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お父さんが子どもを連れていても「良いお父さん」とは誰も言わない。子育てはお母さんがやるべき!という発想が皆無のドイツ【日登美のタベコト in Berlin・66】

  • 2024.2.11

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

ドイツの子育ては父母同等

ドイツでは台所に女性が立つ、という感覚は皆無と言っていいでしょう。さらには、育児を女性に任せるという風潮もありません。あってはならない、という方が正しいかもしれません。それくらい、男女、そして父母の責任は同等であり、親であること、暮らしを担うことは女性の役割ではないのです。

日本だとまだお父さんが子どものお迎えをしたり、公園で子どもを一人で遊ばせたりしているのを見ると「良いお父さん」という賞賛の声が上がるようですが、ベルリンでは当たり前すぎて、話題にもなりません。むしろ、お母さんが一人でなんでもやっていると、周りから野次が飛んでくるくらいです。外野も育児を母に押し付けているように見える家庭を放っておいてくれない(笑)。よくも悪くもそんな勢いすら感じられるベルリン子育て事情であります。

ベルリン小児科待合室にて。子連れママは私ひとり。あとはお父さんしかいない。

我が家は年始早々子どもが風邪をひいて、久しぶりに小児科に行ったのですが、ほぼ半数以上はお父さんが病気の子どもを連れてきていました。それだけではなく、新生児ですよね?という赤ちゃんだって、しっかり抱っこ紐の中にいれられて、お父さんが大きな赤ちゃんバッグを持って一人で健診に来ているというのも当たり前の光景です。みんな手慣れたものです。見ているこっちが惚れ惚れするほど、お父さんと赤ちゃんという風景がしっくりきている。

我が家もパパに夕飯よろしくーって日もある。お母さんのご飯は当たり前じゃないんだよ!

そう。子育てはお母さんがやるべき!という発想はもはや幻想です。もちろん、お母さんがやってもいいですし、実質どうしても女性の方が多くの場合担うことになる、というのはわかります。けれど子どものしつけから、看病から、教育から、食育まで、全てお母さんがやって当然という風潮、その責任を全てお母さんに押し付ける社会の風潮というのは百害あって一理なし。

「風呂、飯、寝る」とか言わせる男子子育てはもうやめよう。今時の男子は台所に立つべし。くらいがグローバル社会では必須かも。

子育ても、食育も、お母さんが全部背負わなくていいんだ。それができるんだ!とベルリンのお父さん、お母さんの在り方を見ていると思います。

公園もだいたい半分以上は平日でもお迎え帰りとかで、お父さんと子どもが遊んでる。これがベルリン子育て当たり前の風景です。
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