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『一日三食』→それ食べ過ぎかも。「頑張らない断食」をプロが紹介!

  • 2024.3.11
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写真:PIXTA(イメージ)

日本では「1日3食」の食習慣が根付いていて、多くの方が朝昼晩とご飯を食べていることでしょう。規則的に三食を摂ること自体は問題はないのですが「一汁三菜」のような和食中心の頃から離れ、食の選択肢が多様化した現代においては「摂取カロリー」に気を配る必要があります。

それは運動、つまり1日に消費するカロリーに対してカロリーを摂取しすぎている「栄養過多」の状態になっている人が多くなっているためです。

ハイカロリーな食べ物を好きなだけ食べてしまうと血液がドロドロになってしまい漢方の概念で「万病一元、血液の汚れから生ず」とある通り、ひいては生活習慣病を引き起こしてしまうリスクも生じてきます。

そこで注目されたのが、本記事でご紹介する「ファスティング(断食)」。2016年、大隅良典・東京工業大学栄誉教授がノーベル賞を受賞した「オートファジー」に関する研究から、16時間何も食べない時間を作ることで新陳代謝の活性化や老廃物を排出する「16時間断食」が話題となりました。

とはいえ、実際にやるとなると話は別。「断食」と聞くと身構えてしまう人も多いかもしれません…。

ところが!実は、驚くほど気軽に取り組めるものであるということがわかりました。

今回は東洋医学とファスティングの専門医であり、ファスティング施設のパイオニアである「ヒポクラティック・サナトリウム」を運営、『がんばらなくても2週間で-3kg 医者が教える奇跡の16時間断食』(宝島社)の著者でもあるイシハラクリニックの石原新菜先生に取材。ファスティングの基礎知識ややり方をご紹介していきます。

そもそもファスティングとは?

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写真:PIXTA

「ファスティング」とは、読んで字のごとく“一定期間食べ物を摂取しないこと”です。なお、「ファスティング」と「断食」は同義で、両者に明確な違いはありません。

ファスティング未経験の方にとっては「長時間食べられないなんて絶対無理…」と尻込みしてしまうかもしれません。

でも、ご安心を。ひと口に「ファスティング」といっても段階があり、基本は時間や期間、食べて良いものなどのルールを決めて実践します。

そして、その中でも初心者の方が特に実践しやすいのが「16時間ファスティング」なんです!

「16時間ファスティング」の基礎知識と期待できる効果

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写真:PIXTA

「コロナ禍でリモートワークが普及したことなどで、運動量が減っている方にとって、3食は摂りすぎと考えます」と石原先生は言います。

石原先生が提唱する「16時間ファスティング」とは、“1日の中で食べ物を食べない時間を16時間作ること”。つまり、1日24時間のうち食事をする時間を8時間にとどめ、残り16時間は食事をしないというものです。断食と聞くとハードルが上がって見えますが、この16時間ファスティングは“がんばらずにできる断食”として多くの方が実践しているものなのです。

期待できる効果

1. 血液が綺麗になる

前述のとおり、漢方の考え方には「万病一元 血液の汚れから生ず」というものがあります。それほどまでに、血液を綺麗に保つことは身体全体の健康に関わります。16時間ファスティングを行うことで、血液の余分な老廃物を排泄してくれるため血液の健全化に期待ができます。

2. 便秘の改善

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写真:PIXTA

「食べ物を食べないことで便秘が改善されるの?!」と半信半疑の方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、食べない時間を作るということは、消化器官を休める時間を作るということ。これによって、胃腸のはたらきが改善され、結果的に排泄にも良い影響を与えることに期待ができます。

3. 免疫機能の改善

免疫機能は自律神経と関わり合っています。睡眠時やリラックスしている時にはたらく副交感神経は、消化器官が休まずはたらいている時には正常に機能しません。胃腸を休めると睡眠の質が向上し、免疫機能改善にも期待できます。

4. 肌質の改善

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写真:PIXTA

実は、皮膚は排泄器官とも考えることができます。便通が悪いと老廃物が溜まり、皮膚から捨てようとする動きが行われてしまうんです。これにより、いわゆるニキビや吹き出物として出てきてしまいます。2でご紹介した「便秘の改善」で、肌質アップまで期待できるなんてうれしいですよね。

「16時間ファスティング」のやり方

16時間食べない時間を作るのであれば、夜を抜くか朝を抜くのがベストです。朝を抜く場合なら、12時〜20時の間であれば何を食べてもOK!それ以外の制約はほとんどありません。

朝食抜きファスティングの場合

  1. 朝を飲み物(野菜ジュースや生姜を入れたストレートティー等)に置き換える
  2. 夜ご飯を20時に食べ終わる(お酒もOK)
  3. お腹が空いて我慢できない時はちょっと糖分を補う(黒糖やチョコレートがおすすめ)

上記の3つのルールを守るだけで、「16時間ファスティング」は実践できるんですよ!

もし「もう少し頑張れそう…」という方は、下記の3つに取り組んでみると、より効果が期待できますよ。

  1. 一日一食に
  2. 週末だけ断食
  3. 朝昼晩を野菜ジュースに

とはいっても、一番NGなのは続かないこと。そのため、無理のない範囲で行うことが大切です。

本格的なファスティング、やっちゃいけないのはどんな人?!

「ファスティング」は、肥満気味の人や生活習慣病に悩む人、肌荒れや便秘がある人には非常に高い効果が期待できます。いっぽうで、本格的に行うファスティングはNGな人もいるので注意してください!

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写真:PIXTA
  • 子ども
  • 妊娠中の女性
  • 貧血気味の方
  • 既往症のある方
  • 70代以上の高齢者

ファスティングは今、どんな人がやってる?

石原先生らが運営するファスティング施設では、なんと40年も前からやっているのだそう!昔こそ“意識の高い人”が多かったと言いますが、現在ではラフに楽しむためにカップルや夫婦、友人同士など老若男女が実践しているんだそう。

今回ご紹介した「16時間ファスティング」を詳しく知ったことにより、きっと「ファスティング」に対するイメージも変わったはず。「興味はあったけれど、実践する決心がつかなくて…」という方も、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?


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監修:イシハラクリニック 副院長 石原新菜先生

2006年3月帝京大学医学部卒。同大学病院で2年間の研修医を経て、父・石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない 蒸しショウガ健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等70冊を数える。監修した書籍を含めると100冊を超え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。

※記事内の画像はイメージです。