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【汐留】開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト—世界を結ぶ建築@パナソニック汐留美術館 3月10日(日)まで

  • 2024.2.7

パナソニック汐留美術館では「開館20周年記念展/帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展が2024年3月10日(日)まで開催されています。アメリカ他より借用したフランク・ロイド・ライトによる肉筆のドローイング39点を含む資料360点が展示されています。

出典:リビング東京Web

会場入口 ※撮影は会場の指示に従って下さい。

フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright 1867年-1959年)

アメリカの建築家。ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と呼ばれています。2019年には、ライトが手がけたアメリカ合衆国の8つの建築作品が、「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。「帝国ホテル二代目本館(現在は博物館明治村に一部移築保存)」や「自由学園」を手がけています。熱烈な浮世絵愛好家の顔も持つ、日本と深い縁で結ばれた建築家です。

出典:リビング東京Web

展示風景

日本初公開、フランク・ロイド・ライトによる精緻で華麗なドローイングの数々

フランク・ロイド・ライトは日本の浮世絵に大変魅せられて、浮世絵を蒐集していました。

ライトは浮世絵との出会いに触発されて、それまで規範とされてきたボザール様式の建築図面とはまったく異なる新しい図面の描き方を考案しました。

出典:リビング東京Web

展示風景

フランク・ロイド・ライトの精緻で華麗なドローイングの数々が展示されており本展覧会の見どころのひとつです。

出典:リビング東京Web

展示風景

100年前の帝国ホテル模型を3Dスキャン計測データを用いた3Dプリントレプリカで公開

原作はライトが帰国に際して、京都帝国大学教授(現・京都大学)の武田五一に贈ったものです。武田五一はライトと深く交流し、日本におけるライトの受容に貢献しました。

帝国ホテル二代目本館として完成した「ライト館」は2023年に竣工から100周年を迎えます。

出典:リビング東京Web

帝国ホテル二代目本館模型(3D計測データを用いた3Dプリントレプリカ) 制作:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab,2023年

帝国ホテル二代目の平面図も展示されていますので3D模型と比較しながら鑑賞することができます。

出典:リビング東京Web

帝国ホテル二代目本館(東京、日比谷)1913年-23年 地下1階平面図、メイン階(2階)平面図 フランク・ロイド・ライト

図面、写真、家具、かつて帝国ホテルの一部を構成していたテラコッタや大谷石のブロックなど、当時の帝国ホテルの設えの様子がわかる貴重な資料が展示されています。

出典:リビング東京Web

展示風景:帝国ホテル二代目本館で使用されていた食器

帝国ホテル二代目本館で使用されていたフランク・ロイドがデザインした椅子も展示されています。オレンジ色の椅子は「孔雀の間」と呼ばれる宴会場で主に使用されていたことから「ピーコック(=孔雀)チェア」と呼ばれ、背もたれが六角形で斬新なデザインです。

出典:リビング東京Web

展示風景 帝国ホテル二代目本館 椅子 フランク・ロイド・ライト 左:帝国ホテル二代目本館 椅子「ピーコックチェア」フランク・ロイド・ライト

ライト建築を体験、ユーソニアン住宅の原寸モデル

ユーソニアン住宅とは、ライトが1930年代後半から取り組んだ、一般的なアメリカ国民が住むことのできる安価で美しい住宅です。初期の木造のユーソニアン住宅であるベアード邸(マサチューセッツ州アマースト、1940年)をお手本とした原寸モデルで、玄関から居間の空間の体験型の展示があります。フランク・ロイド・ライトの建築教育の実践の場であるタリアセンでかつて学んだ経験を持つ磯矢亮介氏の協力により伊豆産の杉の赤身材で制作されたものです。会場で実際に椅子に座って体感できる展示となっています。

出典:リビング東京Web

展示風景:ユーソニアン住宅の原寸モデル展示 製作:有限責任事業組合 森の製材リソラ、磯矢建築事務所

上昇する建築と環境の向上

帝国ホテルの様に水平方向への広がりが印象的なライト建築ですが、垂直に伸びる高層建築にもライトは早くから関心を示し、高層ビルの設計に取り組み続け新しい工学・構造技術を開拓しました。写真のジョンソン・ワックス・ビルでは直径23センチの細い柱が上昇するにつれ大きく広がり天井を支える「樹状柱」を考案し、構造壁としての内部間仕切りをなくし、カーテンウォールの採用によって自然光をふんだんに取り込んだ空間を作り出しています。

出典:リビング東京Web

展示風景

ライトが提唱し続けた思想である「有機的建築」は、自然と人間の調和を図ろうとするもので、自然の造形や原理に基づいた設計がなされています。

展示室の最後はフランク・ロイド・ライトの壮大なプロジェクト構想も展示されています。

国内では四半世紀ぶりの本格的なライト回顧展。本展覧会はフランク・ロイド・ライトのドローイングや帝国ホテル二代目本館の資料展示、ユーソニアン住宅の原寸展示といった様々な角度でフランク・ロイド・ライトの偉業が紹介されており、パナソニック汐留美術館開館20周年にふさわしい密度の濃い展覧会です。

この機会に是非会場で鑑賞されてみては如何でしょうか。

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