元店員が明かす「スーパー」の内情
急いで買い物を済ませたいときに限って、スーパーのレジには行列が……。なるべく早く会計を終わらせるには、どう行動すればいいのでしょうか。元スーパー店員でレジ指導などの経験がある筆者が、内部事情を明かします。
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最近は、金銭のやり取りを自動釣り銭機で行うスーパーが増えてきました。この場合、レジの待ち時間を左右するのは、レジ係のスタッフが各商品のバーコードをスキャンするのにどれくらい時間が掛かるか、です。
いくら接客が丁寧でも、素早く買い物を終わらせたいときに待ち時間が長いとイライラすることもあるでしょう。
筆者は4年ほどレジ係として勤めていた経歴があり、準社員やパートのスキャン訓練(指導)も行ってきたため、さまざまなタイプのレジ係を見てきました。
こうした経験から、今でもスーパーでレジに並ぶときはスムーズに終われそうなレジを常にチェックしています。今回は、レジをスムーズに終わらせるコツについて、関係者しか知らないであろう豆知識を紹介します。
1.レジの列の人数よりも気に掛けるべきこと
レジが混雑しているときは、前に並ぶ人のカゴをチェックします。カゴの中の商品が少ない方が、当然ながらレジが早く終わります。
カゴいっぱいに商品が入っている場合は、スキャンするのに時間が掛かるので避けた方が無難です。カゴを複数個持っている場合も、注意しましょう。
レジでの待ち時間は、スキャンする商品の数によって変わります。例えば、カゴ満杯に商品が入っている客一人と、カゴの中身が明らかに少ない人や手で持てる範囲の量しかない客二人では、後者の方がレジが早く終わる傾向です。
並んでいる人数よりも商品の量をチェックした方が、スムーズにレジを済ませられると言えるでしょう。
2.レジ係の行動をチェックすれば待ち時間が変わる
次は、レジ係の動きをチェックしましょう。スムーズにスキャニングできる人は、無駄な動きが少ないのがポイントです。体幹はどっしりとして動かず、腕と手だけが動いているイメージです。
バタバタと慌てている雰囲気のレジ係は、気持ちだけが焦って手があまり早くないタイプです。1回でスキャニングできなかったり、二度打ち(一つの商品を誤って2回スキャンすること)といったミスをしたりすることも多い傾向です。
すると当然レジの時間が掛かります。一つ二つの商品数ならそれほど時間の差は出ませんが、商品の数が多くなればなるほどミスの回数が増えて、さらには二度打ちなどのミスをすると一度登録した商品を削除するという作業も発生するため、余計に時間が掛かる原因になります。
なお、レジの打ちミスに気付かないまま会計し、レシートを見た利用客がミスに気付くというケースもあります。以前の職場でも、1件もミスがない日は“多いとは言えない”状況でした。
会計後の返金は、レジではなくサービスカウンターで行うのが一般的です。筆者はわざわざサービスカウンターに行く手間を避けたいので、会計前にミスに気付けるよう、客側に向けて表示されるディスプレーもチェックするようにしています。
他にも、カゴの中をガサガサとかき回すようにしながら商品を選ぶスタッフも避けた方が良いでしょう。レジの時間が掛かるのはもちろんですが、客が購入する商品に必要以上に触れることになるので、筆者が勤めていたスーパーではしてはいけない行為の一つとされていました。
いつも同じ店舗へ行くのであれば、普段からスムーズにレジができるスタッフをチェックしておけば混雑時も待ち時間が少なくなります。スムーズにレジを進める人はスキャン後のカゴへの入れ方もきれいなので、この点もチェックしてみるのがおすすめです。
3.盲点?すいているレジ・混んでいるレジが発生する理由
スーパーは店内の売り場をぐるっと一回りすることを想定して配置されています。そのため、出口側のレジに客が多く集まる傾向があります。
実際に、出口に近いレジは何人も並んでいるのに入り口側のレジは誰も並んでいないということは間々あります。勤めていたときもそうですが、今も、客として買い物をしているとそういう場面に遭遇します。
「人が並んでいるからその後ろに並ぶ」という気持ちも関係しているのかもしれません。早くレジを済ませたい場合は、奥(入口側)のレジが空いていないかチェックするのがおすすめです。
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接客業であること、また専用の機器を使用していることからイレギュラーなトラブルはどうしても避けられませんが、普段からレジをチェックしておくことで時短につなげることはある程度可能です。
(かんな)