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“非加入”相次ぐ【PTA問題】「世の流れ」「非加入なのに記念品渡す?」戸惑う現場の声

  • 2024.2.22

PTAって加入しなきゃいけないの?

PTAって加入しなきゃいけないの?
PTAって加入しなきゃいけないの?

小学校や中学校への進学時期に必ずネットで話題になるのが「PTA」の加入・非加入問題。親世代の学生の頃は、「自分の親が入らないという選択肢がなかったはず」そう思っている人も多いのではないでしょうか。

「Surfvote」が、ノンフィクションライター・大塚玲子さんの課題提供を受け、2023年11?12月に行った「PTAへの入会はどんな形が望ましいと思うか?」という調査で「保護者も教職員も入りたい人が入る」と回答した人は27.6%という結果でした。3割近い保護者が「完全任意」を求めていることがわかります。

都内在住のAさんは、お子さんが通う中学校のPTA役員として参加しています。Aさんの所属するPTAについてお話を伺ってみました。

最近は『入会しません』という保護者もちらほら目立つようになってきています」と、Aさんは言います。

都内の公立中学校にお子さんが通っているAさん。中学校入学時にPTAの案内があり、自動的に加入という形だったそうです。

「小学校入学時の時は覚えてないのですが、おそらく自動的に加入していたと思います。上の子の時からなので、小中通して、学年委員や広報委員などいろいろな活動に参加させていただきました。その中で、委員が集まる『実行委員会』というのが年に数回あるのですが、最近話題になったのが『PTAの非加入』でした」(以下Aさん)

PTAに入会しない保護者がちらほら出てきたことで、議題になっていたとのこと。Aさんが在籍するPTAとしては、どのような姿勢なのでしょうか?

「入会も強制ではないし、退会も受け入れなければならない“入会は任意”という立場です。

これまでのPTAの会則には『入学したら全員がPTAに加入すること』といった文言があるようで、入会してない保護者からも協力金を徴収していたのだと思います。今後は、文面も協力金の件も変更しなければならないという話は聞きました」

一方で、一部の保護者からはネガティブな意見も寄せられたとAさんは言います。

「PTAの会費として徴収したものから、卒業式の記念品、創立記念日の記念品を購入して、子どもたちに配布します。払ってない人にも渡すの?という意見が寄せられていました。

しかし、自分だけ配布されなかったということになると、非加入のお子さんの気持ちを傷つけかねません。今後の対応はどうするかわかりませんが、当面は非加入者に配布しないということは避けるのではないでしょうか」

任意団体「PTA」存続を阻むのは個人情報問題か…

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非加入者がさらに増えたらPTAは運営していけるのでしょうか。

「入会者が少なくなると、規模や活動を縮小するという形になると思います。また、うちの場合は入会費は学校徴収になっているようで、その部分も今後どうやって徴収するかを考えなければいけないでしょう。PTAが存在しないという学校もあるようですから、廃止の選択もあるかもしれません」

PTAの入会については「任意」という認識の学校が増えてきた一方、加入を強制するかのような表現をしている学校もあるようです。X(旧ツイッター)では、「『PTAできない人は理由をかけ』といったアンケートがきた」「PTAの委員が決まらなかったら、保護者会の後に保護者は全員残されて誰かが手を挙げるまで何時間も拘束」など、強制とも受け取れる対応をしているところもあるようです。

PTAに加入しないという選択をしている保護者はただ、強制に対する反発ではありません。個人情報を渡したくないという保護者も多い、とAさんは言います。

「あるPTAの保護者は『名簿がない』のは活動するにあたって不便だ!名簿を出してください!と学校側に要求していました。学校側は毅然(きぜん)と『個人情報保護の観点で渡すことはできません』と回答していて、真摯に取り組んでいるのだなと関心しました。その保護者が納得したかどうかはわかりませんが……」

個人情報保護についてAさんは「課題があるのでは?」と指摘します。

「私は、名簿の配布は不要だと思います。PTAからのお知らせ自体を不要だと思う保護者もいるでしょう。非加入家庭への対応は学校側が行うか、もしくは、PTAが対応するかという形になるでしょう。そうなるとPTAが非加入状況を共有することになるでしょう。後者の場合、果たして必ずしも個人情報を保護できるのだろうか……。何かあった場合の責任は……そんな空気感が現状あります」

いろいろな保護者がいます。全員の考えを一致させるのは無理です。個人情報遵守に理解のある保護者が手を挙げていたら良いのですが、万が一、リテラシーを持たない人が役員や委員になった場合、問題が起こるのは目に見えてます。そうなれば一気に廃止の方向に傾くでしょう」

Xでも、「うちの学校はPTAは廃止になった」「自分の子の学校にはPTAはなくても保護者のお手伝いは活発」といった意見も多くみられました。

新たな局面を迎えているPTA問題。存続か廃止か……。

「PTAに入ってなければ学校への関わりはゼロだったと思いますので、私自身は継続してほしいと思います。会則に賛同する保護者で運営を続けたらよいのですが、個人情報のことなどが解決しない限り、遅かれ早かれ結末は決まっているのかもしれません」(Aさん)

(LASISA編集部)

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