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花粉症の人は要注意!『避けたほうがいい食べ物』があるって知ってた?【医師が解説】

  • 2024.3.16
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写真:PIXTA(イメージ)

「なんだか鼻がムズムズするような…」「もしかして、今年もあの季節が?」そう…気象庁によれば、すでに2月中旬までに九州、関東、東北の一部で「スギ花粉」の飛散が始まっているそうです。

環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」によると、2019年の調査では、花粉症の有病率は約42.5%「スギ花粉症」の有病率は約31.1%に達しほぼ3人に1人もの方が、「スギ花粉症」と推定されていたとのこと(※)。日本に住んでいる以上、花粉症のリスクは常に注意しておく必要があるかもしれません。では、薬や通院以外に花粉症の症状を悪化させないために普段私たちの生活で避けるべき行動はあるのでしょうか?

そこで今回は、日本アレルギー学会認定専門医である清益功浩先生花粉症と食事・習慣の関係を取材しました。

※全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査。

まず、花粉症の方が避けるべきNG習慣とは?

花粉症で辛い思いをしている方の中には、気づかないうちに「やってはいけない行動」や「習慣」を行っているのかもしれません。

すでに対策を講じている方であれば、当たり前のように感じることばかりかもしれませんが、意外な発見もあるはずです。

1.風の強い晴れた日に外出する

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写真:PIXTA(イメージ)

天気の良い日には散歩をしたり買い物へ行きたくなる方も多いでしょう。その気持ちはわかりますが、「風の強い晴れた日の外出」は避けるべきと清益先生は注意します。

それは、「晴れた日には花粉の飛散量が多く、風が強いと飛散する範囲も広くなる」(清益先生)ため。一般的にはお出かけ日和かもしれませんが、花粉症の方にとっては少々リスクが高そうです。

お仕事などやむを得ない場合をのぞいては、お家でのんびり過ごした方がよいかもしれませんね。

2.洋服など洗濯物を屋外干しする

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写真:PIXTA(イメージ)

晴れた日は洗濯日和。溜め込んでいた洗濯物を処理したい方も多いでしょう。しかし、花粉症の方は「屋外干し」を避けるべきと指摘する清益先生。いったい、それは何故なのでしょうか?

その理由として、清益先生は「衣服に花粉が付着し、屋内に花粉持ち込むことになる」と解説します。花粉症の症状がひどい方は、浴室乾燥機や洗濯乾燥機などを活用するとよいかもしれません。

3.換気のために窓を全開にする

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写真:PIXTA(イメージ)

感染症対策の一環として、部屋の換気を心がけていた方も多いでしょう。しかし、花粉症対策としては逆効果。「換気のために窓を全開にする」ことはやめた方が良いと清益先生は注意します。

それは、「換気すると、屋内に花粉が侵入し、屋内のものに花粉が付着する」(清益先生)ため。洗濯物の「屋外干し」を避けた方が良い理由とも重なりますが、花粉症を対策する上で、屋内に花粉が侵入してしまうリスクは徹底的に排除した方がよいでしょう。

清益先生曰く、どうしても換気が必要な時は、「窓を開ける幅を10cm程度にし、レースカーテンのカーテンをする」のがおすすめなのだそう。たったそれだけで、屋内に流入する花粉を4分の1に抑えられるそうです。ほかにも、空気清浄機などを活用するとよいのだとか。

4.マスクや眼鏡をせずに外出する

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写真:PIXTA(イメージ)

2023年3月13日から、マスクの着用は個人の判断に任されるようになりました。

着用すると息苦しい、肌が蒸れる…など、人によって事情もあるかもしれません。しかし、花粉症を対策する上でマスクや眼鏡はとても効果的。「マスクや眼鏡をせずに外出」することは避けるべきと清益先生は言います。

なぜなら、花粉症は「花粉が目や鼻に入ることで症状が出現する」(清益先生)ため。着けたくない気持ちはわかりますが、花粉症に悩んでいるのなら、できる限りマスクやメガネを忘れずに着用しましょう。

5.喫煙

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写真:PIXTA

喫煙」と花粉症の関連性にピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、清益先生曰く、「煙草によって気道粘膜の炎症を起こし、花粉症が悪化する」可能性があるとのこと。そのため、花粉症の方は「喫煙」を控えるべきなのだそうです。

実は“食べたら危ないかもしれない”食べ物とは…?

続いて「食事」

実は、花粉症の方の症状改善を妨げる可能性のある、控えたい食べ物があるそうです(※)。

例えば、「スギ花粉症の方が食べてはいけない野菜としてトマトが挙げられる」と清益先生は言います。

(※)症状により個人差があるため、身近な医療機関でご相談することをお勧めします。

トマトを食べるべきではない理由

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写真:PIXTA

リコピンやベータカロテン、ビタミンなど、様々な栄養素を含んでいる「トマト」。影響度には個人差がありますが、「スギ花粉症」の方は食べない方がよいかもしれません。

清益先生曰く、「スギ花粉の成分と似たたんぱく質がトマトに含まれている」のだそう。摂取することにより、口腔アレルギー症候群の症状が起きる可能性があります。

もし「スギ花粉症」患者の方の中で「トマト」を好んで食べている方がいたら、少し気にしてみると良いかもしれません。

トマト以外にも!花粉症の方は避けるべき食べ物

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写真:PIXTA

トマトのほかには「ラーメン、うどん、カレーライスなど」。どれも幅広い方に好まれ、専門店も数多くある食べ物と言えるでしょう。清益先生曰く、「熱い食材による鼻炎の原因は不明ですが、味覚性鼻炎と言われており、鼻水が分泌され、症状が悪化する可能性があります。花粉症すべてで起こるわけではないものの、注意が必要です」とのこと。花粉症の方が、これらのような「刺激性の熱い食べ物」を食べる際には注意が必要かもしれません。なお、「香辛料」も同様です。

ほかにも、「スナック菓子やファストフード」は控えるべきなのだそう。おやつや軽食につい食べてしまう方も多そうですが、「トランス脂肪酸によってアレルギーの発症や症状の悪化を起こしやすいと言われている」と清益先生。

また、春は歓送迎会シーズンのためお酒を飲む機会も増えますが、実は花粉症の方は少し控えた方がよいかもしれません。清益先生曰く、アルコールは「毛細血管を拡張させ、粘膜の浮腫を起こし、花粉症の症状を悪化させる可能性がある」のだとか。

避けるべきNG行動や控えるべき食べ物をしっかりチェックしよう

現在花粉症に悩んでいる方は、今回ご紹介したNG行動や控えたい食べ物を抑えたうえで病院での薬処方」や「根治のための治療といった対策方法を選択するのが適切かもしれません。悩むようであればかかりつけの専門医にご相談してみてくださいね。

もはや花粉症は、多くの現代人にとって無視して済ますことのできない“国民病”です。本記事の内容をしっかりと意識して日々の生活を送っていきましょう。


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監修:清益 功浩 先生
日本アレルギー学会認定専門医・指導医。京都大学医学部を卒業後、複数の医療センターを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。『ササッとわかる 「アトピーを正しく知って治す新常識』『咳事典 咳を科学する-その咳、大丈夫?危険!』など自著をはじめ、テレビやメディアなど数多くの媒体にて日々情報の発信を行なっている。

参考:環境省「花粉症環境保健 マニュアル 2022」

※記事内の画像はイメージです。