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川口春奈さん「置かれた場所で、やり抜く覚悟を持っていたい」/映画『身代わり忠臣蔵』インタビュー

  • 2024.2.14

ますます活躍の場を広げる川口春奈さんの新作は、忠臣蔵をもとにした時代劇コメディ。今回は、2月9日(金)公開映画『身代わり忠臣蔵』の、見どころに加え、作品との向き合い方についてもうかがいました。2月20日発売のリンネル4月号でも、また別の角度からのインタビューを掲載しているので、あわせてチェックしてみてくださいね!

ムロさんとの“ゆるくてほっこり”するシーンがお気に入り

「“忠臣蔵”は今までにもたくさんの映画やドラマで描かれてきたけれど、今作はそれとはまた違う斬新な時代劇。テンポもよくてあっという間なので、歴史に詳しい人はもちろん、知らない人にも楽しく観ていただけると思います」

川口春奈さんが語るのは、現在公開中の映画『身代わり忠臣蔵』について。おなじみの“忠臣蔵”は、大石内蔵助率いる47人の赤穂浪士らが、亡き殿・浅野内匠頭の仇を取るために吉良邸への討ち入りを成し遂げる……という物語。この復讐劇を、新たな形でコメディに仕立て上げたのが今作です。

物語のはじまりは、浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかる有名な“松の廊下”シーンからですが、展開ががらりと変わるのはその後。斬られて瀕死となった吉良上野介にはそっくりな弟の孝証がおり、吉良家を守るために孝証が身代わりを務める……というのが、本作ならではの新たなアイデアです。上野介と孝証という、性格が真逆の兄弟を巧みに演じ分けるのは、ムロツヨシさん。川口さんは吉良邸に勤める、明るく心優しい侍女の桔梗を演じます。

「忠臣蔵というと、基本的には男性中心の物語だと思うのですが、そこに桔梗がヒロインとして加わることで、ちょっとした恋模様が生まれるのが新しいところ。ゆるくてほっこりするシーンがたくさんありますが、なかでも孝証と桔梗のやり取りは、ふたりがとてもかわいらしくて好きですね。桔梗はチャーミングな面もあれば、ツッコミ役も兼ねていて。ムロさんは現場の空気を明るくしてくれるし、いるだけで安心できるので、私ものびのび演じられました。ふたりの自然体な雰囲気が観る人にも伝わったらうれしいですね。“忠臣蔵”は今までにもたくさんの映画やドラマで描かれてきたけれど、今作はそれとはまた違う斬新な時代劇。テンポもよくてあっという間なので、歴史に詳しい人はもちろん、知らない人にも楽しく観ていただけると思います」

どんな現場でも「楽しむこと」を大切に

近年は、『麒麟がくる』で初の大河ドラマに挑戦したり、ドラマ『silent』などの話題作に出演したりと、いくつもの作品で存在感を発揮している川口さん。ご自身でも、成長したという手ごたえを感じているのでしょうか。

「自分自身ではあまり変わったという実感はないのですが、観てくださった方からメッセージや感想をいただく機会がすごく増えたことは、純粋にうれしい。昨年は、どの作品でもがんばったことを評価していただけて、やりがいと充実感を感じられる一年間でした」

時代劇から現代劇、コメディからラブストーリーまで、幅広い作品と向き合うなかで、意識しているのは「楽しむこと」。

「忙しくても息抜きになる時間を見つけて、対人面でも相手のいいところを探そうと思いながら取り組んでいます。ただ、“郷に入ったら郷に従え”じゃないですけど、どこかで腹をくくって、自分が置かれた場所でやり抜く覚悟を持つことも大事だと思うんですよね。難しいことではあるんですけど、その中で楽しさを見つけていきたい。どの作品でも実際にやってみるまではどうなるかわからないし、不安なことももちろんあります。それでも『飛び込んでやってみよう』というチャレンジ精神を持ち続けていたいですね」

5年後、10年後の自分がどうなっているかは想像できないけれど、今は全力で、目の前の作品に取り組みたいと川口さん。

「その瞬間ごとに、自分が『これだ』と思えるものに、信念を持って取り組みたい。今はまだ、仕事で精いっぱいで、他のことに取り組む余裕がないけれど、もし興味のあるものが見つかったら、ぱっと動けるようにしておきたい。今は何よりも、たくさんの方に刺さるようなお芝居をしていきたいです」

#川口さんに最近のこと、聞きました! Q&A

━━Q.最近のマイブームは?

ヘッドスパ。考えごとが増えて頭が重くなったり、目が疲れたりしたときはヘッドスパのサロンへ行きます。頭がすっきりして軽くなるし、目もよく見えるように。何より気持ちいいので、体と同じように頭も定期的にケアしたいですね。


━━Q.撮影現場の必需品は?

合間にぱっとつまめるおやつ。干し芋や芋けんぴ、クッキーをジッパー袋に入れて、いつも現場に持っていきます。寒い時期は温かいスープやお茶、肌にやさしいナチュラル素材のインナー、レッグウォーマーなど“あったかグッズ”も欠かせません。


━━Q. 2024年の目標は?

これまでと変わらず、やるべきことをやっていくこと。ひとつひとつを大切にしながら、うまく切り替えながらクリアしていきたい。そのためには、「ここだけは」という軸をしっかり持って、上手に息抜きしつつ、メリハリをつけていきたいですね。

映画『身代わり忠臣蔵』

監督:河合勇人/脚本:土橋章宏/出演:ムロツヨシ、永山瑛太、川口春奈、林遣都、北村一輝、柄本明/原作:土橋章宏『身代わり忠臣蔵』(幻冬舎文庫) /現在公開中

嫌われ者の旗本・吉良上野介(ムロツヨシ)が恨みを募らせた赤穂藩主に江戸城内で斬りつけられた。お家取り潰しの危機を打開するため家臣から出てきたのは、吉良上野介にそっくりな弟・孝証(ムロツヨシ)を身代わりにするというもの。一方、切腹した赤穂藩主の部下、大石内蔵助(永山瑛太)は仇討の機会をうかがっているような、いないような……?

川口春奈さん Profile

1995年生まれ、長崎県出身。2007年、ファッション誌のオーディションでグランプリを獲得。2009年、ドラマ『東京DOGS』で俳優デビュー。2012年、映画『桜蘭高校ホスト部』で映画初主演を果たす。近年の出演作にNHK大河ドラマ『麒麟がくる』、連続テレビ小説『ちむどんどん』『舞いあがれ!』、ドラマ『silent』『ハヤブサ消防団』、映画『極主夫道 ザ・シネマ』『マイ・エレメント』(声の出演)など。公式YouTube「はーちゃんねる」も好評

[衣装クレジット]ニットトップス ¥29,700、スカート¥44,000/ともにヴェニット( ハルミ ショールーム)、ネックレス ¥242,000、ピンキーリング¥231,000/ともにオー(ハルミ ショールーム)

photograph:Akiko Sameshima styling:Chie Takeoka hair & make-up:Mikako Takamura text:Hanae Kudo

リンネル2024年4月号より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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