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「親が亡くなった」人がしなければいけない「確定申告」とは?通常の確定申告とはどう違う?

  • 2024.2.8
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確定申告といえば、所得税や消費税、法人税などの額を確定させる毎年恒例の行事で、所得税の確定申告は毎年2月16日から3月15日まで受け付けられるが、通常の確定申告以外にも、「準確定申告」というものがある。

これは本人ではなく、親などが亡くなった後に相続人がする確定申告で、通常の確定申告と同様、還付金などがもらえるが、異なる点もあるので注意が必要だ。

■準確定申告は通常の確定申告と大きな差はないが……

準確定申告は、亡くなった人の所得の確定申告で、相続人が代わりにする。確定申告すべき人が年の途中、もしくは年が明けてから確定申告をするまでに亡くなったときに、行われる。

要は「確定申告」なので、事業所得や不動産所得がある場合、給与所得が2000万円を超える場合、また公的年金の収入が400万円を超える場合などには、準確定申告が必要だ。たとえ400万円以下でも「公的年金等に係る雑所得以外の所得」が20万円以上ある場合も必要になる。

準確定申告は紙と電子申告のどちらでも申告でき、必要な書類は通常の確定申告とほとんど同じだが、多少違いがある。

準確定申告では、相続人が2人以上いるときに、相続人の全員が署名した申告書を提出する。また、相続人の情報を書いた「準確定申告書の付表」も必要だ。

なお、それぞれの相続人が納める税額は、原則として遺産の相続割合によって決まる。

たとえば、相続人が2人いて遺産を半分ずつ分けることになっており、亡くなった人が納めるはずだった合計の納税額が20万円ならば、10万円ずつ納税するということだ。

提出期限は、相続の開始(亡くなったこと)を知った日の翌日から4ヵ月以内だ。たとえば、もし1月15日に亡くなった場合、通常の確定申告の期限まで2ヵ月しかないが、この場合は4ヵ月以内なので5月14日までにすることになる。

提出先は、亡くなった人の住所を管轄する税務署。申告する相続人の住所地ではないことに注意が必要だ。

■準確定申告をすると還付金をもらえることも

準確定申告は、相続人が代わりにするだけで、要は確定申告なので、医療費控除などの所得控除を受けられ、還付金をもらえることがあるのは同じだ。

医療費控除は、医療費が原則として年間10万円を超えたときに受けられる控除なので、亡くなった本人(被相続人)の医療費負担が大きかった場合などは、還付金があるかもしれない。

また、亡くなる前にふるさと納税をしていれば、準確定申告で「寄附金控除」を受けられる。

亡くなった人の所得が会社からの給与のみなら、会社の年末調整を受ければ準確定申告は義務ではないが、通常の確定申告と同じように、準確定申告で控除を受けることで、払いすぎた所得税が戻ってくることがある。医療費やふるさと納税の分までは会社で計算してくれないケースが多い。

なお、通常の確定申告では1月1日〜12月31日に支払った分が控除の対象になるが、準確定申告では1月1日から亡くなる日までに支払った分のみが対象となる。

■準確定申告を放置するとペナルティを受けることがある

準確定申告で特に注意したいのは、4ヵ月と定められている申告期限に遅れると、加算税や延滞税といったペナルティが課されることがある点だ。また、無申告や所得隠しをすると刑事罰に科せられることもある。

申告しなかった場合、加算税は、納税すべき額に比べて足りない税額が50万円以下の場合は納税額の15%、50万円を超える場合は超過分に20%の税率がかかる。

申告期限に遅れたらペナルティがあるのは、通常の確定申告と同じだが、両親が亡くなり相続の手続きを進める中で、「書類が間に合わない」「提出を忘れた」ということも起きえるかもしれない。

申告を放置すると、受け取れるはずだった還付金をもらえないだけでなく、思わぬ出費が生じることもある点は覚えておこう。

文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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