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「子連れ再婚」で夫の態度が一変…「子どもたちのために」決意した再婚が“泥沼化”した48歳女性の苦悩

  • 2024.2.10
再婚で挽回? それとも「もうこりごり」?
再婚で挽回? それとも「もうこりごり」?

私が運営する「恋人・夫婦仲相談所」で、離婚した後の女性たちの話を聞いていると、大まかに2つのパターンに分かれるように思います。「スッキリ! 彼氏をつくって再婚するぞー」という“再婚で挽回したい派”と、「もうこりごり! 二度と結婚なんかしない」という“おひとりさま人生を選ぶ派”です。

再婚をするもしないもそれぞれの自由です。「別れた夫は理想の結婚相手から程遠かったから、テイク2で理想の結婚をやり直したい」と、離婚をポジティブに捉える女性の声も多く聞いています。マッチングアプリにも、堂々と「再婚希望」をプレゼンできる時代です。

「夫婦どちらかが再婚者」の割合は26%を推移

厚生労働省の「人口動態調査」に基づく「人口動態統計(確定数)」の「婚姻」について見てみると、1960年から1981年までは「夫婦とも再婚、またはどちらか一方が再婚(つまり結婚経験あり)」である割合はおおむね11~15%。バブル期でもある1980年代後半になると、その割合は上昇して18%台に。その後も再婚である割合は上がり続け、1999年に20%を超え、2005年には25%になりました。そして2012年以降は26%台を推移しています。

1970年の婚姻件数の総数が102万9405件、このうち「夫婦とも再婚、またはどちらかが再婚」の件数は11万4535件。これに対して、2021年は婚姻件数の総数が50万1138件、このうち「夫婦とも再婚、またはどちらかが再婚」の件数は13万227件と、実際の数字を見てみるとその数の多さに驚くのではないでしょうか。

娘が生まれた途端、態度が豹変(ひょうへん)

「結婚前はあんなにかわいがってくれていたのに……」

そう涙を流すのは明美さん(48歳、仮名)。彼女には、前夫との間に2人の息子がいます。現在の夫である重行さん(仮名)とは、明美さんが勤める飲食店で出会いました。威勢がよく、きれいな顔立ちの明美さんに重行さんがぞっこん。何度もアプローチを重ねますが、当時7歳と5歳の息子がいた明美さんは、息子たちとの暮らしを守るため、断り続けました。

しかし彼は諦めず、「2人の子どもを自分の息子として育てたいから、結婚を前提に付き合ってほしい」とプロポーズ。熱意に根負けした明美さんは彼を自宅に招き、子どもたちを交えた時間を過ごすようになります。

まだ幼く、父親を欲していた息子たちは重行さんの優しさに甘え、そのうち明美さん抜きの3人で遊園地に行ったり、買い物に出かけたりするように。息子たちは重行さんを「パパ」と呼び、1週間会えないと「寂しい」と言うようになりました。そんな姿を見て、明美さんはようやく2度目の結婚を決意します。

結婚後、2人の間に娘が生まれました。すると、夫の態度があからさまに変わり、明美さんの長男に冷たくあたるようになります。

誰も見ていないところでコツンと小さく殴ったり、嫌みを言うような怒り方をしていたりしたようですが、そのうちに明美さんの前でも平気で行うようになりました。それでも息子さんは、「ママの子どもだから、かわいい」と妹をかわいがり、重行さんとなるべく顔を合わせない生活を送っていました。娘がまだ1歳だったことや、自宅を購入してローンを組んだばかりだったこともあり、明美さんはいまさら離婚に踏み出せないと悩んでいました。

あるとき、重行さんに借金があり、自宅を購入した頭金も、親の老後資金を借りたお金だったことを知った明美さん。夫婦なのに大事なことを隠されていた、このままでは自分たちの生活が危なくなると思い、別れを選びます。

「絶対に離婚しない」という夫を置いて、子ども3人を連れて家を出ました。すると、今度は義母が暴言メールを送ってくるようになります。“自分たちの孫を連れ去った誘拐犯”扱いです。明美さんは離婚調停を申し立て、娘の親権を手に入れました。今は経済的に豊かではありませんが、4人で静かに暮らしています。

「1人目の夫とは死別でした。子どもたちが小さかったし、父親が欲しいだろうと再婚したのが間違いでした。彼は私と結婚するために子どもをかわいがる振りをしていただけ。借金のことも全く知りませんでした。自営業で、高級なバイクに乗って、何でも買ってくれて、羽振りがよかったので商売がうまくいっているのだと思っていましたが、それは全部、親のお金でした。

子連れの私との結婚を、あちらの母親はよく思っていなかったのに、離婚するとなったら孫かわいさで脅迫までしてきて……泥沼です。今度こそ結婚はこりごりです。二度としたくありません。子どもたちと支え合って生きていきたいと思います」

明美さんは“子どもたちのため”に再婚を決意しました。しかし、自分自身の幸せを深く考えていなかったので、相手をしっかりと見極めることができなかったのかもしれません。

再婚はあくまでも「自分が幸せになるため」「相手を幸せにするため」にすると捉えてください。周囲が望むから、子どもが望むから、世間体のため……という他者視点の理由で再婚しても、うまくいかないのではないでしょうか。「前夫とのことを反省して、この人とだったら人生を共にできる」という信念です。再婚だからこそ、見えてくるものがあると思います。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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