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【プチメンタル不調に効く食べ物8つ】。心の健康のためには糖質過多に注意!

  • 2024.2.16
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教えてくれたのは…

日本栄養精神医学研究会 会長・医療法人山口病院 副院長 栄養専門精神科医

奥平智之先生

「メンタルヘルスは食事から」をモットーに食事や栄養を重視した精神科診療に取り組む。鉄欠乏女子を「テケジョ」、栄養の問題に起因するうつ状態を「栄養型うつ」と命名し、「栄養精神医学」の大切さを啓発している。近著に『最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ(主婦の友社刊)』。
Facebook:facebook.com/okudaira.tomoyuki
Instagram:@tabete.utsunuke
公式HP:dr-okudaira.com

まずはおさらい! 心の健康を保つために積極的に摂りたい栄養素

✔ タンパク質
✔ ビタミンB群
✔ 鉄
✔ 亜鉛
✔ マグネシウム
✔ ビタミンD

詳しい解説はこちら!

  • 【イライラ、気分の落ち込み、疲れやすい】など心のプチ不調を解決する6つの栄養素は?

プチメンタル不調に効く食べ物

豚肉

豚肉

豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛

栄養専門精神科医 奥平智之先生

豚肉の中でもビタミンB1が豊富な部位がヒレ。その次がモモ。ねぎやにんにくに含まれる辛み成分アリシンと合わせるのがビタミンB1の吸収をアップするワザ。豚レバーは、牛や鶏と比べて鉄の含有量が多く、ビタミンAやDもたっぷり含まれています。


牛肉

牛肉

豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛

栄養専門精神科医 奥平智之先生

牛肉は、豚肉よりも鉄の含有量が豊富。ヒレ肉は牛肉の中でも鉄が多く、ももは、高タンパクで鉄や亜鉛もたっぷり。ロースは牛肉の中でとくに亜鉛がたっぷり含まれていて、レバーには、ビタミンAやビタミンB12、葉酸が、特に多く含まれています。


鶏肉

鶏肉

豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群

栄養専門精神科医 奥平智之先生

手羽先にはコラーゲンがたっぷり。ささみと胸肉には、ビタミンB3(ナイアシン)とビタミンB6が豊富です。ビタミンB群は水溶性なので、スープなどで、汁ごといただくのがおすすめです。


卵

豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群

栄養専門精神科医 奥平智之先生

良質なタンパク質が豊富なだけでなく、ビタミンCと食物繊維以外を含む完全栄養食品。記憶力や集中力、睡眠にも関与するコリンも豊富。卵は、1日で3個食べてもOKです。ただし、食べ続けると遅延型アレルギーの一因になるので、週に2日は食べない日をつくりましょう。


青魚

青魚

豊富に含む栄養素:タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛、ビタミンD

栄養専門精神科医 奥平智之先生

良質なタンパク質とビタミンB群、鉄、亜鉛、ビタミンDといった豊富に含まれる栄養素がしっかり摂れる食材。EPAやDHAなどのオメガ3が豊富であることもポイント。細胞膜のオメガ3の割合が増えると、脳の神経伝達がよくなります。


発酵食品

発酵食品
栄養専門精神科医 奥平智之先生

“幸せホルモン”といわれるセロトニンの9割は腸でつくられています。腸でつくられたセロトニンが直接脳で使われるわけではありませんが、腸でセロトニンを作る腸内細菌が減ると、脳内でのセロトニン生成量が減ると考えられています。また腸管に炎症があると、栄養が吸収されにくくなる、リーキーガット症候群になりやすくなるといった原因から心の不調につながります。こういったことからもわかるとおり、腸と心は深く関係しています。発酵食品や食物繊維などで腸内環境を整えることは、心を整えることにつながります。


にがり

豊富に含む栄養素:マグネシウム

栄養専門精神科医 奥平智之先生

スーパーなどで手に入るにがりには、海水のミネラルがイオンの状態で含まれているため、体に吸収されやすいという特長があり、中でも体に不足しがちなマグネシウムが豊富。ペットボトルの水に数滴たらせば、ほぼ味を変えることなく、ミネラルを摂取することができるのでおすすめです。


良質な油

良質な油

積極的にとりたい油【オメガ3】:えごま油・アマニ油・魚の油(EPA、DHA)
炎症を抑える効果あり、細胞膜をしなやかにすることで脳の神経伝達がよくなります。

適度にとりたい油【中鎖脂肪酸】:ココナッツオイル・MTC
体内ですばやく燃えて速やかにエネルギーになる元気の源に。抗酸化、抗炎症作用がある。

参考:奥平智之『最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』主婦の友社 2022年

プチメンタル不調の人が避けるべき食べもの

できるだけ避けたいもの

トランス脂肪酸

栄養専門精神科医 奥平智之先生

心の健康のために一番避けてほしいのがトランス脂肪酸です。細胞膜を硬くし、炎症を誘発するなど、うつをはじめとする心の不調につながるリスクがアップします。トランス脂肪酸であるマーガリン、菓子パンやお菓子に含まれるショートニングは、心のためには避けてほしいものです。


食品添加物

栄養専門精神科医 奥平智之先生

加工食品やお菓子、コンビニ食品などに含まれる食品添加物もできるだけ避けたいもの。6大“心の栄養素”に含まれる亜鉛やマグネシウムが腸内で吸収されにくくなるなど、栄養の吸収に影響します。


減らしたい・控えたいもの

オメガ6

栄養専門精神科医 奥平智之先生

現代人が摂取する油の中でもっとも多いのがサラダ油やコーン油などに含まれるオメガ6。油を抽出する際に使う化学物質が油に残留したり、高温処理する際にトランス脂肪酸に変化したりするため、控えたほうがいいでしょう。


カフェイン

栄養専門精神科医 奥平智之先生

コーヒーやエナジードリンクに含まれているカフェインは、交感神経を緊張させる作用があり、興奮作用や血糖値上昇作用があります。軽い依存性があり、急に断つと憂鬱感や集中力低下、疲労感などが見られることありますが、カフェインを飲みたくなる背景に、低血糖症が隠れているかもしれません。

低血糖に伴う倦怠感やイライラを改善するには、カフェインを摂るのではなく、食間に低糖質な補食を入れたり、ビタミンB群をしっかり摂ったりしましょう。一般的に販売されている低糖質なスイーツには、避けたい食品添加物が使われていることが多いため、補食は、卵や温かい豆乳、冷えたおにぎりなど、血糖が急上昇しないものがおすすめです。


アルコール

栄養専門精神科医 奥平智之先生

アルコールを代謝するには、ビタミンB3(ナイアシン)やビタミンB1、亜鉛が必要です。マグネシウムは排泄が促進されて不足しやすくなります。アルコールを飲み過ぎると、これらの栄養素の不足や、腸内環境の悪化にもつながり、“幸せホルモン”(セロトニン)の産生に影響が!


グルテン

栄養専門精神科医 奥平智之先生

小麦などに含まれるグルテンの摂りすぎは、細菌や未消化のタンパク質など本来であれば入らないものが腸管内から体内に入り込むリーキーガット症候群の原因になることがあります。


プチメンタル不調の人は糖質過多に注意!

プチメンタル不調の人は糖質過多に注意!
栄養専門精神科医 奥平智之先生

糖質過多で血糖値が乱高下すると心が不安定になる原因になります。血糖が急激に上がるとインスリンというホルモンが大量に分泌され、血糖が急激に下がり、低血糖の状態に。このときに、イライラ、だるい、体が重い、眠い……といった症状が出ます。

糖質過多になると心のコンディションとリンクしている腸内環境にも悪い影響を及ぼします。糖質は、腸内の“カンジダ菌”の大好物! 疲れて免疫力が低下している状態で、糖質を過剰に摂ると、カンジダ菌が異常繁殖しやすくなり、炎症も起きて、リーキーガット症候群の一因になります。リーキーガット症候群は、心の健康に大切な栄養の吸収低下にもつながります。また、炎症はセロトニンの生成量を減らします。


参考:奥平智之『最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』主婦の友社 2022年

サプリメントで栄養を摂ってもよい?

サプリメントで栄養を摂ってもよい?

きちんと3食食べてサプリを

栄養専門精神科医 奥平智之先生

朝、昼、晩の食事をしないでサプリだけでは、カロリー不足になり、筋肉などの体を構成しているタンパク質が分解されエネルギー消費に使われてしまいます。心の安定に必要なセロトニンなどの脳内ホルモン(神経伝達物質)をつくるために必要なタンパク質も不足してしまいます。

3食を食べれば栄養が足りるのかという点ですが、心の不調を感じているようなコンディションのときには、体には多くの活性酸素が生じていると考えられます。活性酸素から守るために多くのビタミンやミネラルが使われてしまうため、そういった栄養素を多くとる必要があります。心が健康的な人よりもより多くの栄養素が必要だという意識を持つことが大切です。

きちんと3食食べていても心の状態がすぐれない人は、サプリを取り入れた方が早く改善することが多いです。ただし、鉄サプリは飲むと症状が悪化する人もいるため、栄養に精通した医師のもとで血液検査を行ってから、服用するか否かを決めた方がいいと思います。


サプリメントの質に注意!

栄養専門精神科医 奥平智之先生

体にとって意味のあるサプリをつくろうとすると、それなりのコストがかかります。添加物の使用量も質もまちまちというのが現状です。そのため、極端に安いものは避けたほうが無難です。信頼のおけるメーカーのサプリを選ぶ、栄養医学にくわしい医師のおすすめのものを選ぶのがいいのではないでしょうか。


結果を判断するには、どれくらいの期間が必要?

栄養専門精神科医 奥平智之先生

サプリは体質改善のサポートをするものなので、徐々によくなっていきます。改善するまでには少なくとも3ヵ月程度かかるという気持ちで向き合いましょう。ただ、なにかしらの変化は、もう少し早く感じられると思います。理想的には、栄養に精通した医師と相談して、検査や問診、身体所見をもとに、サプリの内容や質、量、飲み合わせなどを確認してから、サプリを飲み始める方がいいと思います。


症状に合わせたおすすめの食べ物&サプリメント

心の不安定から悩みを改善するために取り入れたい食べ物や栄養素をピックアップ!

寝ても疲れが抜けない

食べて栄養補給をするならコレがおすすめ
肉、魚、卵、大豆製品、レバー(女性)、牡蠣(男性)

サプリメントはコレがおすすめ
アミノ酸、ビタミンB群、鉄(女性の場合)、亜鉛(男性の場合)、ビタミンB3(ナイアシンアミド)

クヨクヨしがち、わけもなく悲しくなる

食べて栄養補給をするならコレがおすすめ
肉、魚、卵、大豆製品、レバー(女性の場合)、牡蠣(男性の場合)

サプリメントはコレがおすすめ
アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、鉄(女性の場合)、亜鉛(男性の場合)

些細なことでイライラする

食べて栄養補給をするならコレがおすすめ
肉、魚、卵、大豆製品、レバー、もしくは、10時と15時に補食を(低血糖の可能性)

サプリメントはコレがおすすめ
アミノ酸、ビタミンB群、鉄(女性の場合)

眠りが浅い、眠りの質が悪い

食べて栄養補給をするならコレがおすすめ
肉、魚、卵、大豆製品、レバー、あおさ、ニガリ

サプリメントはコレがおすすめ
アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、マグネシウム、鉄(女性の場合)

血液検査をして栄養チェックすると改善への近道に!

栄養専門精神科医 奥平智之先生

栄養療法を導入している医療機関や栄養外来のあるクリニックなどで、血液栄養解析をすると、足りない栄養素が一目瞭然になります。本格的に自分の体内の状態が心にどのように影響しているのかを知りたい人にはおすすめです。会社の健康診断などで行う血液検査でも“心の栄養素”の状態をチェックすることができます。

注目すべき項目は「ALT」「γGTP」「BUN」です。これらが診断結果で「A」と診断されていても一桁ならば、タンパク質やビタミンB群など、心にとって必要な栄養を積極的にとることをおすすめします。


参考:奥平智之『最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』主婦の友社 2022年

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イラスト/二階堂ちはる 取材・文/金子優子 構成/剱持百香

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