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再放送NGでお蔵入り?高視聴率でも闇に葬られた民放ドラマ(3)日本中を恐怖に…超ヒット作を潰した衝撃の事件

  • 2024.5.23
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放送当時は人気を博していた筈のあのドラマ作品が、なぜか再放送されない、もしくはいつの間にかされなくなった…。そんな作品に心当たりはないだろうか。今回は、何らかの理由で再放送が不可能となった不運な民放ドラマをセレクト。なぜ再放送できなくなってしまったのか、その理由を詳しく解説しながらご紹介する。第3回。(文・寺島武志)

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ドラマ放送後に起きた未解決事件によって再放送NGとなってしまった不幸な作品

『眠れる森 A Sleeping Forest』(1998)

木村拓哉(2009年)
木村拓哉【Getty Images】

【作品内容】

主人公・大庭実那子(中山美穂)は、エリートサラリーマンである濱崎輝一郎(仲村トオル)との結婚を控え、幸せな生活を満喫していた。新居に引っ越すため家の整理をしていると、古いラブレターを発見。

手紙の差出人に会うために、故郷の“眠れる森”にたどり着き、実那子のすべてを知る謎の男・伊藤直季(木村拓哉)と出会う。

15年前に起きた「市議会議員一家惨殺事件」を軸にその生き残りである演じた実那子(中山美穂)の失われた記憶と過去と共に、事件の真相が解明されていく…。

【注目ポイント】

中山美穂と木村拓哉のダブル主演とあって、一度も視聴率は20%を下回ることなく、平均視聴率は25.2%と、ヒット作となった。

問題はドラマの内容ではなく、その後に起きた事件だ。

ドラマ放送2年後の2000年大みそかに日本中を恐怖に陥れた「世田谷一家殺害事件」。家族4人が自宅で何者かによって惨殺され、犯人の逮捕はおろか、特定すらできていない未解決事件となっている。

事件から四半世紀経った今でも、年の瀬になると、犯人の手掛かりを求める呼びかけが、警視庁から発せられる事件だ。犯人は指紋や血痕などを残し、さらに犯行後、その家のパソコンを使用したり冷蔵庫のアイスを食べるなどの異常な行動でも注目された。

この事件について、2ちゃんねるへの書き込みなどから、「世田谷事件の犯人は『眠れる森 A Sleeping Forest』の模倣犯ではないか」と噂になり、さらにはそれに後押しするようなトンデモ本まで発売される。

言うまでもなく、これらはすべて仮説にすぎず、また2ちゃんの投稿が世田谷事件の犯人であるとの確証も無い。にも関わらず、メディアも本を取り上げ、本作との関連疑惑を報じたことによって、世田谷事件の引き金になったというイメージが定説となってしまった。

2010年の再放送を最後に、再放送できない状況に追い込まれてしまった不幸な作品だ。

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