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特別支援学級に入れるべきか、悩んでいます

  • 2024.2.23

年長の娘が小学校に入学します。指示を忘れたり話を聴くのが難しいようです。特別支援学級のメリットとデメリットを教えてください。

年長の娘は、指示されたことを忘れてしまったり、話を聞くときにボーっとしているときがあるとのことで、発達検査を受けました。発達障害の診断は出ませんでしたが、聴覚からの情報処理が苦手なようです。

字の読み書きも問題ないのですが、授業を「聞いて」学ぶのは難しいと思うので、入学後は特別支援学級を検討しています。特別支援学級でも教科書の内容を学べるのですか?少人数で教えてもらえるなら、むしろありがたいと思うのですが、特別支援学級のデメリットは「少数派である」ということ以外に、どんなことがありますか?(2つつ2)

特別支援学級って、どんなところ?

出典:あんふぁんWeb

特別支援学級とは、障害のある児童・生徒が、学習上または生活上の困難を克服するために設置されている少人数の学級のことで、小学校・中学校に設置されています。

一番気になるのが教育内容ですが、自立活動や各教科などを合わせた指導など、障害による学習や生活の困難さを克服するための特別な指導を、児童・生徒のニーズや実態に応じて行うことが中心となります。

そうは言っても、公立学校ですから、「小学校学習指導要領」に基づいて行われる教育が基本となるのですが、「特別の教育課程」を編成することができるようになっています。学校教育法施行規則第138条で、次のように規定されています。

【特別支援学級】

小・中学校の教育課程を基本としながら特別な教育課程を編成することができる。

・自立活動を取り入れる。

・必要に応じて、下の学年の各教科の目標や内容に代替することが可能

・必要に応じて、知的障害特別支援学校の各教科で代替することが可能

(知的障害のある生徒のみ)

そして、同じ障害であっても、様々な学年の児童・生徒が同学級に在籍していることを考え、生徒一人ひとりに個別の指導計画を作成するようになっています。また、特別支援学級の種類としては、(1)弱視 (2)難聴 (3)知的障害 (4)肢体不自由 (5)病弱・身体虚弱 (6)言語障害 (7)自閉症・情緒障害 の7種類になります。

また、誤解されている方も多いと思いますので言っておきますが、特別支援学級から通常学級への転学は可能ですし、その逆も可能です。一度、特別支援学級に入ったから、ずっとそこになくてはならないということはありませんし、通常学級に入ったから、ずっとそこにいなくはならないこともありません。

大切なポイントは、子どもの学びを保障するには、どのような場がいいのか?ということなのです。

特別支援学級に入る基準

今、特別支援学級や通級(先生がその子どもの学校に来て教えてくれる)などは、定員を超過していることが多いと思われます。

文部科学省の調査によると、小学校において「支援が必要な子ども」は10.4%になることが、教員への調査から報告されました。ここからも分かる通り、支援が必要だと思われる児童・生徒があまりにも多すぎて、特別支援学級や通級、特別支援学校等に入れないという状況が生まれているのです。

特に、ニーズの高い特別支援学級は東京に限っていうと、ほとんどが定員いっぱいで、これ以上受け入れられないという状況になってきています。そこで、相談者さんのお子さんの場合ですが、「情緒障害ではなく学習するのに困難さがある」といった状況だと入るのが難しいかもしれません。

東京都では、IQ76~84の境界知能の子には、療育手帳(愛の手帳)を取得できない場合が多いようです。目安として、IQが80程度を下回る場合には特別支援学級に入れる可能性は高まりますが、IQが80を越えると特別支援学級に入れるかどうかは、微妙になってきます。もちろん、この基準は自治体ごとに違いますので、入学前に相談してみるといいかと思います。

聴覚からの理解が遅い場合には、通常学級で学べるかどうかを小学校の先生やや特別支援学級の先生に相談してみると良いかと思います。

特別支援学級に入るメリットは、その子に合わせたペースで学習を進めてくれることです、デメリットとしては、そのような「大人がやってくれる・考えてくれる」という世界にずっといることで、自分から進んで何かやってみようという意欲が薄くなる場合があることです。

こうして紹介した情報をもとに、我が子にとって一番良い環境は何かを考えていただければ良いかと思います。

出典:あんふぁんWeb
出典:あんふぁんWeb

増田修治先生

出典:あんふぁんWeb

白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。

1980年、埼玉大学教育学部を卒業後、埼玉県の小学校教諭として28年間勤務。

若手の小学校教諭を集めた「教育実践研究会」の実施や、小学校教諭を対象とした研修の講師なども務めている。

「笑う子育て実例集」(カンゼン)、「『ホンネ』が響き合う教室」(ミネルヴァ書房)など、著書多数。

【近著】

「子どものココロが見えるユーモア詩の世界 -親・保育者・教師のための子ども理解ガイド-」(ぎょうせい、1980円)発売中。

出典:あんふぁんWeb
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