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「花粉症くらいガマン」→それ、楽観的すぎかも。医師が指摘!『放置NGのワケ』と『おすすめアイテム』

  • 2024.3.15
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写真:PIXTA(イメージ)

日本気象協会によると、2月中旬までに九州、関東、東北の一部で「スギ花粉」の飛散が始まりました。まさに3月のこの時期苦しんでいる方も多いことでしょう。

環境省のレポートによると、花粉症(スギ花粉症)の有病率は増加傾向にあり2019年時点では38.8%で、3人に1人以上がスギ花粉症に悩まされているのだそうです。

現在悩まされている方はもちろん、まだ発症していない方も、これから花粉症になる可能性があります。だからこそ、今のうちから正しい知識や対策などを身につけておくことが重要です。

そこで、本記事では気になる今年の花粉飛散量の状況、症状別の効果的な対策方法など花粉症で悩んでいる方が気になる疑問を日本アレルギー学会認定専門医である清益功浩先生に伺いました。

2024年の花粉の飛散量は?

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写真:PIXTA(イメージ)

まずは2024年の花粉の飛散量予測。昨年と比べて2024年はどうなのか、また例年比で見るといったいどうなのかはもっとも気になるところですよね。

清益先生によると、一般的に花粉の飛散は多い年と少ない年が交互にやって来るため、非常に多かった2023年と比べると今年は全国的に約60〜80%の地域が多く飛散量は少ない傾向になっているんだそうです。しかし、地域によっては昨年より多いところもあり、東北では昨年比180%と非常に多いのだそう。ただし例年比で見てみると全国的に飛散量は多く、東北と近畿で約160%、それ以外の地域では120~140%とやや多い状況なんだそうです。

花粉症を放っておくと思わぬ症状になることも…

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写真:PIXTA

花粉症の症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒み、涙目が挙げられます。

「それぐらいなら我慢できそう…」と、花粉症を発症していない方は思うでしょう。しかし、それはやや楽観的かもしれません

清益先生によると、「個人差はあるものの症状がひどい場合は、集中力がなくなったり、睡眠不足になったり、仕事や勉強に支障が出ることがありますとのこと。また、生活が乱れたり、睡眠不足の影響で自律神経が不調を起こせば、その結果として血圧の変化などが起きてしまうことも考えられるのだとか。

そのほかにも、“花粉症が引き起こす合併症の可能性”を指摘する清益先生。

たとえば「口腔アレルギー症候群」。スギ花粉ではトマトを食べると口がヒリヒリする症状にもなる可能性があるのだそう。その他にも「花粉によって皮膚炎を起こすことがありますし、黄砂の飛散時期と重なるために、花粉症の症状が悪化することも」(清益先生)といいます。

市販薬でも大丈夫?花粉症対策

このように、花粉症はけっして侮ってはいけないものです。そのため、症状に応じて適切な対策を取る必要があります。

なお、対処方法は症状を抑制する、根治を目指すなど、目的によって様々です。代表的なものでは、下記の4種類が挙げられます。

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花粉対策に効果的なおすすめグッズ

4種類の対策方法について、それぞれの内容やメリットを確認しました。

続いて、清益先生おすすめの“花粉症対策グッズ”を紹介します。

1.  花粉症対策メガネ

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出典:Zoffホームページ

花粉対策の基本は、目の中にある結膜に花粉を入れないこと。そして、目に見えないスギ花粉は日中に多く発散しています。
花粉の侵入をブロックするのはメガネで、普通のメガネでも目に入る花粉を約40%減少させ、防御カバーのついたメガネは約65%減少させると言われています。「Zoff PROTECT」など、顔にフィットするカバーのついたメガネではより目に入る花粉を減らせますので、お子様から大人まで取り入れやすい花粉対策になります。

2.  L-92乳酸菌

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出典:アサヒ飲料ホームページ

花粉症は本来無害なはずの花粉に免疫細胞が過剰反応してしまい起こる症状。「Th1細胞」「Th2細胞」「Treg細胞」などのバランスを整えてくれるという研究結果もある乳酸菌。アレルギー症状は乳酸菌にはアレルギーを抑える報告も。L-92(正式名称は「ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株」)は、アサヒグループ保有するアレルギー抑制効果が期待できる菌株で「守る働く乳酸菌W」、「アレルケア」などに含まれており、コンビニやスーパーで気軽に手に入ります。

3. べにふうき緑茶

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写真:PIXTA(イメージ)

もともとの起源は明治時代まで遡り、紅茶葉の茶葉だった「べにふうき」ですが、その後農林水産省の野菜・茶業試験場が育成。べにふうき緑茶のメチル化カテキンが、花粉症の症状に効果があったという報告があります。

4. 空気清浄機

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写真:PIXTA

花粉症を対策する上で効果的な方法の1つが「屋内の花粉を減らすこと」。その際「空気清浄機」はとても役に立つ存在です。花粉症だけでなく、感染症対策としても効果に期待できますよ。

様々な機種がありますが、とりたてて高価なものではなくても構いません。お好きな「空気清浄機」を設置してください。

5. 不織布マスク

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写真:PIXTA(イメージ)

感染症対策の一環としてマスクを着けていた方も多いと思いますが、花粉症を対策する上でもとても効果的です。装用することにより、吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1に減らしてくれる上、鼻の症状を軽くしてくれます。

なお、ポリウレタンやコットン、シルクなど…様々な素材のマスクが販売されていますが、「不織布マスク」を選ぶようにしてください。

今日からできる!花粉症対策を始めよう

春になるとニュースなどでしばしば耳にする花粉症ですが、症状によっては私生活や仕事にまで影響を及ぼしてしまう可能性もあります。今まで市販薬で対処していた方も、もしかしたら病院で診察してもらった方がよいかもしれません。

また、適切な対策方法を行うことにより、花粉症のリスクを減らせる可能性もあります。今回学んだことを参考に、ぜひ花粉症対策を始めてみてはいかがでしょうか?


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監修:清益 功浩 先生
日本アレルギー学会認定専門医・指導医。京都大学医学部を卒業後、複数の医療センターを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。『ササッとわかる 「アトピーを正しく知って治す新常識』『咳事典 咳を科学する-その咳、大丈夫?危険!』など自著をはじめ、テレビやメディアなど数多くの媒体にて日々情報の発信を行なっている。

参考:環境省「花粉症環境保健 マニュアル 2022」、アサヒグループホールディングス「乳酸菌を科学する!(「L-92乳酸菌」)」、「アレルギーを抑える「メチル化カテキン」

※記事内の画像はイメージです。