【思考をキレイにする旅の仕方（９）】「いい加減」が、しなやかさを作る。

だらしないという意味の「いい加減」ではありません。「いい湯だなぁ」を使うときの「いい」に近い、「よい加減」という意味の方です。

旅先で、時間も行く場所も、食べる物まで全て決めておかないと気が済まない方がいらっしゃいます。もちろん、旅の準備を万全にしておくことは心強いことですが、旅はなかなか思い通りにいかないものです。それが、また楽しくもあり、人生の栄養素になるところでもあります。

スケジュール通りにこなさないと気が済まないような方は、思い通り進まないと不機嫌になり、「この街は最悪だ」、「この国は最悪だ」などと短絡的な評価をくだしてしまいがちです。そうなると旅の楽しさどころの話ではありません。

もちろんスケジュールを立てることにたいしては何もいいませんし、その方が旅の充実度は増しますが、行ったら、出たところ勝負くらいの気持ちで構え、

「あれあれ、そうきましたか…」

くらいに思えるのがいい。

実は、それが、「しなやかさ」を作ることになるのです。

世界は自分を中心には周っていませんから。やなぎのような「しなやかさ」を持つ人は、一見、頼りなく見えますが、実は一番、強かったりします。