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見映えよく暮らすことを強いられている世の中だから。何もかもが嫌になってしまう前に「やらないことリスト」を作る! ドイツで見つけた暮らしを楽しむヒント

  • 2024.2.6

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

ドイツのお正月はリラックスが基本

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。新年早々に大きな地震が能登半島を襲い、その後も心痛むニュースはドイツにも届いております。被災地の一刻も早い復興と、そして被災された方たちに支援が行き届きますことを祈っております。

ドイツではクリスマスや大晦日はチーズフォンデュやラクレットと呼ばれるチーズ料理が人気。なぜなら、ほぼ料理する必要がないから! 楽で美味しいし、最高!

さて、ドイツでは例年クリスマスがクライマックスなので、年末に町中が花火で大騒ぎになった後は全く祭りの後のような静けさで、お正月は食卓含めリラックスモード全開が一般的。とはいえ、我々日本人は、何もしないわけにいかないのがお正月。

されど、クリスマスにお正月というダブルパンチはやや負担が大きすぎる、と素直に弱音が吐けるのも海外に住むようになってから。そう。みなさん! クリスマスとお正月をダブルで祝うなんて無謀です。そんなことしてる国民は多分日本くらい? ではないかしら? というわけで、在ドイツ8年の我が家も、今ではおせちは大晦日に作って間に合う程度、が基本になりました。

大勢で食事することの多い年末年始。大きな子どもは料理を一緒にしてもらう。
なんとか日本の伝統を紡ぎ続けるベルリンでのおせち。年々簡素化し、頑張らないのが長続きのコツ。

おせちって作ってみると、やっぱりいいなぁとおもう素敵な食文化なんだけど、お重や器が漆だったり、和食器も食洗機に入れられないものが多く、お料理だけでなくその周りも手間暇かかるものが多いです。日頃の食卓だけでも十分大変なのに、その上おせちとなると負担が大きいというのが子育てママの正直なところではないでしょうか。それくらい私たちの日常って忙しく、時間も余裕もない。そしてハレとケの違いがないほど、見映え良く暮らすことを強いられている世の中のように思います。

その点ドイツ式の食卓は基本質素で、簡単なものばかり。見かけより中身重視。だから見栄を張る必要もなく疲れもたまらない。だからいざという時の行事を楽しむ余裕も出てくる気がします。お節句を楽しむ、季節を楽しむ暮らしには、そんな日頃からの台所の簡素化とリラックスが肝心なのではないかしら。

ストレスにならない海外でのおせち作りは、食べ切る量だけ、好きなものだけ、を作るのがモットー。

今まではあれもこれもやらないと、と頑張ることが多かった子育てママの台所。けれど今や忙しすぎる日常の中で、何もかもが嫌になってしまう前に、やらないことのリストを作る! これが食や暮らしを楽しむこれからの暮らしの新しいヒントのように思っています。

ご馳走続きの年明けに、ぜひ用意しておきたい、マクロビオティックで有名な三年番茶。これを飲むと体がすごい楽になる。
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