の正体とは――? 2024/アメリカ/116分
監督:S・J・クラークソン(「Marvel/ジェシカ・ジョーンズ」、「コラテラル 真実の行方」)
出演:ダコタ・ジョンソン(『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』シリーズ)、シドニー・スウィーニー(「ユーフォリア/EUPHORIA」)、イザベラ・メルセド(『トランスフォーマー/最後の騎士王』)、セレステ・オコナー(『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』)、タハール・ラヒム(『モーリタニアン 黒塗りの記録』『ナポレオン』)、エマ・ロバーツ(「アメリカン・ホラー・ストーリー」シリーズ)、アダム・スコット(「セヴェランス」)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント © & ™ 2024 MARVEL

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