1. トップ
  2. エンタメ
  3. 【俳優・奈緒さんインタビュー】「できない自分を受け入れたら、すごく心が軽くなった」しなやかなマインドを育むものとは?

【俳優・奈緒さんインタビュー】「できない自分を受け入れたら、すごく心が軽くなった」しなやかなマインドを育むものとは?

  • 2024.2.9
  • 3089 views

現在、主演ドラマ「春になったら」が好評放送中の奈緒さん。多忙ながらもすり減ることなく、日々を邁進する彼女の心のあり方とは?

PROFILE
なお/1995年2月10日生まれ。福岡県出身。直近の出演作に、映画『#マンホール』『スイート・マイホーム』、ドラマ「あなたがしてくれなくても」など多数。公開待機作に、映画『陰陽師0』(4月19日公開)がある。

小さな喜びに心が動いていると、まだまだ大丈夫と思えます

今回の撮影が行われたのはドラマ撮影の合間のこと。お疲れでは?という心配はまったくの杞憂で、目の前の奈緒さんの朗らかな笑顔とムードによって現場の空気はパッと明るくなった。

「私はわりと喜怒哀楽がしっかりあるほうなのですが、余裕がなくなるとどんどん心が動かなくなっちゃうんです。それが自分の中では危険信号だなと思っています。例えば、『空がキレイだな』と感じたり、食べ物を美味しいと思えたり、季節の移ろいのような本当に些細なことに気づけたり、喜びを見いだせたりする時は、心がちゃんと健やかでいられている証拠。昨年の冬至あたりにお寺でロケをしたんですが、そこで育てている柚子をお寺の方からおすそ分けしていただきました。それをキャストやスタッフで分け合って、『今夜はゆず湯に入ろう!』と昔ながらの風習をみんなで楽しむこともできました。この数カ月はドラマの撮影ですごく忙しいけれど、そういった気持ちが温かくなる瞬間にも助けられてますね。ただ、人間ですからどうしてもそうなれない瞬間というのも起こり得るので、私の場合は、ずっとこの状態が続くわけではないからと、終わりを常に意識することを心がけているかもしれません。反対に、慌ただしさで余裕がない状態が自分の生活からまったくなくなってしまうと、それはそれで不安だしストレスになっちゃう。もちろん基本は穏やかでいたいけれど、忙しさって不意に訪れるので、そんな時は『次の休みに何をしようかな?』と楽しみをふくらませながら心を保っています。変に抗ったりせず、いい時もそうじゃない時もあるよね、くらいの心構えで」

ワンピース ¥121,000、サンダル ¥121,000(ともにフォルテ フォルテ/コロネット)、右耳イヤカフ ¥9,900(オンブル ビジュー)、白蝶貝リング ¥40,700(アナプノエ)、ゴールドリング ¥6,600(エンジュ ジュエリー/すべてフォーティーン ショールーム) 左耳イヤカフ ¥8,800(フル・オブ・グレイス/ズットホリック) ネックレス ¥86,900(マリハ)

しんどいことさえも、“好き”の中で起こっている

物事を大らかに受容するマインドの源とは。

「私はずっと自分が好きなことしかしてきていないので、すべてが好きから始まっています。何をやりたいか? どこへ行きたいか? 何を食べたいか? 会いたいと思った人に会うし、やりたいからやる。わかりやすいものでいうなら、俳優という仕事も好きだから続けられています。ただ自分が好きでやっていても眠れない日があったり、ご飯が喉を通らない日も訪れます。でも、それらさえも自分が選び取ってきた”好き”の中で起きていることなので、甘えちゃいけないし、仕方ないなって腹をくくれる。それに、どんなに好きでも好きでい続けるにはやっぱり努力が必要なのも事実。だから純粋な好きからはじまって、それを好きでい続けられるかどうかは、他の誰でもない自分自身の責任なのかなと思っています。目の前の憂鬱は後々になって自分を強くしてくれる思い出に変わったりもするので、好きでい続ける努力を手放さなければ、いつか乗り越えられるということもわかりはじめました。だから少しずつではありますが、できない自分やあまり好きになれなかった部分も、愛するまではいかなくても受け入れられるようにはなれてきたんです。好きでいるために、休んだり立ち止まることも大切だなと思っています。改めて自分の本音と向き合えるチャンスだなって。大人になった今、自分の心に気づくのもコントロールするのも自分次第なんですよね」


ドラマ「春になったら」 3カ月後に結婚する娘(奈緒)と3カ月後にこの世を去る父(木梨憲武)が、それぞれのやりたいことを実現していく、かけがえのない3カ月間を描いたハートフル・ホームドラマ。毎週月曜22時〜カンテレ・フジテレビ系にて好評放送中。

Photograph=Chihiro Tagata Styling=Kaori Okano Hair & Make-up=Chika Tanabe Text =Hazuki Nagamine

※InRed2024年3月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

元記事で読む
の記事をもっとみる