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夫の不倫を黙認することに決めました… 判断を誤った「アラフォーサレ妻の悲劇」【前編】

  • 2024.2.11

夫の不倫を疑いながらも、生活のためを思って黙認する妻もいます。しかしその選択が、あとになって後悔を招くことも…。女性の心に寄り添うメンタル心理カウンセラーの並木まきが、30代後半で夫の不倫に悩んだという女性のエピソードをご紹介します。

LINEを見たら限りなく「クロ」だったが…

亜紀さん(仮名)は、30代前半で結婚し、すぐに子どもにも恵まれ、当時は家族3人で穏やかに暮らしていると思っていたそう。しかし、30代後半になったあるときに夫のスマホを見ると、不倫相手らしき女性とのやり取りを発見してしまいます。

「文面からして、どう考えても不倫をしている感じでした。けれど私は当時からパートで働いていてキャリアというキャリアを積んでいなかったので、離婚となっても生活が不安で、夫の不倫を黙認する決断をしてしまいました。
LINEを細かく遡っていくと、その不倫相手と夫はすでに2年くらい付き合っている様子でしたね。私は夫の不倫をまったく疑っていなかったのでショックでしたが、長い結婚生活のうちには、そんなこと(不倫)もあるのかな……と自分を納得させ、見て見ぬふりを決め込みました」

妻に不倫がバレていないと思い込んでいる夫は、それからもたびたび外泊をするなど、自由な生活を謳歌していたとのこと。夫は家庭生活や子育てにそこまで協力的ではないため、家のことや子どものことは亜紀さんがすべて担っていたそうです。

不倫を繰り返す夫に我慢を重ねる日々

そして亜紀さんが夫のスマホを見た出来事から1年半ほど経ったときに、夫の在宅時間が増え、亜紀さんは直感的に「不倫相手と別れたんだな」と確信したのだとか。しかし、これで平穏な生活が戻ると安堵したのもつかの間で、それから半年もしないうちに再び夫は休日にも家族を置いて一人で出かけるようになったそうです。

「不倫をしていた当時の夫の生活パターンを熟知していたので、またそのときと同じような生活を始めたことで、新たな不倫相手ができたのだと確信しました。
けれど、そのときもまだ私はパート勤務を続けていたので、離婚を考えるだけの生活力がなくて……。夫の不倫には苦しんでいて、お金の心配がなければすぐにでも離婚したい心情だったのに、行動に移すだけの生活基盤がなかったのです」

夫の不倫を気にしないようにしようとするほど、亜紀さんは夫のことが気になって仕方なく、だんだんと精神的にも落ち込んでいきました。体感的にも体調がすぐれない日が増えてきたものの、アラフォーに差し掛かっていた年齢のせいかと思い、我慢を重ねていたと振り返ります。

「今、思えばあの頃の自分は相当に無理をしていたのだと思います。自分で稼ぐ力がないことを理由に、そこまで我慢をする必要なんてなかったんじゃないかという反省もあります。
けれど、あの頃はどうしても動くことができなくて。夫が不倫を1日も早くやめてほしいと思うだけで、何の行動にも移せずにいました。その行動が、結果的に夫が私を舐めてかかる原因にもなったんだと思います」

心情的には夫の不倫を「許せない」「離婚したい」と感じていても、経済的な事情から離婚に踏み切れない女性もいます。離婚をしないに越したことはないという考え方もあるため、不必要な我慢を重ねすぎることによって、自分でも思っていた以上に心や体にダメージを受けている例も少なくありません。結婚生活を守ることだけにとらわれすぎてしまうと、自分の心や体を傷めてしまう結果を招きがちです。限界を越える我慢は、続けるべきではないのも現実でしょう。
©takasu/Adobe Stock ©mapo/Adobe Stock

文・並木まき

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