1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 子どもがすねているとき、落ち込んでいるとき、どう声かけする?参考にしたい3つの関わり方

子どもがすねているとき、落ち込んでいるとき、どう声かけする?参考にしたい3つの関わり方

  • 2024.2.25

子どもがすねたり、落ち込んだりしているとき、どう声かけしていますか?何か言葉をかけてあげたいけれど、どうしたらいいかわからないことってありますよね。今回は「子どもがすねているとき、落ち込んでいるときの声かけ」について、大阪教育大学教授で大阪教育大学附属天王寺小学校長の小崎恭弘さんに教えてもらいました。

出典:あんふぁんWeb

子どもの頃の経験や思いが、親としての自分のベースに

「子を持って初めて知る親の恩」という、慣用句があります。この言葉なかなか奥深いモノだと思いませんか?自分自身も親になって初めて感じること、わかることなどたくさんありますね。自分が思春期の頃は、親の言うことがやかましく感じたり、時には鬱陶しく思い、言い返したりしていました。それが今、自分が親となって初めて気づく思いがあったり、当時の親のありがたさを感じたりして、若い時の自分を恥ずかしく思ったりします。

そう思うと子育ては、人生に2回経験するモノなのです。一度目は、自分が子どもであった時。そして2回目はまさにみなさんが今感じている、自分が親になった時です。一度目の色々な経験や思いがベースとなって、親としての自分があるのだと思います。ですからまずは、その昔自分がすねていたり、落ち込んでいたりした時に、まわりの親や大人にどのように関わって欲しかったかを少し思い出してみましょう。もちろん、その理由や状況、年齢、個人の性格や親との関係性などによっても違うので、決して同じではないのですが。それでもやはりその時の関わり方の参考になると思います。

参考にしてほしい「3つ」の関わり方

絶対的な正解はありませんが、自分の経験をベースにしつつ参考にしてほしい関わり方としては、大きく3つのパターンがあります。「1.共感2.激励3.待つ」です。それぞれに少し考えてみましょう。

1.共感

「わかるよーイヤだったよねー」「悲しい気持ちになるよね。パパもそんなことあったよー」

子どもの気持ちに寄り添う姿勢と言葉がけです。相手の気持ちをわかろうとする姿勢が大切です。もちろん子どもといえども、100%相手の気持ちなどはわかりません。だからこそ「あなたの気持ちや思いを知りたいと思っているよ」というメッセージが必要なのだと思います。子どもの気持ちが頑なな場合は、すぐには共感ができません。普段から子どもに寄り添い、安心して話せる関係性も大切になります。

2.激励

「だいじょうぶ!きっと次はうまくいくから」「イヤな気持ちを吹き飛ばして!がんばろう」

マイナスの気持ちや姿勢をプラスにしようとする、ポジティブなメッセージです。子どもの落ち込んでいる気持ちを受け止めながら、前に進んでいこうとする姿勢です。ただし子どもの気持ちが前に向けないタイミングでは、少し齟齬が生まれてしまいます。使うタイミングを見計らって声がけするようにしましょう。

3.待つ

「今はどんな気持ち?」「パパも一緒にいてもいい?」

肯定も否定もしない極めてフラットな関わり方です。良い悪いなどの価値を含まず、子どもの今の気持ちやそのままの姿勢を受け止める関わり方です。子ども自身が気持ちのコントロールができなかったり、また悲しさの中にいる時に、その思いを認めながら共に感じる姿勢です。子どもに寄り添う形なので、子どもの気持ちの持ち方次第では、時間がかかったりします。

子どもが落ち込んでいる理由などにより、対応は変化していきますが、親としていくつかのパターンを理解して、その状況により使い分けや選択ができれば良いですね。“関わり方のレパートリーを増やしていく”というイメージを持つと良いと思います。

こんな関わり方はNG!2パターン

そして反対に、子どもが落ち込んでいる時のNGな関わり方は以下の二つです。

1.叱る

「いつまですねてるんだー。いい加減にしなさい」「そんな落ち込んでいても仕方がないでしょ。あきらめなさい」

子どもの特性の一つは、気持ちの成長が未成熟で、自分でうまくコントロールできないところです。大人でも難しい時はありますよね。まずは色々な感情を感じたりして、その経験を重ねながら自分の気持ちとの折り合いをつけていくことが、心の成長です。その機会を奪わないで欲しいです。

2.自分の経験の押し付け

「パパはそんな時クヨクヨしないから」「落ち込んだ時は、走ったら忘れるよ」

もちろんすねている子どもを前にした場合は、いろいろと言いたくなる気持ちはわかります。パパやママ自身もそんな経験があり、それらをなんとか乗り越えてきたでしょう。だからといって子どもが全く同じことができるかは、また別の問題です。子どもは子どもなりの思いや育ちが親とは別にあります。それらを無視する形での提案は、時として子どもには“しんどい”ことになります。アドバイスと強制的な関わりは、分けて考えましょう。

子どもの小さな思いを大切にした関わり方を

NGの二つに共通するのは、子どもの思いを無視した関わり方です。子どもは子どもなりに自分の人生を精一杯生きています。もちろんパパから見れば、未熟で稚拙でうまくいかないものです。でもだからいいんですよ、子どもって。子どもの小さな思いを大切してあげるのが、関わり方の基本です。まずはそのことを意識して、すねたり悲しんでいる気持ちを受け止めてあげてくださいね。

教えてくれたのは

出典:あんふぁんWeb

小崎恭弘さん

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

▶http://kasei.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/teachers/5.html

元記事で読む
の記事をもっとみる