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チャールズ3世、逝去時に予定されている「メナイ橋作戦」とは?

  • 2024.2.9
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イギリスでは君主が亡くなった時にどうすべきかも当然、想定されている。チャールズ3世逝去時の「メナイ橋作戦」はどんなものなのだろうか。

戴冠式の日、バッキンガム宮殿からウェストミンスター寺院に向かうチャールズ3世。(ロンドン、2023年5月6日)photography: Abaca

エリザベス女王が逝去する時の想定計画は「ロンドン橋作戦」と名付けられていたことはまだ人々の記憶に新しい。2022年9月8日に女王が亡くなり、英国政府関係者は次のプロジェクト、「メナイ橋作戦」の詳細を詰めはじめた。「何年も前」から綿密に練られてきたこのプロジェクトの目的は、チャールズ3世の逝去時の段取りを決めること。なお、「メナイ橋」とは世界初の鉄製吊り橋で、ウェールズのアングルシー島と本土の間にかけられている。長らくプリンス・オブ・ウェールズだったチャールズ3世にとってウェールズ地方との縁は深い。

英「インディペンデント」紙によれば、「メナイ橋作戦」には警察、英国政府、軍、情報機関、民間組織が関わり、ロンドン橋作戦との類似点が多いそうだ。今のところその内容はほとんど知られていないが、チャールズ3世の死亡発表、続く服喪期間、そして正式な葬儀実施に関しての計画を想定したものだ。君主の死後、きちんと手順を踏みながらもできるだけ円滑に王位継承を進める意図がある。

半旗掲揚

米NBCのTV番組「Today」の取材に対し、元王室護衛官のサイモン・モーガンは、次のように語っている。「チャールズ3世自身、国王としての最初の演説で、命が許す限り自分の役割を果たすと述べました。しかし、彼が73歳であることを念頭に置かなければなりません。警察と協力しながら将来のこともまた考え始めなくてはならないのです」。メナイ橋作戦が発動するとすぐ、チャールズ3世の個人秘書官が、英国首相および国王の諮問機関である枢密院に死亡報告をする。各省の秘書官は、政府の閣僚に君主の死を知らせるための勅書を受け取り、内閣官房長は上級公務員に電子メールで通知する。メッセージ受領後、各官公庁では国旗の半旗掲揚をおこなう。

王太后

チャールズ3世の死が発表されるとすぐに、ウィリアム皇太子が国王に、キャサリン皇太子妃が王妃になる。新君主は国民に向けての演説を行う。チャールズ3世も母の死後の2022年9月9日におこなっている。その後、国で喪に服す期間が始まる。カミラ王妃は、「王太后」の称号となる。これは国王の未亡人に与えられる敬称で「儀礼的」なものに過ぎず、正式な称号ではない。従って憲法上の権限も義務も発生しない。

バッキンガム宮殿が2月5日に発表したように、チャールズ3世は「がんの一種」と診断されており、イギリス国民の間で不安が広がっている。ただし医師側では治療結果について「大変楽観的」であるそうだ。またウィリアム皇太子は、少なくとも公務に関しては、すでに父親の代わりを務めている。

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