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実店舗を持たないバーで偶然の出会いを。〈Bar Straw〉赤坂真知のノンアルカクテル

  • 2024.2.16
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〈Bar Straw〉店主・赤坂

“予想外”に出会う時、カクテルはもっと楽しい

アメリカを中心としたソバーの流れは、コロナ禍の中でより身近なものになったが、それ以前の2019年からノンアルカクテル作りに打ち込んでいたのが、〈Bar Straw〉だ。

実店舗を構えず間借りやポップアップ形式を取るが、主宰の赤坂真知さんは、同世代のクリエイターとのコラボレート、ブランドのケータリング考案、レストランへのレシピ提供など、年々活動の場を広げている。そんな彼がカクテル作りに取り組むようになったのは、バーテンダー野村空人(そらん)さんとの出会いがきっかけだという。

「数年前、ドリンクに携わる仕事をしていた頃に空人さんにお会いして。作ってもらった一杯に強く惹かれました。材料が液体として混ざり合っているのに、一口飲むといろいろな香りや味がして、見た目に反した予想外な味わいに出会うこともある。カクテルは、飲む人を楽しませる工夫のしがいがある飲み物だと思いました。この魅力を伝えたいと思った時に、じゃあ僕は、未開拓かつアルコールとは違ったアプローチができるノンアルで可能性を探ろう、と」

が、聞けばその道は困難だ。酒に比べて素材の保存が利かず、リキュールに代わるシロップの種類は僅少。甘味のバランスが取りづらく、飲んだ時の“重さ”を出すためレシピは複雑化。時間も手間もコストもかかる。それでも作り続ける理由は?

「ドリンクはアルコールの有無にかかわらず、まだまだ可能性がある。僕が感じたように、人を楽しませたり、生活を豊かにする力があると思うから。この“研究”が、少しでも“カクテルって面白い!”と誰かが思うきっかけになれば嬉しいです」

〈Bar Straw〉ドリンク作りの様子
ドリンク作りはレジ横の限られたスペースで行う。
〈Bar Straw〉カクテルのベースになるドリンク類
小さな冷蔵庫にはカクテルのベースになるドリンク類が並ぶ。
〈Bar Straw〉店主・赤坂
不定期に花屋でもバーを開く赤坂さん。

自己流リミックス!定番カクテルのノンアルバージョン

〈Bar Straw〉のトレビスローニ
「ネグローニの特徴は、一杯の中に甘味、苦味、酸味のレイヤーがあること」。それを再現するため、カンパリの苦味はトレビス、スイートベルモットの甘さはブルーベリーとクランベリーでそれぞれ代用。ただ割るだけでは清涼飲料水のように飲み口が軽くなるが、そこに未熟ブドウを搾ったビネガー「ヴェルジュ」を隠し味に仕込めば、重みのある酸味が感じられるように。1,000円。
〈Bar Straw〉のラモスストロベリーチーズケーキ
クラシックなカクテル、ラモス・ジン・フィズを再解釈。「もともとは卵白と生クリームを使ったチーズケーキっぽい風味の一杯。それをひとひねりして、ストロベリーチーズケーキ風にしてみました」。イチゴジャムと生クリームを合わせ、オレンジフラワーウォーターとソーダでアップ。グラスの縁にクランブル生地を添え、より焼き菓子のような仕上がりを意識した。1,000円。
〈Bar Straw〉のわさび菜ジントニック
ジンの代わりに、基本的にノンアルスピリッツ「のん-THE NON-AL SPIRITS-」の「緑の秘境」をベースとして使用。「ジントニックは最も自由度が高いカクテル。旬の素材の味わいを楽しめるレシピが多いですね」。この日は強い辛味のある新鮮なワサビ菜を主役に。リンゴと合わせてジューサーにかけ、ジンの原料であるジュニパーベリーを想起する爽快感を演出。1,000円。
〈Bar Straw〉の塩キャラメルパロマ
メキシコで親しまれる、テキーラベースのシンプルなカクテル、パロマ。最大のポイントは、テキーラを何で代替するかだ。「同じメキシコ由来という部分から発想し、メインはアガベシロップをキャラメル仕立てにしたものに。しかしそのままだとデザート風になってしまうので、グラスの縁に辛味のあるチリ塩を添えて。飲む前の香りと、後味のギャップを演出しました」。1,000円。

Information

Bar Straw

バー・ストロー
定期的な活動は〈THE LITTLE BAR OF FLOWERS〉や〈ラーメン吉祥丸〉でのポップアップ、朝食とのペアリングを試みる『Morning PLANT』など。詳細はInstagram(@bar_straw)にて。

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