なぜ「メガネ男子」はかっこよく見えるのか？過半数の女性が「好き」、心理を専門家に聞いた

「M-1グランプリ2023」王者・令和ロマンの高比良くるまさん、人気漫画「女の園の星」の主人公・星先生――。今をときめく二人の共通点は、ずばりメガネを掛けていること。

メガネを掛けている男性をかっこいいと感じる女性は少なくないようです。メガネ専門チェーンを展開する企業が過去に行った調査では、55.6％の女性がメガネ男子のことを「好き」と答えていました（「Aigan」が2018年5月、全国の20～30代の男女500人を対象に実施）。この心理はどういう理由によるものなのでしょうか。心理カウンセラーの芙和せらさんに聞きました。

優しい男性が好きな人はメガネ好き？

Q. メガネを掛けている男性をかっこいい、好きと感じる女性は多いという調査結果がありますが、装身具、補助具の一つであるメガネに魅力を感じる理由は何なのでしょうか。

芙和さん「メガネは『知性的』『頭が良い』というイメージとつながりやすい道具です。メガネを掛けた男性が、知性があり頭がよく見えるとすれば、魅了されるのも当然でしょう。

また、知性的からのイメージの展開として『暴力的で乱暴なマッチョとは真反対で、優しい人』というものも思い浮かびます。女性は男性から優しくされたいので、さらなる魅力アップとなります。

異なる見方としては、ハリー・ポッターのような丸形メガネは、愛らしさや視力が良くないという意味での“不完全さ”を感じさせ、守ってあげたい気持ちにさせるかもしれません」

Q.メガネそのものに色気を感じるのでしょうか。男性がメガネを掛けているという状態に色気を感じるのでしょうか。

芙和さん「色気というのは男性から発せられるものなので、メガネそのものに感じるのではなく、メガネを掛けている男性からにじみ出るものでしょう」

Q.メガネを掛けた男性が、ずれたメガネをクイッと持ち上げる仕草（しぐさ）が好き、といった声もしばしば耳にします。「メガネ＋仕草」が、メガネ男子好きの女性にとっての“萌えポイント”になるのでしょうか。

芙和さん「メガネをクイッと持ち上げる仕草は、これから何かに集中しようとするときに行うもので、本気モードに入るサインです。そういう気合を感じて萌える人もいるでしょう。

あるいは、メガネを外して目頭を押さえる仕草は、ひと仕事やり終えて疲れたときに行うもので、疲れを癒やしてあげたい、何か役に立ちたいという気持ちにさせるかもしれません」

どんな女性がメガネ男子を好きになる？

Q.メガネを掛けている男性を「好き」と感じる女性は、どのような人でしょうか。

芙和さん「おそらく筋肉もりもりなマッチョより、知性や優しさなどに魅力を感じる人が、メガネの男性に魅了されるのでしょう。

精神科医で心理学者のユングは、女性の心の発達段階によって、女性のイメージする男性像＝「アニムス」も成長すると言っています。

（1）力のアニムス：男性的な力強さや体格に魅了されます。例えば「大きくて頼りがいがある感じ」「体力があって強そう」といった強いイメージに価値を見出している段階です。

（2）行為のアニムス：決断力や行動力のある男性に魅了されます。

（3）言葉のアニムス：言葉で人を引き付けたり動かしたりする力を持つ男性に魅了されます。

（4）意味のアニムス：状況や行為に意味を与えてくれる精神的なリーダーとしての男性に魅了されます。

メガネを掛けた男性は（3）以上にアニムスが育っている女性が魅了されやすいと考えられます」

Q. 同じように、メガネを掛けている女性が好き、という男性も少なからずいるようです。これはどのような理由が考えられますか。

芙和さん「メガネを掛けている女性も、知性的なイメージを持たれやすいでしょう。それに加えて、外見の美しさにこだわるより内面磨きに力を注いでいるイメージもあるでしょう。あるいは素朴さを感じる男性もいるのではないでしょうか」

Q.メガネと同じような“萌えアイテム”は、他にどのようなものがあるでしょうか。

芙和さん「萌えアイテムは無限に考えられますが、例えばネクタイやスーツに萌える女性もいます。理性的でまじめで仕事ができるイメージがあるからです。

普段スーツ姿しか見ていない会社の同僚がジーンズにTシャツ姿だった場合、ギャップ萌えを感じるというケースもあります。高級な万年筆やボールペンを握る繊細な指先に魅力を感じる女性もいるでしょう。クラシックな革靴に育ちの良さを感じる場合もあります」

（LASISA編集部）