こんにちは!冬の旅行が大好きなトラベルライターの土庄です。
前回は冬の北海道の中でも、道北エリアにフォーカスして非日常な旅をお届けしました。今回は第二弾として、道央をご取り上げたいと思います。
蝦夷富士と讃えられる羊蹄山(ようていざん)や、雪山の上から支笏湖(しこつこ)ブルーを見渡す風不死岳など、アドベンチャーな絶景が目白押し。
秘境らしさ漂う名湯の宝庫であり、冬らしい温かなグルメも満喫できます。
新千歳空港や苫小牧(とまこまい)港、小樽港など北海道の玄関口に近い点も魅力!ぜひ冬の情緒を五感で味わう北海道旅に出てみてはいかがでしょうか。
名もなき道も羊蹄山の絶景展望所に
photo by Yuhei Tonosho
四方どこから眺めても秀麗な佇まいを見せる、ニセコエリアの象徴「羊蹄山(ようていざん、標高1,898m)」。冬になると、周辺を走っているあらゆる国道や道道が、羊蹄山を見渡す絶景展望スポットに変わります。
なかでもイチオシの場所が、真狩村(まっかりむら)の中心部を走る道道97号線の周辺です。巨大な壁のように立ちはだかる羊蹄山まで続く、真っ直ぐな道。このひと区間に北海道らしい雄大な自然の姿が象徴されています。
photo by Yuhei Tonosho
また羊蹄山の北西部、道道478号線沿いにある羊蹄姿見池も素晴らしいです。風が弱い凪の日には、水面に逆さ羊蹄山を鑑賞することができます。
冬季でも隣ではお食事処「農家のそばや 羊蹄山」さんが営業中。羊蹄山ビューを楽しみながら、絶品の手打ちそばを味わえるため、ぜひ立ち寄ることをおすすめします。
湖の栖でラグジュアリーな洞爺湖ステイ
photo by Ran Tonosho
苫小牧や千歳といった北海道の市街地からも近いリゾート地・洞爺湖温泉。「ザ・レイクスイート湖の栖(このすみか)」は、全室洞爺湖レイクビューの露天風呂付きスイートルームからなるリゾートホテルです。
コンセプトは"洞爺湖に棲む"。インフィニティの天然温泉大浴場やビールも飲めるレイクビューラウンジ、北海道の味覚が詰まった豪華ビュフェまで、チェックインからアウトまで楽しみが尽きません。
photo by Ran Tonosho
50平米以上もある広いお部屋で、ふかふかのソファーに座り、レイクビューを楽しみながらこだわりのコーヒーをいただく時間は至福のひととき。羊蹄山の絶景を横目にワーケーションもはかどります。
まさに空に浮かんでいるような大浴場の感動も忘れられません!気候条件が一段と厳しく、移動のハードルが上がる冬の北海道だからこそ、滞在しながら自然を満喫してみるのもおすすめです。
七色の温泉が待つ北湯沢温泉
photo by Yuhei Tonosho
北湯沢温泉を代表する「緑の風リゾートきたゆざわ」。"巡りゆく美しい四季とともに、一年に何度も訪れたくなるホテル"というコンセプトの通り、館内の随所に、思わず息を呑む絶景が根付いています。
特に趣深いのは、渓谷一帯が雪で閉ざされる冬。窓が額縁となり、青と白が織りなす絵画のような風景が広がります。そんなリゾートホテルの醍醐味は、なんと言っても日本最大級を誇る温泉大浴場です。
photo by 緑の風リゾートきたゆざわ
2階にまたがる内湯にはエレベーターが設けられ、大露天風呂は150坪を誇る広さ。森の散歩湯と呼ばれる露天風呂には、ラベンダーやスカイミントなど20種類以上の香り湯が揃っています。
しかも全てが天然温泉掛け流し。冬には様々な香りに包まれながら、白銀の世界を眺める雪見温泉が楽しめます。空気中の水分が木に凍りつく霧氷が見られる朝の時間は格別。リゾートホテルでありながら秘湯を存分に満喫しましょう。
心から温まるきのこ王国の絶品きのこ汁
photo by Ran Tonosho
支笏湖から洞爺湖へ抜ける国道276号線・尻別(しりべつ)国道沿いにある「きのこ王国 大滝本店」は、冬にイチオシのドライブ立ち寄りスポットです。その理由は、ここでしか食べられない極上のきのこ汁を味わえるから。
きのこ汁は、飲むではなく「食べる味噌汁」と言われるほど具だくさん。しめじ、なめこ、しいたけなど種類豊富なきのこが入っています。しかもお値段はなんと1杯110円と信じられないほどリーズナブル。
photo by Yuhei Tonosho
もっと食べたい方は、きのこ汁大盛りやプレミアムきのこ汁を頼むのもあり!飲み進めるほど体はポッカポカになり、きのこの滋味深い味わいが冷えた体に染み渡っていきます。「あぁ〜美味しい……」と、思わず声に出てしまいました。
数種類のきのこの天ぷらが山のように盛られた「きのこ天ぷら盛り合わせ」もオススメ。ぷりっぷり、サクサクの天ぷらはボリューム満点で、きのこ本来のおいしさを楽しめますよ。
支笏湖ブルーを楽しむ冬の風不死岳
photo by Yuhei Tonosho
標高1,000m前後の山が連なる支笏湖(しこつこ)周辺は、北海道の雪山登山のメッカと言える場所です。なかでも支笏湖外輪山の最高峰「風不死岳(ふっぷしだけ、標高1,102m)」は高い人気を誇っています。
その理由は往復4時間ほどと距離が短いですが、稜線の道はスリリングな本格雪山の趣があり、山頂周辺からは雪景色と、竜の瞳のような支笏湖ブルーの共演を楽しめるから。青と白のコントラストが美しい、果てしない絶景に感動をおぼえるでしょう。
photo by Yuhei Tonosho
そしてふと東の方角を眺めれば、雪化粧をした樽前山(たるまえさん、標高1,041m)の溶岩ドームの姿が。北海道の自然がキャンバスとなり、水墨画のように広がる世界に思わず見入ってしまいます。
ほかにもイチャンコッペ山(標高829m)や多峰古峰山(たぷこっぷやま、標高661m)など、冬におすすめな山から冬季バリエーションルート(冬だけ登れる限定の登山道)まで豊富な支笏湖外輪山(しこつこがいりんざん)。何度でも訪れたい冬のアドベンチャー登山の魅力が詰まっています。
オフシーズンも趣がある定山渓温泉
photo by Yuhei Tonosho
開湯から150年以上の歴史があり、登別温泉などと並んで、北海道を代表する温泉地「定山渓(じょうざんけい)温泉」。56の源泉をもち、毎分8,600リットルと豊富な湧出量を誇っています。
秋の紅葉や、夏のレジャーシーズンに賑わいをみせますが、オフシーズンの冬の時期もおすすめです。宿泊料金もお得になり、閑散期ならではの落ち着いた"大人な旅"を楽しむことができます。
photo by 定山渓観光協会
イチオシのお宿は「ぬくもりの宿ふるかわ」さん。山小屋風のラウンジで憩いのひとときを過ごし、趣のある至福の温泉に癒されたら、極上の懐石料理に舌鼓を打って、食後はナイトラウンジで足湯に入りつつ歓談に耽ります。
空気の澄んだ朝は、朝風呂のあとに定山渓二見公園までお散歩してみましょう。運が良ければ野生のエゾシカが朝ごはんを食べている姿を見られるかも!?積雪量が多い場合があるので、スノーブーツは必須です。
雪の絶景と名湯の宝庫。冬の道央をめぐる
photo by Yuhei Tonosho
道央地方は、新千歳空港から近く、道外からでも気軽に旅に出られるのも魅力のひとつ。雪化粧を纏い、どこまでも続く青と白の大地は、一度足を運ぶと、何度も訪れたい魅力を備えています。
また今回ご紹介したように、名湯の宝庫でもある道央地方。雪見風呂を目的に、秘境へ宿泊してみるのもおすすめです。忘れられない非日常な時間が過ごせるので、ぜひ一度訪れてみてください。