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「ティファニーで朝食を」の舞台となった、美しきティファニー本店へ。

  • 2024.2.17
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歴史と物語が詰まった老舗ジュエラーの本店を訪れて!インテリアの意匠、本店でしか見られない美術品レベルのアーカイブ、メゾンを愛し訪れたセレブリティや文化人の残り香など、甘美な世界を堪能できる。

Tiffany & Co.

映画『ティファニーで朝食を』冒頭、オードリー・ヘップバーンがクロワッサンをかじるシーンであまりにも有名なティファニーのニューヨーク五番街本店。今年、4年がかりの全面改装工事を終えて、新たな「ランドマーク」として遂にリニューアルオープンした。外観は映画が撮影された1960年代の面影を残しつつ、回転ドアを通って中に足を踏み入れると雰囲気は一変。窓の形のビデオスクリーンにニューヨークの景観が映し出され、天井から明るい光が降り注ぐ。そして正面の奥には、ジャン=ミシェル・バスキアの絵画『Equals Pi,』が。そう、ジュエリーはもちろん魅力的だけれど、この店はそれだけに終わらない。最先端の現代アートが店内のいたるところに飾られて、訪れる人々を迎えてくれるのだ。

柱がなく広々とした1階メインフロア。建物が作られた1940年代、この大空間は驚異的と讃えられた。寄木細工のフローリングはその当時のオリジナルデザインをいまも踏襲しているという。正面奥に掲げられているのがバスキアの作品。伝説的な128.54カラットの「ティファニー ダイヤモンド」もこのフロアで展示されている。

アートの見どころを数え上げればきりがない。すでにティファニーと何度もコラボレーションしている著名アーティスト、ダニエル・アーシャムの大きなブロンズ像や、ジュリアン・シュナーベルの絵画、アニッシュ・カプーアのオブジェなど、40点以上が続々。なかにはティファニーが作家にオーダーして新たに制作してもらった作品もあるという。プライベートルームはダミアン・ハーストやヴィック・ムニーズの作品を壁紙にしていて、息をのむほど華やか。そもそも1階の明るい照明も著名建築家ヒュー・ダットンによる光のアートインスタレーションなのだ。

ダミアン・ハーストの『アップルブロッサム』を壁紙にしたプライベートルームは、豪華ながらも寛げる雰囲気。

映画監督であり画家としても活躍するジュリアン・シュナーベルの絵画。手前のテーブルと椅子も彼の作品だ。

芸術家となった創業者の息子、ルイス・コンフォート・ティファニーによる「メデューサ」ペンダント。20世紀初頭にデザインされたもので、クラゲがモチーフになっている。

さらにぜひ訪れてみたいのが、あのブルーボックスカフェ・バイ・ダニエル・ブリュー。ミシュランの星付きレストランのシェフが、季節に合わせたデイタイムのメニュー(もちろん朝食も!)をプロデュース。手の込んだスイーツが並ぶアフタヌーンティーは、幸福感いっぱいになれること間違いなしだ。また『ティファニーで朝食を』にオマージュを捧げた没入型インスタレーションも人気の高いスポットで、オードリーが着用したアイコニックなリトルブラックドレスのレプリカや、彼女自身の書き込みがある映画の台本が飾られており、ファンにとってはこたえられない。

『ティファニーで朝食を』のシーンが次々に浮かび上がる没入型インスタレーション。貴重なドレスやコスチュームジュエリー、台本の展示も。

ブルーボックスカフェ・バイ・ダニエル・ブリューは事前予約がおすすめ。バーや個室ダイニングも併設し、ゆったりした時間が過ごせる。

とはいえ、やはりメインのお楽しみはショッピング。最新ジュエリーコレクションからホームコレクション、エルサ・ペレッティとパロマ・ピカソというふたりのデザイナーをフィーチャーした特別なスペース、そして伝説的デザイナー、ジャン・シュランバージェのハイジュエリーまでが展示され、1階にはオードリーやレディ・ガガも身に着けた名品「ティファニー ダイヤモンド」ネックレスも。ティファニーのすべてに出会うことができるのが「ランドマーク」の魅力なのだ。1940年にオープンして以来、この店は数えきれないほどの特別な瞬間をドラマティックに演出し、現在もエントランスの回転扉はたくさんの顧客たちの訪れでくるくると回り続けている。

3階で待ち受けるダニエル・アーシャムの作品。ルーヴル美術館の『アルルのヴィーナス』を模刻してブロンズを腐食させたものだそう。

エルサ・ペレッティの官能的で有機的なフォルムをイメージした螺旋階段はペレッティの名作を思い起こさせる。

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727 Fifth Avenue, New York, NY 10022, United Statestel:1-212-755-8000営)10:00〜20:00(月〜土) 11:00〜19:00(日)不定休www.tiffany.co.jp

*「フィガロジャポン」2024年1月号より抜粋

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