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朝ドラ『虎に翼』で爆誕したハッシュタグ「#俺たちの轟」あなたは“轟派”?“花岡”派?

  • 2024.4.29

「#俺たちの轟」ハッシュタグ爆誕

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(C)NHK

女性初の弁護士のひとり・三淵嘉子をモデルとした連続テレビ小説『虎に翼』。伊藤沙莉演じる主人公・寅子が、違和感を抱いた瞬間に飛び出す口癖「はて?」がかわいらしい。魅力あふれるキャラクターが多く登場するなか、「#俺たちの轟」ハッシュタグまで生まれるきっかけとなった轟太一を演じるのが、俳優・戸塚純貴だ。

戸塚純貴といえば、すでに名バイプレイヤーとして広く知られる存在である。直近では、ドラマ『だが、情熱はある』(2023/日テレ系列)にて、お笑いコンビ・オードリーの春日俊彰役を演じたことでも話題を呼んだ。ビジュアルはかけ離れているが、表情、身体の動き、居住まいすべてが、あの春日を過らせる。

また、信頼感や親近感を覚えさせる役柄に定評がある戸塚純貴。ドラマ『マルス-ゼロの革命-』(2024/テレビ朝日系列)では、主人公・美島零(道枝駿佑)が復讐すべく追っている企業に潜伏し、物語の根幹を握る役柄・大城大木(通称・ウド)をダイナミックに演じてみせた。

そんな戸塚が演じる轟は、最初こそ寅子たちに対してつっけんどんに「男と女が一緒に学ぶべきではない」と持論を展開していたが、次第にその態度を軟化させていく。

「女は優しくすればつけ上がる」と発言した級友・花岡を叱り飛ばし、「俺が男の美徳と思っていた、強さ・優しさを、あの人たちは持っている」「俺が男らしさと思っていたものは、そもそも男とは無縁のものだったのかもしれん」と、男女で分ける考え方そのものに疑問を持つようになった。

まっすぐで、自分の考えに一定以上の自信を持ち、滅多なことでは揺らがない性格の持ち主だが、寅子たちと交流し、他者のものの見方に触れることで、素直に「あの人たちのことを好きになった」と言う素直さがある轟。ハッシュタグが生まれるほど、彼のことを応援したいと感じるファンがつくのも納得だ。

轟、花岡、優三、直道……魅力的な男性キャラクターたち

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(C)NHK

そんな轟の考え方に触れ、花岡も自身の偏見に向き合うようになる。一見、フラットで好青年な花岡だが、「女は優しくすればつけ上がる」と、どこか女性を蔑視している向きがあった。展開が進むにつれ、母を亡くしている生い立ちと、将来の弁護士への椅子が絶たれるかもしれない恐怖が関係していることがわかる。

轟の叱咤、そして寅子との交流によって、あらためて失礼な態度をとったことを謝罪した花岡。轟と共通するのは、自身の間違っていた面を素直に認め、謝るべきときは「申し訳ない」と謝れる気質だろう。

デビュー当初は、慶應大卒という経歴と、その優しく甘いルックスで王子様キャラを確立させていた岩田剛典だが、近年は『虎に翼』の花岡悟をはじめ、『あなたがしてくれなくても』(2023/フジテレビ系列)の新名誠や『アンチヒーロー』(2024/TBS系列)の緋山啓太など、少し影を感じさせる役柄が多い。

轟、花岡とチャーミングなキャラクターが目立つなか、仲野太賀演じる佐田優三や、上川周作演じる虎子の兄・直道など、魅力的な男性キャラクターが多い『虎に翼』。どうしても男女差別に焦点を当てざるを得ない作品だが、デリケートかつ意見の分かれやすい題材でも、明るくコミカルなバランスを保っている背景には、彼らの力も大いに関係している。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_