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大人が悩む数学「3(3x+5)+4(2x-7)」

  • 2024.3.29
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xやyなどの文字を計算は難しく見えるかもしれません。

しかし、実は計算法則は算数で学習したものとほとんど同じです。

今回は、中学校で習う文字式の計算に挑戦し、どのように計算するのかを確認しましょう!

問題

次の計算をしなさい。
3(3x+5)+4(2x-7)

この問題は、数学検定3級の問題から抜粋しています。

このような文字式の計算では、まず始めにカッコを外し、その後、同類項をまとめます。

解説

今回の問題の答えは「17x-13」です。

また、途中の計算式は次のようになります。

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今回の問題では、次の二つの手順で計算します。

(1)カッコを外す
(2)同類項をまとめる

それぞれ順に確認していきましょう。

(1)カッコを外す

通常カッコを含んだ計算の場合、カッコの中から計算しなければいけません。

しかし、カッコ内の計算はそれぞれ、
3x+5
2x-7
となっており、これ以上計算することができません。

文字がついたものと数字をそのまま足したり引いたりできないので、「3x+5=8x」「2x-7=-5x」としてはいけません。これは間違いです。

カッコの中はこれ以上計算できないので、カッコを外しましょう。

3(3x+5)の部分は、最初の3とカッコの間に「×(掛け算)」が省略されています。

つまり、「3の掛け算」をしなければいけません。そして、ここで注意が必要なのは、3を掛けるのはカッコ内すべてに掛けないといけないという点です。

つまり、途中式をさらに丁寧に書くと次のようになります。

3(3x+5)
=3×3x+3×5
=9x+15

これは「分配法則」という性質を使っています。

4(2x-7)の部分も同様にカッコを外すことができます。

4(2x-7)
=4×2x + 4×(-7)
=8x -28

したがって、元の計算式は「9x+15+8x-28」となります。

(2)同類項をまとめる

カッコを外すことができたら、次は同類項をまとめます。

「項」というのは、足し算・引き算で繋がれたひとかたまりの部分のことです。
(今回の式では、9x、+15、+8x、-28と四つの項があります)

その項のうち、同じ文字からなる部分を「同類項」と言います。
(また、文字が付いていない項を「定数項」と言います。)

今回の式では
xの項は、9xと+8x
定数項は、+15と-28
です。

これらをそれぞれ足し合わせましょう。

9x+8x=17x
15+(-28)=-13

したがって、計算は次のようになります。

9x+15+8x-28
=17x-13

(先ほどのカッコ内の計算の説明と同様ですが)
「17x-13」はこれ以上計算ができません。xの項と定数項は分けておく必要があります。

「17x-13=4x」としないように注意しましょう。

よって今回の計算の答えは「17x-13」となります。

まとめ

小学校までの計算法則に加えて、「文字式のルール」に気をつけるだけで計算が可能でしたね。

文字式の計算ができるようになると、方程式、関数など、数学の世界が広がります!

 

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」