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大人が意外と間違える算数「半径6cmの円の面積は?」【円周率は3.14】

  • 2024.3.21
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「円の面積」はどのように求めるのか覚えているでしょうか。

公式を覚えていれば問題を解くことは可能ですが、今回はさらに一歩踏み込んで、どのようにして円の面積の公式が導かれるのかまでを考えてみましょう。

まずは、円の面積を求める問題に挑戦です!

問題

半径6cmの円の面積を求めなさい。
ただし、円周率は3.14とする。

この問題は、算数検定6級の問題から抜粋しています。

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円の面積の公式を知っていれば、計算が可能です。

ただし、円に関する公式は「面積」と「円周」があるので、間違えないように注意しましょう。

解説

今回の問題の答えは「113.04cm²」です。

円の「面積」と「円周」の公式は、それぞれ次のようになります。二つの公式があったなと思っても、どちらの公式なのかまで分かっていないといけません。

(面積)半径×半径×円周率
(円周)直径×円周率

今回求めるのは面積なので、計算は次のようになります。

6×6×3.14
=36×3.14
=113.04

したがって、半径6cmの円の面積は113.04cm²となります。

「円の面積」の公式

「公式を覚えていなければ解けない」と思われるかもしれませんが、この公式を導くのは実は難しくありません。

まず、円周率というのは「円の直径と円周の長さの比」です。どのような円であっても、直径の約3.14倍が円周の長さとなっています。

したがって、円周の公式「直径×円周率」というのは、円の性質から分かります。

では、面積はなぜ「半径×半径×円周率」という式で求められるのでしょうか。

それは、円を小さなおうぎ形に分割し、並べ替えることで分かります。

例えば下図のように、円を12個に分割し、それらを交互に上下を逆にして並べます。

すると、この形は「平行四辺形」になっていますね。

※厳密には円の丸みがあるので、平行四辺形ではありません。ここでは12分割しましたが、さらに細かく分割することで、丸みがなくなり、平行四辺形とみなすことができます。

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作った平行四辺形の高さは、元の円の半径です。

底辺に当たる部分は、円周の半分となっています。
(円周は黄と白の計12ヶ所に分割されましたが、互い違いに配置したことで、黄の6ヶ所の長さが平行四辺形の底辺です)

「直径=2×半径」なので、
円周
=直径×円周率
=2×半径×円周率
となります。

よって、
円周の半分というのは、「2×半径×円周率」の半分です。つまり「半径×円周率」と表すことができます。

したがって、
円の面積
=平行四辺形の面積
=底辺×高さ
=(半径×円周率)×半径
=半径×半径×円周率

「円の面積の公式」として丸暗記することも可能ですが、このような手順で導かれているということを知っていれば、面積の公式と円周の公式を混同してしまうこともないはずです!

まとめ

「公式を知っている」というのは、問題を解くうえで重要です。

しかし、どのようにして公式が導かれたのかを考えることは、思考力を養うためには、より大切になってきます。

なんとなく暗記している公式も「なぜ」と考えてみるとよいでしょう。

 

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」