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固定概念にとらわれず、道を自ら切り拓く女性を支える本は?

  • 2024.2.16

新しい時代、自分らしく働くことを通して社会をよりよい方向に導く女性たちが集うフィガロジャポンのコミュニティ、Business with Attitude(BWA)。「こうあるべき」にとらわれずに、新しい働き方や暮らしを自ら切り拓くBWAメンバーの「働き方」に影響を与えた書籍とは?

《選者》BWA Award 2023 Awardeeモデラート代表市原明日香

 

市原明日香(いちはら あすか):1976年、福島県生まれ。大学卒業後、アクセンチュアに就職。顧客情報を一元管理し、良好な関係性を築くカスタマーリレーションシップマーケティング(CRM)に従事し、手腕を買われルイ・ヴィトン ジャパンに。その後スタートアップに転職するも、長男の病気が発覚し退職。7年のブランクを経て2014年、モデラート創業。流行や年齢に左右されないライフスタイルの「基」をコンセプトにしたファッションブランドSOÉJUを展開する。https://moderato-inc.jp

幼い息子の病気が発覚し、突然キャリアを諦めざるを得なくなった市原明日香。7年間仕事を離れた後、自身の経験を生かし、すべての人たちが自分らしいペースで働ける"器"としての会社、モデラートを2014年に起業。流行や年齢にとらわれず、自分の「基(ベース)」を作ってくれるファッションブランド、SOEJU(ソージュ)、時間を味方につけるコスメシリーズ、TOERI(トーリ)などの事業を展開し、働く女性の「何を身につければいいのかわからない」という悩みに寄り添う。

さまざまな困難に直面し、悩みながらも、「子どもがどんな仕事をしているか聞いてきた時に、『世の中をちょっと良くするためにがんばっているんだよ』と答えたい」と進んできた市原の仕事観を作った3冊を紹介してもらった。

『倚りかからず』

茨木のり子著筑摩書房刊¥1,980-

「学生時代に『自分の感受性くらい』で初めて茨木さんの詩に触れて以来、潔いメッセージが強く印象に残り続けていました。

『倚りかからず』は私が社会人一年目の年に上梓された茨木さんの最後の詩集のタイトルにもなった詩で、改めてそのタイミングで出会えたことには意味があったように感じます。

自分自身を固定観念から解放し、自分だからこそ取り組むべき仕事の意義に、向き合う力をくれる詩です」

『不恰好経営 チームDeNAの挑戦』

南場智子著 日本経済新聞出版社刊 ¥1,760-

「この本には、南場智子さんがDeNAを創業する際に経験した数々のピンチが驚くほど赤裸々に描かれており、『南場さんが発注したはずのシステム開発がまったく進んでいないことがリリース直前に判明するような事態を乗り越えたのに比べたら、モデラートの発注トラブルくらいは乗り越えられて当たり前!』などと、起業したばかりの頃のさまざまな苦しい局面で本当に勇気づけられました。

正しい選択をするのではなく、選択したものを正しくするのだという気概を学んだのもこの本です」

『反脆弱性 ー不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』(上下)

ナシーム・ニコラス・タレブ著望月 衛、千葉敏生翻訳ダイヤモンド社

「私がこの本を手に取ったのは2020年の春、コロナ禍で世界中が先の見えない不安に苛まれていた頃です。辛くもモデラートが滑り込みで資金調達を終えた直後でもあり、答え合わせの気持ち半分、これからの経営の拠り所を得たい気持ちが半分で読み進めました。

最悪の状況=取り得る最大限のダウンサイドリスクを予め想定しておくことで環境から自由を勝ち取れるという考え方は、これからもずっと私の指針であり続けると思います」

市原さんが展開するファッションブランド「SOÉJU」のアイテムを試着したり、プロのスタイリストに着こなしやスタイリングの相談ができる「SOÉJU Fitting Room」が代官山にリニューアルオープン。オンラインで発売しているアイテムが予約不要で試着可能。「自分に似合うスタイルがわからない」「新しいスタイルに挑戦してみたい」という人はぜひ訪ねてみて。SOÉJU Fitting Room住所:東京都渋谷区猿楽町24‐1 ROOB2 2F営業日時:火〜土 11:00-17:00※日曜日は予約制サービスのみ営業https://store.soeju.com/blogs/news/fitting-room-open

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