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大人が意外とわからない「一辺6cm正三角形」→面積は?

  • 2024.3.15
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三角形の面積は「底辺×高さ÷2」で計算することができます。

しかし、底辺、高さのどちらか一方しかわかっていない場合、「三角形の面積」という簡単な問題のはずが、一つの情報がないだけで難しくなってしまいます。

今回はそのような問題に挑戦してみましょう!

問題

1辺の長さが6cmの正三角形の面積を求めなさい。

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底辺は6cmと示されていますが、高さがわかりません。どのようにすれば高さを求めることができるでしょうか。

正三角形の特徴を把握できているかが、問題を解くポイントです。

解説

今回の問題の答えは「9√3cm²」です。

解き方の解説に入る前に、正三角形の特徴を確認しておきます。
・三辺の長さは全て同じ
・三つの角は全て60°

底辺は6cmとわかっているので、高さを求めてみましょう。

△ABCの頂点Aから、辺BCにまっすぐ線を下ろします。BCとの交点をMとすると、AMが正三角形の高さということになりますね。

また、△ABCは正三角形なので三つの角はすべて60°です。AMは正三角形を二等分する線になっているので、∠BAM=30°となります。

すると、△ABMは「30°、60°、90°の直角三角形」です。この直角三角形の三つの辺の長さの比は「1:2:√3」なので、AM=3√3cmということがわかります。【ここは、後ほど詳しく解説します】

したがって、△ABCは
底辺BC=6cm
高さAM=3√3cm
となり、面積は以下のように計算できます。

△ABC
=6×(3√3)÷2
=9√3

したがって、1辺の長さが6cmの正三角形の面積は9√3cm²です。

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「30°、60°、90°の直角三角形」の三つの辺の長さの比は「1:2:√3」であるという性質を用いて問題を解きました。

実はこの直角三角形は、三角定規の一方と同じ形であり、角度と長さの比が決まっています。

今回用いた直角三角形は、下図の左の図形です。

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三つの辺の比が「1:2:√3」なっていますが、問題の正三角形では「3cm、6cm」がわかっています。
(3cmは、正三角形の一辺の半分の長さです)

つまり「1:2:√3 = 3:6:AM」なので、AM=3√3cmとなります。

直角三角形の辺の比がこのようになることは「三平方の定理」から確認ができます。興味がある方はぜひ調べてみてください!

まとめ

「三角形の面積」という小学校で習った内容でしたが、「高さを自分で求めないといけない」となると、少し難しくなりますね。

二つの三角定規の形は、図形問題を解く際によく利用するので、角度と辺の長さの比を覚えておくと便利ですよ!

 

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」