1. トップ
  2. おでかけ
  3. 注目の『マティス 自由なフォルム』! 見るべきポイント10。

注目の『マティス 自由なフォルム』! 見るべきポイント10。

  • 2024.2.21

ヴァンスのロザリオ礼拝堂(内部空間の再現)

20世紀フランスを代表する芸術家、アンリ・マティス(1869〜1954年)。後半生を過ごしたニースにあるマティス美術館の所蔵作品の中でも、切り紙絵に焦点を当てた展覧会が始まった。切り紙絵のほかにも絵画、彫刻、版画などの作品と資料、約150点公開される。今回はマティス展の「見るべきポイント10」をご紹介!

Point1. 初期作品からフォーヴィスムへ。若きマティスが描いた知られざる絵画。

アンリ・マティス『ダフィッツゾーン・デ・ヘームの「食卓」に基づく静物』1893年ニース市マティス美術館 © Succession H. Matisse

展覧会はマティスの初期の絵画からスタート。まず注目してほしいのが、若きマティスがルーヴル美術館で巨匠たちの作品を模写したこちら。イメージする大胆な色彩表現とは全く異なった重厚なタッチや色遣いに「本当にマティス?」と目を疑ってしまうほどだが、その後滞在した南フランスで描いた絵はどこかフォーヴィスム(野獣派)が感じ取れるように。意外な初期作品に注目して。

Point2. 絵画と彫刻の両方を並行して制作! デフォルメされた造形。

右:アンリ・マティス『ジャネットⅢ』1911年(鋳造、1969年)左:アンリ・マティス『ジャネットⅤ』1913年(鋳造、1965年)ともにオルセー美術館(寄託:ニース市マティス美術館) © Succession H. Matisse

夜学で彫刻を学んでいたマティスは、同じモデルの姿を絵画と彫刻の両方で制作した。5点ある「ジャネット」シリーズのほか、彫刻の連作も残している。『ジャネットⅤ』は髪がない上に額と鼻が極端に大きく、現実のモデルから大きく離れた姿が興味をそそる。こうしたデフォルメされた造形はマティス彫刻ならではのポイントだ。

Point3. アトリエを転々としたマティス。「ヴァンス室内画」の優品も公開!

アンリ・マティス『ザクロのある静物』1947年ニース市マティス美術館 © Succession H. Matisse

1917年のニース滞在をきっかけにアトリエを転々としていたマティスは、花瓶や家具調度を飾っては絵画のモチーフにしていたそう。そんなマティスの代表的な「ヴァンス室内画」シリーズも公開されている。アトリエで制作した絵画とコレクションしていたオブジェとを見比べてみるのもおもしろい。

Point4. 舞台装置から大型装飾まで。「ナイチンゲールの歌」の衣装も一堂に。

バレエ・リュスを起源に持つモンテカルロ・バレエ団が、1999年に「ナイチンゲールの歌」を演じた際に再制作された衣装。 © Succession H. Matisse

初期の頃から装飾芸術に関心を寄せていたマティスは、バレエ・リュスからの依頼で「ナイチンゲールの歌」の舞台装置と衣装を制作したことも。会場では再制作された衣装が公開中! ほかにも、実業家のアルバート・C・バーンズから依頼された壁画『ダンス』もマティスが熱心に取り組んだ作品として知られている。彼が生み出した舞台装置や壁画も見逃せない!

Point5. 70代に入ってから制作した切り紙絵。代表作『ジャズ』における装飾的な世界。

アンリ・マティス『ジャズ』(1947年刊行)© Succession H. Matisse

長年「デッサンと色彩との葛藤」について悩んでいたマティス。それを解決する手法の到達点のひとつが「切り紙絵」だった。本格的に制作し始めたのは1940年代、70歳を迎えてからのことで、切り紙絵を用いた挿絵を美術文芸雑誌『ヴェルヴ』をはじめ、あらゆる雑誌に提供していくようになった。初期の切り紙絵作品『ジャズ』20点は必見だ。

Point6.「ブルー・ヌード」の切り紙絵で分かるマティスの確かな手業。

アンリ・マティス『ブルー・ヌードⅥ』1952年オルセー美術館(寄託:ニース市マティス美術館) © Succession H. Matisse

1952年に制作した切り紙絵による4点の連作「ブルー・ヌード」に注目したい。特に『ブルー・ヌードⅥ』は、青い切り紙が重なり合う部分が多く紙の存在感が強く残る。また女性の身体をデッサンした線の跡もたくさん見られ、念入りに構築した様子が見てとれる。図版ではわからないマティスの確かな手業を本物の作品から感じたい。

Point7. 日本初公開! 本展にあわせて大規模に修復された切り紙絵の超大作『花と果実』

右:アンリ・マティス『花と果実』1952〜1953年ニース市マティス美術館 © Succession H. Matisse

縦に4.1メートル、横に8.7メートルにもわたる切り紙絵の超大作『花と果実』がハイライトを飾る。4つの花びらと3つの果実がさまざまな色に反復した祝祭的ともいえる華やかな作品だ。元々はアメリカ人コレクターから中庭を飾る陶板絵の依頼を受けたマティスが構想を練る中で制作したもので、現在はマティス美術館のメインホールに展示されている。

Point8. 海藻類のフォルムから着想! カズラ(上祭服)のデザインに見る卓越したセンス。

カズラ(上祭服)のためのマケット展示風景 © Succession H. Matisse

最晩年、熱心に取り組んだのは南仏ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂の建設プロジェクトだった。礼拝堂の室内装飾から典礼用の調度品、さらには典礼のさまざまな祭服のデザインを担うなど総合芸術作品として練り上げていった。カズラと呼ばれる上祭服は、海藻類のフォルムを着想源にゆったりとした近代的フォルムにデザイン。平面表現だけにとどまらない、マティスの多岐にわたる才能を感じ取って。

Point9. 原寸大で再現! ロザリオ礼拝堂の内部空間。

ヴァンスのロザリオ礼拝堂(内部空間の再現)

ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂の内部空間を原寸大にて再現したコーナー。生命の木をモチーフに青、黄、緑色の3色を用いたステンドグラスや十字架の道行、聖ドミニクス、聖母子の描かれた陶板壁画に囲まれた空間はまるでロザリオ礼拝堂を訪ねたかのよう! 1日の間で変化する光を3分間に圧縮して壁や床に投影することで、ステンドグラスから透過する光と色彩の移ろいを全身で体感することができる。

Point10. モレスキンとのコラボも! 見逃せないミュージアムショップ。

『マティス自由なフォルム』のミュージアムショップから。『陶の習作』マグカップや角皿など。

オリジナルグッズが販売された特設ショップにも立ち寄りたい。マティスのデザインはいつ見ても古びることなく、Tシャツやマグカップにもぴったり! モレスキンとコラボしたノートブックも展覧会限定のデザインだ。ここでしか手に入らないお気に入りのグッズを選んで、マティス展の思い出を自宅に持ち帰って。

『マティス自由なフォルム』会期:開催中~2024 5/27(月)会場:国立新美術館 企画展示室2E東京都港区六本木7-22-2tel:050-5541-8600(ハローダイヤル)開)10:00~17:30最終入場※金・土は19:30最終入場休)火(4/30は開館)料)一般 ¥2,200https://matisse2024.jp

元記事で読む
の記事をもっとみる