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【六本木】「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」(同時開催 「受贈記念 伊万里・染付大皿の美)@泉屋博古館東京

  • 2024.2.16
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六本木の泉屋博古館東京では「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美 」と「受贈記念 伊万里・染付大皿の美」が2月25日(日)まで開催されています。

出典:リビング東京Web

漆器、陶磁器がお好きな方には見応えのある展覧会です。

出典:リビング東京Web

館内ロビー風景

くらしのなかの漆芸美

最初の展示室では、江戸時代から続く大阪の商家・住友家によって蒐集され、実際に用いられた場面ごとに漆芸品が展示されています。住友家のハレの日の宴を彩った漆芸の食器・酒器が数多く展示されています。 ※主催者側の許可を得て撮影しています。

出典:リビング東京Web

展示風景

実際に住友家で使用されていた漆器は保存状態も良好で、漆独特の艶やかさを見ていると当時の住友家の豪華絢爛な宴の様子が目に浮かびそうです。

出典:リビング東京Web

展示風景

茶道や香道、能楽といった伝統文化のなかで用いられた漆芸品が泉屋博古館に数多く伝わるのは、住友家十五代当主の住友吉左衞門(号:春翠)〔1864~1926〕の存在が大きく、住友春翠は自身の茶会のために漆芸品を収集していたそうです。

出典:リビング東京Web

《青貝芦葉達磨香合》《朱塗菱形十字花弁盆》ともに中国・明時代16世紀 泉屋博古館東京

住友春翠は親しい友と日常的に茶を喫していた様子が記録から垣間見えるとの事です。

出典:リビング東京Web

展示風景

また、住友春翠は能に造詣が深く、生涯にわたって稽古に励んでいたそうです。こちらの漆の会席膳は能の謡曲の要素を取り入れた作品です。一枚ずつ謡曲の作品毎にモチーフを変えて作られているそうです。

出典:リビング東京Web

展示風景

謡曲の作品解説がありますので、解説を参考にしながら各々の会席膳の鑑賞をするのも見どころのひとつかと思います。

出典:リビング東京Web

漆芸の技法―彫漆・螺鈿・蒔絵

漆はウルシの木に傷をつけた時、そこから分泌・浸出する樹液で天然樹脂塗料および接着剤という特性を活かし、漆器や工芸品が作られていきました。

出典:リビング東京Web

展示風景

一度固まると頑丈な塗膜をつくる漆は、刀による彫刻を可能としました〔彫漆〕。また、塗ってから固まるまで時間を要するという性質も重要でした。漆が硬化するまでの時間が、貝殻をつけたり〔螺鈿〕、金銀粉を蒔いたり〔蒔絵〕する余地になり、多彩な技法が編み出されます。艶やかで美しい漆の塗り肌も漆工芸の魅力のひとつです。

〔蒔絵〕 香木を焚いて香りを聞く香道の世界では、源氏香のように古典の教養を背景とした組香が楽しまれ、その道具にも文学的意匠が好まれました。蒔絵は、そうした意匠を古典文学の情緒まで汲み取って豊かに描き出しました。

出典:リビング東京Web

《吉野山蒔絵十種香箱》江戸時代 18-19世紀 泉屋博古館東京

〔彫漆〕 盆の表面に漆を何度も塗り重ねて厚い層をつくり、その漆層に文様を彫りあらわしています。今年の干支、龍をモチーフにした漆芸品です。

出典:リビング東京Web

《龍図堆黄円盆》明・万暦17年(1589)泉屋博古館

〔螺鈿〕螺鈿(らでん)は、貝片を器物等の木地や漆面に装着して施す装飾法です。《仙人図螺鈿食籠》は、螺鈿の細やかな装飾が美しい作品です。

出典:リビング東京Web

《仙人図螺鈿食籠》元時代・14世紀 泉屋博古館

受贈記念「伊万里・染付大皿の美」

近年泉屋博古館東京へ寄贈された瀬川竹生コレクションの染付大皿が受贈後、初めて展示されているのも本展覧会の見どころのひとつでもあります。

江戸時代後期に誕生した、大迫力の染付大皿が展示されています。江戸時代、日本初の磁器生産に成功し、「初期伊万里」、「柿右衛門」、「古伊万里」など海外への輸出向け陶磁器を生み出したのは、肥前・有田の地域(現在の佐賀県有田)でした。

出典:リビング東京Web

展示風景

江戸時代後期、料理文化の隆盛とともに、料理を盛り付ける「うつわ」もより華やかになり、さまざまな文様が描かれた直径40cmを超える大皿が有田の地で数多く生産されました。

出典:リビング東京Web

展示風景

染付大皿は青と白のシンプルな配色ですが、いずれの作品もダイナミックで圧倒的な存在感があります。絵付け職人たちの美意識が反映された、斬新で大胆な文様が印象的です。

出典:リビング東京Web

展示風景

私たちの日常生活で使用する漆器や陶磁器ですが、漆芸の技法や作品の数々の作品が多角的に紹介されており、漆の魅力を再発見できそうな展覧会です。また、伊万里・染付大皿は大胆な絵柄で、会場では迫力のある大皿が展示されており、見応えがありますので、会場で是非ご覧になってみては如何でしょうか。

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