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アパレル店員さん「自爆営業」しているって本当?売上ノルマ達成できず自腹で…

  • 2024.2.19
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洋服店のイメージ
洋服店のイメージ

華やかなイメージのあるアパレル業界ですが、アパレル店員が「自爆営業」をしているなどの暗いうわさが聞かれることもしばしばです。元アパレル販売員が、業界の実態と社販制度の仕組みや割引率について解説します。

1.アパレル店には当然「売り上げ目標」がある

アパレル店には売上目標があります。かつては個人の売上ノルマを設けている店もあったようですが、ここ10年ほどでかなり減った印象です。

強いているなら、アパレル店の月予算をスタッフの人数で割ったものが、個人の売上ノルマのようなものと言えるでしょう。フルタイムで出勤しているスタッフは、その数字を意識して売り場に立っている人が多いです。

アパレル店の中には、一定期間の個人売上額が算出され発表されるところもあります。

ある百貨店では、数カ月に一度、フロアごとに個人売上が発表され、張り出されていました。表彰などは特にありませんが、たくさんの販売員に成績が知られて鼻が高くいられモチベーションにつながるため、個人売上を意識している人は多くいました。

先輩の成績を後輩が抜かすことも珍しくなく、人間関係がギクシャクしてしまう原因になり得るケースもあります。

お店である以上売上予算を意識するのは当然ですが、ノルマや個人売上はアパレル業界の人間関係が悪いイメージを作る要因になっていると言えるかもしれません。

月予算を達成しなければ何かあるというわけではありませんが、接客販売という正解のない仕事でいつも試行錯誤しているため、唯一アパレル店員の仕事を数字で評価する売上額を意識するのは当然のことです。

2.ほとんどのアパレル店には「社販制度」がある

洋服店のイメージ
洋服店のイメージ

アパレル店員は、売り場で接客販売をするに当たって自社ブランドの製品を身に着けることがほぼ義務のようになっています。コーディネートのメインとなるトップスとボトムスのみ自社ブランドのものでOKという店もあれば、靴や帽子、アクセサリーなどのファッション雑貨も自社製品でなければいけないという厳しいルールがある店もあります。

これらは社販制度を使って自分で購入するケースがほとんど。会社やブランドによって社販の割引率は異なりますが、店頭の価格から3~5割引が一般的な割引率です。

超ホワイトなアパレル企業での例を挙げると、半期に6万円までは補助が出るため、毎月1万円程度は実質無料で服が用意できるようになっていました。ただこれはかなり珍しいケースです。

社販のシステムは大きく二つで、給料から天引きされるか、もしくは店頭で購入するか。社販の割引率を反映させて店頭で購入する場合は、社販をするタイミングに気を遣わなければいけない雰囲気がありました。

社販したい服があってもすぐには購入せず、バックヤードの端に寄せておきます。月末でギリギリ予算を達成するかどうかのタイミングで購入したり、「今日の売上はさすがに少なすぎる、ヤバい……」となった日にまとめて社販したりするなど、社販できるタイミングはとにかく店の売上と雰囲気次第でした。

売上が厳しい日には「社販したいスタッフはいない?」と社販を促すようなことを先輩スタッフが言う職場もあったと、他社での経験があった同僚から聞いたこともありました。

3.“自爆営業”と思われる実態は本当にあった

“自爆営業”のイメージ
“自爆営業”のイメージ

月の最終日、ギリギリ月の売上予算に届くか届かないかというタイミングでは、責任感の強い店長や副店長が積極的に社販をしているのを見掛けたことがあります。

子ども服の店では「5人それぞれへの出産祝いをまとめて買う」「タイミングとしてはかなり早いけど、親戚の子どものクリスマスプレゼントを買う」など、何とか予算に届くように理由を付けて子ども服を購入するスタッフがいました。

自爆営業とまでは言えませんが、店のためにそこまで尽くす姿に驚きました。

レディースのアパレルショップでは、販売員として売り場で着る服を選ぶのではなく、普段使いする服も自社のアパレル店で買って少しでも売上に貢献しようとする人もいました。

社販で買えるとお得なこと、もしものときは売り場で制服としても着られることを考えると、無駄な買い物ではないかもしれません。

あくまでも暗黙の了解で社販をするタイミングが決まっていたり、月予算ギリギリのときに積極的に社販をする雰囲気があったりしたのは事実です。

会社や上司から自爆営業をすすめられたことはなく、責任感や帰属意識が高い人がついやってしまう行動といえるでしょう。

(ゆき)

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